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あの日、僕は変わることを決めた

迷いの中に自分は立っていた

覚悟を決めるにはまだ甘すぎた

いくつもの感情が溢れ

こぼれた涙の中に一滴の決意が

あの日、僕は変わることを決めた


Part 3. 涙の大決闘で燃えたハート

2015.4.2

就活生の僕は面接の部屋にいた

志望動機は何ですか?
あなたの強みは?
学生時代取り組んだことは?

生まれつき口が達者な僕は
嘘をつらつらと並べた

口から出まかせとはこのことである

思ってもいない自分を偽り
就活用に作ったセリフを吐き捨てる

その中に一つだけ自分でも許せない嘘があった

「学生団体を立ち上げ、
ネパールに小学校を建てました」

このセリフを言うたびに
僕の心は傷ついていた

3年前の同じ日に仲間と誓った夢

「途上国に学校を建てる」

無邪気な夢と押し寄せる現実

このまま社会人になっていいのか?
自分に嘘をついたまま生きていけるのか?

社会人になりたくなかった気持ちもあった

でもやっぱり自分に嘘をついて
生きていきたくない

このまま自分に嘘をつき続けて
何も成し遂げず大人になりたくない

面接会場を後にした瞬間、僕は休学を決意した

休学を経てもう一度
本気で夢に向き合いたいと思った

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2015.4.3

その日の夜は今でも忘れない

人生のターニングポイントの一つだ

バイトから帰った僕は家族を集めた

僕の心境を打ち明けた

予想はしていたが、父から猛烈に反対された

「早く自立しろ」
「休学にはお金がかかる」

ティピカルな父は断固として許さなかった

心配そうに見つめる母

僕の想いを擁護する姉

あの手この手で必死に説得する僕

するとついに父から忘れもしない言葉が


「そんなしょうもないボランティアで
人生無駄にするな」



わけもわからず涙が出た

怒の感情があんまり湧かない僕だったが

その時は頭が真っ白になるぐらいキレた

しょうもないってなんやねん!
こっちは本気で取り組んでるねん!
夢を馬鹿にするな!


大学生活の大半を否定された気分だった

大人になってこんなに泣きながら
自分の想いを伝えるのははじめてだった






でも本当はね、

イタイところを突かれただけなんだ

言葉だけ一丁前で
行動で証明できていない
自分にとっては
かけられた言葉の通り
はたから見たら
「しょうもない」ものに映っていた

企業からのお祈りメールより
身内から言われた一言で
自分の甘さに気づかされた


やってやる
絶対成し遂げてやる


こぼれた涙の中に一滴の決意が

あの日、僕は変わることを決めた


つづく

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