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仁平幸春の考え

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制作に関する考え、その他雑感を綴っております
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#工芸論

民藝は三つに分離したと私は把握しております

「民藝」は、柳宗悦並びに賛同者の人々の発見した 価値観 / 鑑賞方法 である、と私は把握して…

モノの肉体的実用性が失われても審美性が残る=審美性は実用的で寿命が長く強い

わたくし、このところ民藝系の話題を連投しております。 久しぶりに日本民藝館に行きました …

無銘性について

民藝では「無銘性」について云々あって、 例えばこんな 【「無銘性」=無名の職人によって作…

先日、久しぶりに日本民藝館に行きました

25年ぶりぐらいですかね。(2021年時) 工房構成員の甲斐凡子が行った事が無いと言うので、生…

レ点方式の採点では測れないもの

生き物に対しての良し悪しの判断は「レ点方式では“採点”は出来るが“良否の判断”は出来ない…

現役のプロであるために必要な仕事量がある

なぜ、いろいろな分野のプロがアマチュアの人たちよりも「しぶとく上手い」かといえば、アマチ…

社会が成熟して豊かになると、修行に時間がかる伝統系を本業にする人が減る傾向がある気がする

・・・タイトルの通りに思うのですが・・・、どうも、そうなると伝統工芸などでは、プロの職人・仕事人ではなく、ハイアマチュアが作家さんとして増えていく傾向があるようです。 作品制作を仕事としていても、例えば和装系手作り作家さんは有名でも制作の収入のみで生活しているわけではない事が意外に多いものです・・・かなり有名な人ですら、実は講演会や出版の収入がメインで工房を回していたり、美大や専門校などで教えることで作家としての創作活動を維持している人がいます。教室経営も多いですね。もちろ

人為の美と自由

美を宿した人為や人造物は 時間から自由になる 経済から自由になる 個別性から自由になる …

私は「そこに美はあるのか?」という風にしか観ないのです

・・・という意見の方と、わたくし、今まで沢山出会ってまいりました。 しかし、私はその「い…

伝統とは直接対峙するのが良いのです

自分のつくる和装の柄で「これがもし、洋服の柄としてついていたらどうか?」ということは良く…

紙を染める時

私は布だけでなく、紙も染めることがあります。 襖や、壁紙に使う紙など、注文制作で草木染…

色と味覚・嗅覚は良く似ています

女性ものの着物の色には、体感として「少し酸味と甘味がある」のが重要と個人的には思っていま…

内向きの価値観の空間が本当に苦手で・・・

私は一般に思われるよりも、いわゆる創作系のいろいろに雑食性でいろいろ楽しめるタイプなんで…

フォリアの「染め分」の仕事

当工房の定番の作風で「染め分」(そめわけ)があります。 着物でも、帯でも制作します。 色面分割のシンプルな仕事です。 いろいろな構図・色で制作しますが、こんな感じのシンプルなもので(下の写真。タイコ部分)業界の方々には「あんな仕事、誰でも出来る。オレは認めないね(ケッ!)」という風におっしゃる方もおりますが・・・ ロウで細い線で括って染め分けるだけなので、確かに技法的には誰でも出来ますし、ウチのコピー品も沢山出回っています。(しかし、構図や配色は非常にむづかしく、染加