見出し画像

IRから見た「経営と人事」「人事と広報」 (#人事ごった煮超交流会@箱根)

タイトルのテーマで、箱根にて『人事ごった煮超交流会』という会がひらかれていたので参加した。

新卒で配属されて5ヶ月目に入り、ようやく仕事を「こなす」ことには心の余裕が出てきた。そうすると、本や身の回りにいるひとから吸収するものだけでは基礎と幅を作っていくのに限界があると感じ始めていた。

ライブインプットの時期。昨日の朝渋と前後になったのはたまたまだけど、面白そうなことに首を突っ込んでいろいろな人の考えに触れたかった。

知りたいことは、こんなこと。他の会社の経営企画課(にあたるチーム)は何をしているのか?今自分がやっている経営管理は経営陣と執行役員と課長の足並みがそろえばいらない仕事に見えるが、それは経営企画課の役割なのか?戦略の方向性の提案にもっと寄与するべきではないのか?

単純に、他社の人が経営と現場のブリッジについてどう考えているのかとても気になる。その上で自分はIR担当として何を目指したいのか、何を得て何を価値としていけばいいのか、どういう話をすればいいのか、ヒントにしたい。そう思っての参加だった。

以下に、面白かった話をまとめて書く。

リクルート文化の強さは ”卒業文化”

登壇おひとりめのミライフ代表取締役の佐藤さん。リクルート系でのご経験があるそうで、裏話をしてくれた。

人事異動は経営メッセージ。最短最速で成長できる場所におけ。これがオーダーだとして、誰を抜擢するか、上げるか、下げるか。

画像1

リクルートの強さは、ひとことでいうとかの有名な卒業文化。卒業文化があることで、あの規模でも平均年齢は30代前半だという。

上司がいないので固定概念もない若手にチャンスが与えられ、成長でき、混乱し、新しいことができる(上の図)。

3年後に船を降りてどこへでも生きていける人材になれ」とは入社直後から副社長に言われている。わかりやすく言えば、「辞めないで」と引き止められるような人材。入社直後でいえば、「残念だけど、仕方ないね」人材ということになる。

ワンキャリアの北野さんにもこのあとお話いただくけれど、全員が「いつでも辞められるけど楽しいからここにいる」状態の組織はやはり最強だと思う。

知る・やる・わかる・通じる

画像2

来てみると意外とみなさん人事の方だったんけれど、IRというよりは経営管理もかじっている経営企画課としていくつか人事と共通点があるなと思った。いちばんは、「経営」と「現場」の間を走り回っている立場ということだ。

なので、今回は「現場とどうブリッジするか」をテーマに問題意識を共有して、何かしらスッキリ感を得たいなという視点で話を聞いたり議論したりできたらなと思っている。

「知る・やる・わかる・通じる」は、元Sansan人事の西村晃さんのお話。現場と人事を行ったり来たりされたようで、ブリッジというテーマには一番近かった。

何をすれば事業部のミッションを達成するために、一緒に仕事をしたいとおもってもらえるのか、結構悩んでいる。

だからといって「事業部に入る」はコントロールできないので、「20人と隔月でランチ」などの関係性づくりは見習いたい(とはいえ勇気が出ないので、勇気が出る方法は知りたい)。

世界の経営指標を変える

画像3

次に、エンゲージメントについて、リンクアンドモチベーション取締役/ヴォーカーズ取締役副社長の麻野浩司さんがお話くださいました。

学んだのは、コンサルの先に「中長期のテコ入れ」としての投資があるんだなということ。「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」が思い浮かぶ。

組織を変えるためには経営のゲームルールを変える。そのために経営指標を変える。今までは、PLのいいところが、人や投資家(お金)を集めていたが、彼はそこに、エンゲージメントスコア(従業員の共感度)をいれようとしている。

その背景として、Vorkersの評価スコアが業績と一致したことがあるらしい。それで投資家がVorkersを見るようになったが、偏りがあるので、クラウドでより正確なスコアをとり、応募者や投資家に開示していくことを考えているとのこと。おもしろい。

商品は人材があればつくれる。

20世紀はヒト・モノ・カネの時代。21世紀はヒト・ヒト・ヒトの時代。(大前研一さん)

