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武司、夢の国へ行く

えらいこっちゃですよ。

カラーミーの「よむよむカラーミー」が、わたしどものこのnoteを「わざわざ」さんや「うなぎの寝床」さんと並んで紹介してくださいました。
おそれ多い!!ありがとうございます!

けど!
ああ!!
ぜんぜん更新してないし!
見に来てくれた人ホントごめん!

さて、こんなに非更新の期間が長いといったい何を書けばよいのか迷ってしまいますが、ここはやはり人気の武司くんネタにしたいと思います。
あれ?うちってこんな語調でよかったっけ?まあいいや。

最近のトピックとしてはやっぱり2月の東北湯治旅です。今までにも何度となく3週間くらいの湯治には出かけておるのですが、今回違うのは、なんと私も一緒に行った。ということでございます。

私と武司は”元夫婦”でございますが、やっぱり二人で宿にチェックインすると普通に夫婦と思われます。まあ、そりゃそうですよね。部屋も一緒やし。で、なぜ私も一緒に行くことになったのか。

だいたいやね、うちのサトナカというのは、12月のお歳暮シーズンから3月ホワイトデーまでが1年で一番忙しい時期なんですよ。2月だって、やること満載なんです。しかし、考えても見てください。私たちが住んでいるのは「雪なし県」。太平洋側です。あのね、数年に一回、10センチも積もったら大騒ぎよ。あちこちで車が田んぼに突っ込んでるし、学校も会社も休みになる。そんな太平洋族がですね、雪の東北へ行きたい。そう思ったらもうね、この時期しかない。いやもう、まったくピンポイントでこの時期しかないんです。

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じゃあ、どうするか。私はもう1年前からこの日にフォーカスして、まず7月に予行演習として、鳥取島根の旅を1週間、やりました。これは1週間私がいなくても仕事が回るかどうか、の実験でした。

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私がいなくても、製造、通販も回っていかないといけません。もちろん、この時にはいろいろ不具合も出ました。そこからシステムを変更したり、環境を整えるように…、おっと、今日は武司の話なので、この話はまた今度。

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なぜ私も同行したかの一番大きな要因、それは「熊」です。もう数年来、武司は熊の肉を食べてみたいという夢に囚われており、それも「熊の肉を食べたい」と言う単純なものではなく(それなら熊肉を取り寄せて出している近隣の店で食べればよい)、いわゆる「マタギの里」で「地元で獲れた熊」を「その地元で食べる」と申しておりました。

彼には昔からそういうところがありまして、例えばひとつ好きな絵があるとすると、その絵がどこに収蔵されているのか調べる。それが例えばブリュッセルの辺鄙な土地の教会だとすると、そこへ行くための旅を考える。そういう感じです。好きな絵が東京の美術館に来たりもしますが、それにはまったく興味がないようです。彼としては絵だけ見てもしょうがない。絵を取り囲む環境、町、すべてをひっくるめてのその絵であるわけだから、東京の美術館で大勢の人に囲まれて厳重に警備されているのを見てもしょうがない。そういうわけです。

熊も同じで、彼の熊に対するリスペクトなのでしょう。自らが熊のホームへ行くべきである、と。

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秋田にはマタギの里と言う場所があって、森吉山(標高1400m)周辺にかつて熊猟が盛んだった地域があります。阿仁地区と言われるところです。阿仁マタギで有名です。マタギの聖地とも言えるでしょう。ここに、熊肉を出している旅館があります。しかし、車を運転しない武司(そもそも持っていたとしても雪道なんて運転できないのですが)がアクセスするには駅から送迎をしてもらう必要があります。それが

2名以上

という条件なのです。なので、「武司+もうひとりいないと、旅館にいけない=熊肉が食べられない→ボロ宿に付き合ってくれる人が必要=ゆき」という公式になったわけです。私は別にボロ宿が好きなわけではない。けれど、ボロ宿を喜んでいる武司を見るのが面白い。それに熊鍋も興味がある。マタギというのも面白そうだ。

私も武司も気分を盛り上げるために夏から「三毛別ヒグマ事件」を題材にした「熊嵐」を回し読みし、それを聞いた河崎の古書店「ぽらん」のユウスケくんは「これ読んでってください!」と、矢口高雄の「羆嵐」を貸してくれるしで、気分は十分すぎるほど。積雪量も昨年よりうん多くて、前泊地の酸ヶ湯ではこれまた3.5mという、太平洋族からしたら「ここは夢の国?」というレベル。

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あまりにも気分が盛り上がり、条件も整いすぎてかえって不安にすらなる有様でしたが、無事、阿仁前田駅に到着、杣温泉旅館のお父さんが迎えてくれたのでした。

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続く

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