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日々是うふふ

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「うふふなミカン」を通じてこころが動くこと、あれこれ。食べる人・つくる人がつながることで起きる化学反応あれこれなど綴っています。
運営しているクリエイター

#うふふなミカンとは

技術の進歩って何だろう?

「技術の進歩って何だろう?」最近よく思います。父は「草刈なんて時代遅れだ」とよく言います。「除草剤を使えば苦労しなくていいのに。」 とも。 からだが楽なことをなぜ選ばないのか、彼には不思議でならないようです。除草剤は土中で分解するから安全、ミカンの木まで除草剤の成分は吸われないから大丈夫、というメーカーの説明を父は素直に信じています。 そこを信じ切れない娘はそれに対して「一周回って最先端なの!」とよく言い合いになります(笑)。 世界中で使用禁止が進んでいるにも関わらず日

平和の象徴

うふふなミカン。 よくその名前の由来を聞かれます😊✨ 食べる人もつくる人も地球も 笑顔になるミカンづくり、 ということとがひとつ。 もう一つはこの名前ができた瞬間の 風景そのもの、 (お父さんにいたずらする女の子が うふふ(いひひ)と 嬉しそうに笑ってました☺️) 子どもたちの笑顔が 300年先も続くように、 との願いを込めました。 子どもの笑顔は 私にとって平和の象徴。 とてつもなく尊いもの。 私の祖父の弟は 戦艦「若月」に乗り 戦地で亡くなりました。 むかし

あんな子やこんな子を見て思う(閲覧注意)

 (病気になったミカンの写真が出てきます。ちょいとグロテスクなので苦手な方はスルーしてください。) うふふなミカン、5月に花が咲いた後、小さな青い実がつき少しづつ大きくなってきました。この写真は7月ごろのもの(に顔をつけました笑)。夏から秋にかけさらに大きくなっていきます。 夏は摘果(てっか)といって柑橘類は実を間引く作業をするシーズン。1本の木にたくさん実をならせすぎると、養分が行き渡らないので、数を減らしてひとつひとつの実を充実させます。また「表年」「裏年」とあるよう

農家はマルチクリエイター

 写真、かわいくないですか?( ´艸`)自分で撮影していてうふふを軽く超えてゾクゾクしました。こういう瞬間、本当にシアワセです。これはうちのうふふなドライミカンに地元の凄腕パティシエにお願いをしてクーベルチョコレートをかけた「うふふなミカンショコラ」です。もちろんこのプロダクツのご紹介もしたいのですが、今日は農家の「マルチクリエイター」っぷりについて。  うふふなミカンを始めて今年で5年目。農業の専門の勉強をしたわけでもない私は作業を覚えながら、どうやって自分の想いを届ける

見えないけどあるもの

まろやか蔵出便(1月便)の出荷も無事にほぼ終了。1月便でもたくさんの美味しかったよ!メールをいただきました。温かなメッセージ、本当にありがとうございます。 皆さんお礼のご連絡を下さいます。つくってくれてありがとう、と。生産者にとってこんなにうれしい言葉はありません。年老いていく生産者も、もう1年頑張ろうかって思い直せます。お金をいただいている訳ですから当たり前のことをしているのですが、やっぱり喜んでもらえていると思うととっても嬉しくてほっとして、『これでいいんだ』と改めて勇

自分をなめるな

「自分のほんとうの声って何だろう。」 私はヒラメクことも多いのだけど、迷うことも多い。それがうまくいくのか、家族や友人・周りからどう思われるのか、採算はとれるのか、etc…同時にたくさんの声が頭で鳴り響き、パッと自分が思ったことに結局氣付かないふりをして日常の雑務で氣を紛らわすことも多い。 実はうふふなミカンも自分で「やりたい!」と思って始めたものの、「実は親に対する承認欲求のためにやっているんじゃないか。」「義務感でやっているんじゃないか。」、そんな迷いが生まれていた。

言われたかった言葉

ここのところ「もやっ」としていた。コロナとか外的要因ももちろんあるのだけど「やるぞ!」ってどこか前向きになれない。その理由がいまいちピンと来ていなくて。企画も立てて新製品も作ってバンバン販売して…。ビジネス上は踏ん張らないといけないタイミング。でも元氣な発信をする氣がどうしても起きない。 そしてここ数日続くトラブルもその延長戦(だと考えている)。突然パソコンが壊れたり、データ移行の最中にネット詐欺に合いかけたり、そのタイミングですごく精度のいいフィッシングメールが到着したり

