見出し画像

貴方の名前は白〜万の秘密

万(萬)は、マン、バン、さそり、よろずと読む。
象形文字で虫の形。蠆(さそり)と同形であるからその類だろうと書かれている。
早くから数を数えるのに用いられ、軍旅の数をいうのに用いた。
また、殷人の舞楽に万舞というものがあり、武舞には盾とマサカリ、文舞では雉の羽と笛を用いたそうだ。

さて、この万が9進法での10000ならば、10進法では
9の4乗で6561となる。
6561を365日で割ると約18年。

月の朔望周期29日
金星の公転周期226日
29×226=6564
6561と近似値である。
月は朔の日に、金星は内合の際に太陽に隠れるが
昇降点付近では逆に食を引き起こす。
食の予測に用いられたサロス周期は6585日で18年と11日となる。

つまり6561を隠す万(さそり)は、太陽の権威を脅かす存在を象徴している。

月の軌道は白道と呼ばれる。
金星は太白、白い光と表現されてきた。
2つの光は、共に満ち欠けし、弓のような形をとる。
月の弓が大弓、金星の弓は小弓。
古代、月の光を浴びることは忌み嫌われ、
昼に輝きを増した金星が見える事は兵乱の兆しとされた。
2つの弓が太陽を射抜くと想像されたのだろう。
だが、想像にはキッカケがあるはず。
つまり、9進法を用いる万(さそり)の海人族が、脅威であった。

この2つの光が出会う周期が6561
地球上では18年かかる。18はイワ。
つまり権力者側から蓋をしたい現象は岩(18年)塞がれる。また9+9=18 つまり九十九は岩そのもの。

よろずは46津になり、シロ津、白津である。
金星と月、白の交点となる。
白はハク、89。
9進法では108。
9の倍数は、全ての位を一桁まで足すと必ず9となる。
18は9、27も9、36も9、99も9である。

九九の知恵には、9進法、9和、円周率、金星と月、色んな意味が込められた。

兵庫県久々知妙見宮には九頭龍と白龍大神が祀られている。血を流した九頭龍が山を切り拓き、湖を枯らし、田畑をつくったそうだ。
妙見信仰は北辰(北極星)、北斗七星を祀る。

また九頭龍が死んだ場所として「九頭死(くずし)」という地名が残っていた。

九頭龍という地名にはこの「崩し」が潜んでいるようだ。
断層帯や地滑りの起こりやすい地域に九頭龍という名がつけられており、注意喚起しているように思う。
カルデラの凹みにできた湖の水が山崩れにより流れでた。
九頭龍と白龍は同一であるが、九頭と表現する事で意味を付加している。
そして不動の星により地鎮しているのではなかろうか。

九頭龍権現の戸隠も頸城断層帯にある。
近くの葛葉峠は九十九折で、グリーンタフ(緑色凝灰岩)により地滑りを起こしやすい場所。

消されてしまった万の、海人族の歴史を受け継いで姿を変えて登場したのが、妙見信仰。
北辰ー北極星ー不動明王と北斗七星により新たな時間の番人となった。
これが豊玉毘売と火遠理命の物語。
塩の道とも絡んでくる。
塩だけでない、火薬も。鉱山開発である。

海人(天)族、万は「さそり」ー火のような赤いアンタレスを内包し、不動の神として蘇った。
山岳信仰と結びつき、鉱物資源を独占し、巨万の富を武器に新たな脅威の存在として蘇ったのである。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?