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【音楽】ブラウン管のビッグ・バンド

アリス・クラークという黒人のR&Bシンガーがいた。
彼女が残したアルバムはたった一枚のみ。
それがまた良いんですよ。
やがてそのアルバムは「発掘」されて、レコードはかなりのプレミアで取引されるようになった。
それがCDで再発され、ボクが持っているのはそのCD。
このアルバムの何が好きかって、彼女の歌唱力や楽曲の良さはもちろん、バックの演奏も良い。
詳しくは分からないんだけど、演奏しているのはジャズ系のバンドですね。R&B系じゃない。いわゆるビッグ・バンド。
百聞は一見に如かずなので、まずはこの曲を。

このホーンの入り方、ギターのオブリガード、やっぱりジャズなんですよね。
そしてこの感じ、同世代の方はどこか懐かしく感じませんか?
そう、ボクたちが子供の頃の歌謡曲なんですよ。
あの頃は、レコーディングでも歌番組でもビッグ・バンドを使っていることが多かった。今考えると贅沢。
ビッグ・バンドでR&B調の歌謡曲といえばこれですね。

この曲は一番から二番の間のブリッジのコード進行がたまらないんだよね〜。
R&Bでよく使われる手法なんだけど。

歌番組でよく見たのが、やっぱりダン池田ですよね。
子供の頃は、演奏もしていないのに一番えらいって、このオヤジ何者なんだ?と思ってたけどね。パンチパーマに髭だし。

やっぱり美空ひばりは上手いねぇ。「歌っている」もんね。
ビッグ・バンドがテレビに出てこなくなったのはバンドブームからでしょうね。
その前のニューミュージックから侵食されてはいたけど、歌謡曲のエリアにロックが入り込んできて、いつの間にかそれらがJ-POPとして確立された。
昔は演歌もポップスも「歌謡曲」だったけど、今はJ-POPと演歌という感じがする。

この曲を聴いて、これを思い出すといえばこの曲。

レオン・ラッセルの「This Masquerade」。
有名な曲です。カーペンターズもカバーしたんだっけ?
この曲を聴くと、ルパン三世を思い出す。
このブルージーな雰囲気にフルートがまたたまらない。
ジャズの世界でいえば、ハービー・マンが売れていた頃なのかな?
そしてルパン三世の愛のテーマ。

大野雄二先生ですね。
これはクロマチック・ハーモニカですけどね。似たような雰囲気を感じませんか?
話の最後の方でね、ルパンが回想して物思いにふけっている感じ。
「奴も寂しかったんだろうな」なんてね。
バックは海でしょうね。地中海。白い壁の家。
なので、レオン・ラッセルの「This Masquerade」を聴くと、意識は地中海に飛ばされます。行ったことないけど。

そういえば「8時だよ!全員集合」でも演奏はビッグ・バンドだったもんね。よく考えてみると、あの番組も贅沢。あれだけコントのセットも作って、ゲストもたくさん呼んで、金かかってたんだろうなぁ。

演奏だけ聴くと、無駄にカッコいい(笑)

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