会社は、資本市場と労働市場と商品市場のなかで戦わなくてはいけない。商品は人材があればつくれるので、人材が最重要だとのこと。辞めていった先輩社員の顔がいくつか浮かぶ。

そして興味深かったのはモチベーションの方程式。

モチベーション = 報酬(やりたい・Will)×実現可能性(やれそう・Can)×危機感(やらなきゃ・Must)

人事に直結したレクチャーだと、直近では問題意識がないのであまり腹落ち感覚がない。この等式でいえば、WillもCanもMustもないからモチベーションにもあまりないのかも。

人事目線ではなかったので、本質とはちょっとずれたところを切り取ってしまっている気がする。

解と問

画像4

豪華ライトニングトーカーのもうひとりはLINEの青田努さん(@AotaTsutomu)。ダントツでパワポがきれいだった。

自分の会社でのミッションに関連した話でいうと、問いを間違えるなということがいちばん印象的だった。間違ったKPIを追うな。管理コストだけかかることをするな。常に考えているけれど、なかなかたどり着けていない気がする。

良質なコンテンツとは「人の変化」を起こす。変化を起こしてくれたものに人はロイヤリティを感じる。

画像5

最後のゲストは大ヒット「転職の思考法」の北野唯我さん。

博報堂の経営企画(M&A、中計)からのMBA等を経てワンキャリアの最高戦略責任者いうことなので、最初の問いについてもあとで聞けるかもしれない。

採用広報について出し惜しみせずお話してくれるということ。結論は「コンテンツがすべてを決める」。どういうことなのか?

前提① 情報量は増えているが、大学生(に限らず社会人も)の情報を判断する思考や価値観は成長していない
前提② インターンなど、学生が企業と触れる機会は増えている。
前提③ 口コミがパワーを持つ時代(本音を見ている)。

つまり、コンテンツが良くなければ優秀なヒトからの興味は取れない時代。これは採用に限らないと思う(ちなみに採用広告が上手い企業として名前が挙がっていたのはメルカリとJT)。

まず、良質なコンテンツとは「人の変化」を起こすもの。変化を起こしてくれたものに人はロイヤリティを感じるのだそう。

コンテンツ:文脈が含まれる情報で、変化を起こすもの

例えば「一緒に働きたい」ような社員のインタビュー。企業ブランド記事の平均滞在時間とPV数には関連性があり、良いコンテンツは認知率と興味喚起、エントリーにポジティブな影響を与える。

反対に、離職率○%、平均残業時間○時間、など数字だけでは、学生がこれだけで行く企業を決めたりはしないということ。

データ:単体では文脈がない情報で、変化を起こしづらいもの

原液(コアコンテンツ)とコンテキストのつくりかた

ユーザーの思考法は、メディア⇒文脈⇒コンテンツの順でアクションし、心が動かされる。

画像6

なので、つくるときは、伝えたい原液⇒文脈⇒メディアの順で選んでいく。

画像7

まずは、コンテンツ(原液)の作り方。

①「皆が知ったら全体の富が増えること」はなにか?ー独自の事実、エピソード、数字

②書き出した魅力のうち、「ソーシャルイシューにつながる理由」が明確なものはどれか?

なぜソーシャルイシューが大事かと言うと、あなたが広げたい魅力(自己満足の世界)と、世の中が困っていること(今の自分が解決できないこと)が重なるところが、いちばん広がる価値のある「原液」だからだそうです。

③選んだ話のうち、「具体的なポイント」を端的に3つまとめるとしたらなにか?

これで、「広げたいコンテンツ」が完成。日記ではなく、重要なのは世の中のためになること。

コンテキストは、以下の3つを選んでいく。

①誰が言うのが適切か?②いつ言うのが適切か?③どう語るのが適切か?

そして、この話を一番届けたい人は誰かによってメディアを選ぶ。

今回のプレゼンの問いは「あなたにとって「もっと皆に知ってほしいこと」はなんですか?」

知ってもらうために、「人の変化」を起こす良質なコンテンツを見極め、コンテキストを作り、メディアを選ぶ。

北野唯我(@yuigak)さんの濃すぎるプレゼン。大サービスでしたね。

北野さんには夜中までわたる懇親会で個人的なアドバイスも頂け、ぐるぐると考えることになった。その話も追々書きます。

翌日の朝渋ならぬ朝箱根のレポートはこちら。

いろいろ考えた週末でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?