AIを使っても英語力や専門知識がないと翻訳できないことを中学生にもわかるように説明してみた

みなさん、こんにちは。ローズ三浦です。翻訳者のお姉さん(?)だよ!

今日は、AIを使っても英語力や専門知識がないと翻訳できないことを、
中学生のみなさんにもわかりやすくお話ししたいと思います。

近頃、生成AIとかChatGPTとか、話題になっているよね。
ChatGPTに「翻訳して」って言ったら、自動で翻訳してくれる。しかも無料だし。
AIってスゴイ!AIが翻訳してくれるんだったら、「もう翻訳者っていらないんじゃない?」って思うよね?

ここでAIについて簡単に説明するね。

AIはある単語との組み合わせ(専門用語で「共起表現」と言う)になる確率が、
AIの中に入っているデータの中から最も高い単語を出してくる(専門用語で「最尤推定」と言う)だけで、
言葉の意味がわかっているわけではないんだよ。
これは機械翻訳でも生成AIでも同じだよ。

あくまで確率が最も高いだけなので、
当然当てはまらない場合もあるってこと。

それが正しいか判断できるのは、英語力と専門知識の両方がある人だけなんだ。

例えば、baseっていう単語。
中学校なら「基礎」とか「土台」っていう意味、って習うかな?
中学校では習わないかもしれないけど、実はbaseには、「基礎」とか「土台」以外にも、たくさんの意味があるんだ。

例えばお姉さんは医療の翻訳をしているんだけど、
baseには「塩基」っていう意味もあるんだ。
また、base of supportは理学療法では「支持基底面」っていう専門用語になるんだ。
他にも色々な意味があるよ。

「baseは基礎か土台だよね!」って訳しちゃったら、
人が死んじゃったり、後遺症が残っちゃったりするかもしれないよね?

あと、ChatGPTはウソを付く時があるんだ(専門用語で「ハルシネーション」と言う)。
専門知識がなかったら、出てきた日本語がウソだってわかるかな?
わからないよね?


最近、「AIを使えば英語力がなくても翻訳できる」っていう講座をみかけるよね。
あれ、本当かな?
実はあれは、高いお金を払っても翻訳できるようにはならなくて、
悪い人たちにお金が渡るだけなんだ。

何年か前、コロナが流行った時にも同じように「英語力がなくても(もしくは低くても)翻訳できる」って講座がたくさん出てきたんだけど、
最初の講座の先生は、働いている人たちにお金を払わずに、会社のお金を持って逃げちゃったんだ。

その時と同じ悪い人たちが背後にいるんだ。

その人たちにお金を払ってしまったら、その人たちはお金が儲かるから、
ずっと悪いことをし続けるよね?

そしたら新しくだまされたり、悲しむ人たちが増えてしまうよね?

「AIを使えば英語力がなくても翻訳できる」っていう講座には、
翻訳関係の4団体からも注意が出ているんだ。https://www.jtf.jp/pdf/20231211.pdf

いいかい?「AIを使えば英語力がなくても翻訳できる」って言葉を聞いても、信じちゃだめだよ。
もし入っちゃったら、大金をだまし取られた上に、
翻訳業界からブラックリストに入れられちゃうからね!

絶対に入っちゃだめだよ!
お姉さんとのお約束だよ!^^

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