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和装の話題

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仁平幸春の和装や布に関する考えを綴ります。
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記事一覧

分野分け出来ない着物をつくる理由

当工房は、衣桁に(着物を広げて飾るための枠)かけた際に見栄えのする「着物の形をした染絵」…

私は和装自体は充分に進化した状態にあると考えております

現代の和装は一般的にイメージされている「高価でメンテナンスが大変で決まり事だらけで面倒な…

和装は懐が深く広い面もあります

和装は、決まった形しか無いように思われ勝ちですし、ルールも厳しいように思われておりますが…

フォリア工房の和装についての考え

フォリア工房、そして代表の仁平幸春の、和装への姿勢です。 文化面「いわゆる呉服」は、古臭…

レース“文様”の和装についてあれこれ

当工房では、アンティークレースをモチーフにした和装の「文様染め」をしており、それは当工房…

私は伝統的とされる日本的な色味も、時代によって変わると考えております

このnoteに何度か書いております通り、私は日本的な色味というのは「わずかな濁りや茶色成分を…

渋い・地味・派手について

・・・・「渋さ」と「地味」という話がありますが、両者は全く違います。 「渋い」というのは電球で例えるなら、白熱灯のようなジワリとした光の波長を持つもので「派手」の方はLEDの光のような・・・刺さるというか強いニュアンスがあります。 どちらも「光を発するもの」なのです。 しかし「地味」というのは、光を発しない、むしろ光を吸収してしまうものです。ですので、地味であるのは、何事においてもダメです。 「枯淡」は、押し付けて来る事は無く、過剰ではないもので、冴えて冷たい鋭さを持

フォリア工房のムラ染系の仕事について・5

今回は、生地に染料や糊やロウを蒔いて、蒔絵などで言う「砂子」のような効果を出す仕事を紹介…

フォリア工房のムラ染系の仕事について・4

*墨洗い流し加工* こちらは、墨や顔料で生地を染めた後、布を水に充分に浸け、それからブラ…

フォリア工房のムラ染系の仕事について・3

*ムラ雲絞り* 当工房では、工房内の通称でそう呼んでおりますが、絞り染業界で言われている…

フォリア工房のムラ染系の仕事について・2

*トラ目染* こちらも「全面ロウムラ加工」と同じように、工房内での通称がそのまま業界の通…

フォリア工房のムラ染系の仕事について・1

*全面ロウムラ加工について* 「全面ロウムラ加工」というのは主に「白ロウ」という、防染力…

序・フォリア工房のムラ染系の仕事について

当工房の定番とする加工に「ムラ染加工」があります。 高度な日本の伝統染色の分野では、ムラ…

現代和装における、新作の染帯の意味について

私のような、一応は糸目糊を使った文様染めをやっていると、着物が主であって染め帯はその下ランク、みたいな感じに、業界でも着物好きな方からも思われ勝ちです。 特に、昭和的価値観の人たちや、団体展の正会員でないと、ちゃんとした作家じゃない、みたいな価値観の人たちにはそういう傾向があります。 が、実際には着物も帯も、どちらも布を染めるということでは同じで「良いもの」にするのは、どちらもむづかしいのです。当たり前の話ですね。 友禅のキモノで団体展に良く出品されているような総柄のも