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【エッセイ】新生活の皆さん、仕事の前にまず遊ぼう

(1707文字)
4月は新生活の季節。
中川家のラジオショーを聞いていたら、剛さんが、
「18歳で一生の仕事を決めるなんて出来ないよな」
というような事を言っていた。
確かにね、高卒なら18歳、大学卒でも22歳から。
22歳って、ボクはまだ物心ついてなかったですよ。
中川家の2人も高卒で一度就職してから吉本の学校NSCに通って芸人になった。

今は終身雇用なんて時代じゃないけど、それでも人生を決める決断を、まだ社会を知らない状態でしなければならないわけだ。
ボクは人より少し遅れて就職して、転職してそこも何年かで辞めて28歳から自営業。
夢や目標があった訳ではなく、ただ会社勤めができなかっただけ。
だから仕事や人間関係で悩む人の気持ちは解るつもり。

ひとつの会社や仕事で勤め上げるのは難しい時代だと思う。
なぜかと考えると、やっぱり情報と選択肢が多すぎるんでしょうね。
終身雇用が当たり前の時代に勤め上げた人と話をしていると、「今の人たちは我慢が足りないんだ」と言われることがある。
それは違うんじゃないかなと思いつつ、議論しても無駄だと思うので反論しないけど、やっぱりその人たちの時代とは情報量が違うということがかなり大きいし、そうじゃない時代の人には理解しづらいと思う。
一度その道と決めても、脇を見るといろんな道が見える。
会社で何か嫌なことがあれば、脇の道の方が良いように見えてくる。
もちろん、スキルアップ、収入アップを求めて前進するんだという人はそれで良いんです。
でもそういう人は少数だと思う。

そしてその情報量の増加は常識を崩壊させて、「それが当たり前だから」ということがどんどんなくなっていった。
不条理なことや発言に我慢する必要はないし、転職の道はいくらでもある。
もちろん、それを批判する訳ではない。
このままでは危ないと思うなら、心や身体を壊す前にその会社を辞めた方が良い。
まずは健康ですよ。特に心の健康が大事。
ただ、そういう時代ということは、つまり「自分で生きていけ」ってことなんですよね。

昔は勤め上げるのが「常識」で、それが「当たり前」だから少々のことは我慢をして、まさに一所懸命に頑張ってきた人たちも多いと思う。
そして「社員は家族」という松下幸之助の言葉も生きていた。
会社のために働けば、会社も自分を守ってくれた。リストラという言葉が現れるまでは。
そう考えると、今の若者は情報が溢れる大海原に、ハタチやそこらで放り出される訳だ。ここを歩けば安心なんて道はない。

そんな若い人たちに、ボクが一応ではあるけど人生の先輩としてアドバイスをするなら、
「面白さを見つける力を身につけると良いよ」ってことですかね。

どの仕事でも、どこかに面白さがあると思う。
単純な作業でも、ここをこうすると効率的だと考えて、実際にそうだと嬉しかったり。
小さなことから、面白さを見つけてみる。
一度、面白くないと思ってしまうと、面白くないことばかり目についてしまう。
その悪循環に入ると、人と比べて自分が恵まれてないように感じて抜け出せなくなる。
結局、その仕事の面白さや、仕事の本質を感じる前に辞めるしかなくなる。

それじゃ、面白さを見つける能力はどうやったら身につくのだと疑問になる。
ボクはね、遊ぶことだと思うんですよ。本気で、思いっきり遊ぶこと。
なんでも良いから、興味のある世界に飛び込んでいく。多少の勇気は必要かもしれないけど。
そうすると、もともと興味があることだから、面白さは見つけやすい。強制される訳でもないし。
本気で遊べば、どんどん世界も広がってくる。
そうやって色々考えたり、チャレンジしたりしているうちに培われた考え方や行動力が、仕事に活きてくるんじゃないかと思うんですよね。

まぁ、これはあくまでもボクの考え方。
だけど、ボクの周りの仕事ができる人は、遊びも本気な人たちばかり。
または、趣味が仕事というような、仕事が楽しくて仕方ないという珍しい人かな。

そんな訳で、新生活を迎えた若者の皆さん、遊んでください、本気でね。
新生活2年目で悩んでいる人も、とりあえず仕事のことは置いておいて、やってみたかったことにチャレンジしてみよう。

最後に、タモリさんが言ったという言葉を。
「真面目にやれよ!仕事じゃないんだぞ!」







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