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【#毎週ショートショートnote】ドローンの課長

お題:ドローンの課長
文字数:410文字

「角田君、最近頑張ってるね」
パソコンに向かって企画書を作っていると、ドローンの課長が後ろから声をかけてくれた。
「ありがとうございます」
振り向くと微かにプロペラ音を発する課長がふわふわと浮いている。
課長がドローン化してから、もう半年以上が過ぎた。

コロナ禍でのリモートワークが終了した日、課長は出社を拒否した。
「それでも私の営業一課の成績は上げて見せる」
そして翌日、課長からドローンが届いた。
「毎日の充電と起動を頼む」
メモにはそう書かれていて、課長はドローンのカメラとマイクで私たちに指示を出すようになった。

不思議なことに、あれから私たちの課の成績は右肩上がりだ。
その様子を見て、営業2課の課長もドローン化し、彼の課も成績が上がった。
それならと部長、次長、常務、専務、そして社長までもが今やドローンとなった。
そして今日も、我が社のオフィスは和やかな雰囲気だ。
彼らがドローン化しただけで、こんなにプレッシャーが軽くなるとはね。



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