イメージが持つちから

うふふなミカンを始めるにあたり、たくさんの応援のお声やできごとがあり、スムーズにスタートできた私。今思えばよく始めたなぁと自分に驚いています。 始める直前の1年間、私は風と土の自然学校(当時山梨県)で自然農や自然に寄り添った暮らし方を学んでいました。 豊かさとは何か、様々な体験のなかで素晴らしい仲間とともに学ぶ1年間。笑いの絶えない、かけがえのない時間でした。 この講座で印象深いことのひとつが1年の集大成としてつくる「宝地図」。宝地図は自分の思い描く夢を1枚のボードに表現

悔し涙からの出発

 うふふなミカンを始めたきっかけはいくつかあるのだけど、このことはほとんど話したことがない。長いからね笑 とある研究者のひとこと それは5年ほど前、当時の仕事の関係で初めて学会と呼ばれる場所に出向いたときのこと。生物関係の学会で私は「農薬と生態系」をテーマにした分科会を聴講した。 すでに販売許可を得て一般的に使われている農薬であっても、生態系に深刻な影響を及ぼすものが存在することを、実験や調査によって因果関係をひとつひとつ立証する、気の遠くなるような研究をされている方々の

防腐剤を使わないという選択

想いって見えないけど伝わる。愛を知るというのはこういうことかも知れない。大げさに聞こえてしまうかな。でも本当にありがたくて涙が出ます。(涙腺弱め) 2019年冬。今年は平年より暖かな日が続き、またまたいつもと違うことが起こっています。ミカンの収穫後、フレッシュなゆえの酸度を落ち着かせるために倉庫で寝かせるのだけど気温が高いせいでミカンが傷みやすくなってしまいました。 うふふなミカンは防腐剤は使いません。だからと言って腐ったミカンを送っては絶対にいけないわけで。(ミカンが腐

土地の歴史

屋号(やごう)こんにちは。うふふなミカンの平原由樹です。うちのあたりはいまだに「屋号」が生きています。苗字ではなくて「かごや」「茶碗や」「油や」「米や」「庄屋」など屋号で呼び合うんです。  ちなみにうちは「たんぼのうち」。昔同じ部落(「地区」ってしっくりこなくて。田舎あるあるじゃないかな笑)内で引っ越してきたときに、田んぼの上に家を建てたから「たんぼのうち」。いたってシンプル。  同じ苗字も多いし、みんな下の名前で呼び合うような小さな部落だから私は「たんぼのうちのゆきちゃ

大自然品質~傷だらけの人生~

 今の時期ミカンは摘果(てっか)といって間引き作業の時期。1本の木にたくさんなりすぎても味が落ちてしまうのと、樹の活力を来年に向けて維持するために間引きをします。  残念ながら美味しくならなそうな子たちから取り除くのですが(冒頭写真)左の子は台風などで近くの枝で傷がついてしまったかな。右の子はハートの部分が日焼けしすぎてヤケドの痕がひどく、硬く変質しちゃった子。 (下の写真)この子たちはおそらく虫たちが食べた痕でかさぶたがたくさん。  あんまり皮が硬く変質しちゃうと正直

うふふなミカンに向かう道~その1~

私は農家のむすめとして生まれたけど、日常的に農作業をしてきたわけじゃありません。たぶん農家あるあるだと思うけど、家の手伝いより勉強しなさい、って感じだったし、それが当たり前だと思ってた。 大学に進学させてもらって、東京で働いて、千葉で結婚して。静岡に帰るなんて、まさかミカンに関わるなんて、つい数年前まではちっとも考えてなかったんです。 兼業農家だった我が家。小さい会社ながらも経営者である父の年収と比較してミカンでの収入は少ない(割に合わない)こと、農業だけで食べていけない

「うふふなミカン」って?

みなさん、こんにちは。うふふなミカン 平原由樹です。「うふふなミカン~皮まで食べられるミカンプロジェクト~」は,駿河湾を臨む静岡の地で育てられる除草剤不使用、有機JASで許可された資材でつくられた特別栽培ミカンです。 私の家は300年くらい前のお墓もあったりする、ずーっとこの地で暮らしているお百姓さんの家系。今のところ父は某協同組合で役員をしていることもあり、一部の畑を慣行栽培から特別栽培(「減農薬栽培」の方がイメージしやすいですね)に切り替えています。 「農薬」は法律上