マガジンのカバー画像

仁平幸春の考え

487
制作に関する考え、その他雑感を綴っております
運営しているクリエイター

#仁平幸春の考え

美しい道具は、用途を知っていても知らなくても美しい

シビアな職人仕事の何かの用途に使われる道具は、非常に魅力的な形をしています。色気すら感じ…

機械でやった方が良いものは機械でやった方が良い

手でやっていたものが、機械でもっと精度高く出来るようになった、そして完成度の高いものが大…

本阿弥光悦の大宇宙展へ行った

もう終わってしまった展示ですが東京国立博物館の「特別展 本阿弥光悦の大宇宙」へ行って来ま…

伝統は資源

日本では、水と安全と環境が豊か過ぎて、生まれる前からそれが当たり前にあり、今後もそれが自…

伝統工芸において明治以降の偉いとされている人ばかりを参考にしても伝統から学んだ事…

私は、染の着物や帯の文様染色の製造卸販売をメインの生業にしております。ですので東京在住の…

伝統文化界隈こそ、未来への投資が必要

伝統文化界隈は、過去にばかり目が行きがちですが、むしろ常に未来を考え投資しなければ衰退し…

同じ業界でも他業種だと事情がまるで違う事もあり、社会からの影響も時差があるものなので、詳しい人程、他業種の事に知った口を利かないですよね

同じ業界でも、業界内の分野によってまるで違う事がありますから、その仕事のスペシャリスト程、同じ業界であっても他業種の事を偉そうに意見する事はしませんよね。 例えば、和装染色で手描き糸目友禅をしている人が、江戸小紋について偉そうな事は言えないわけです。逆もまたしかり。同じ生地や染料を使って和装をつくるわけですが、その手法と製品に対して要求される事がまるで違うからです。 もちろん知識としてはかなり知っている人もおりますが、逆にそういう人程…分かっているからこそ、 「多少知っ

映画「PERFECT DAYS」を観たです

先日、妻と最近評判の映画「PERFECT DAYS」を観に行きました。 結論から言うと、私は好きな映…

今、現代美術とされている分野はゲームに似ていると思う

普通一般の人々が思い浮かべる「現代美術」というものは、その時代の「前衛」のような、まだ形…

一部の欲深い人によって全体が損をする

以前、当工房でも染色教室を単発的にやった事がありまして、それは結局、プロの制作現場に生徒…

工芸系作家も職人もちゃんとしないと

作家だからどうとか、職人だからどうとか、そういう事は関係なく、ちゃんとした仕事をするべき…

私は伝統〇〇と言われているものは取りあえず怪みます

当たり前の話が当たり前に把握されていないのが、いわゆる伝統界隈の世界だと私は把握しており…

伝統文化は、その国のインフラの一つなのではないか?

などと、令和6年の正月に思ったのです。 その国の様々な自然災害への対策、さらに鉄道や道路…

変化の無くなったものは、役割の終わったもの

和装は 「伝統的衣装でありながら同時に現代ファッションでもある稀有な民族衣装」 です (注・そのような物は日本だけにしかないという意味ではありません) ですから、現代日本人が、現代の日本の民族衣装を変化・進化させる事は全く問題ないと私は考えます もし「全て昔のルールに則るべし」とした場合、それは自らその文化の育成を放棄し“和装は終わったもの”と宣言する事になります なぜなら文化は、変化し続けている間は生命体ですが「保存する事・守る事自体が目的」になると、役割を終え