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③キクラボonline ♯5

2021年5月1日19時に開催された、jwcm主催キクラボonline ♯5<新しい女性の音楽>の書き起こし記事です。(編集:わたなべゆきこ)

ーイベント概要ー
5月1日(土)19-21時(ドイツやフランス:12-14時)
出演:ブリギッタ・ムンテンドルフ(作曲家、FMN共同代表、ケルン音楽舞踊大学教授)、わたなべゆきこ(作曲家、女性作曲家会議共同代表)ほか
使用アプリ:zoom
言語:英語と日本語
通訳:森紀明、神沢希洋
参加費:投げ銭式(Note、Paypal)

開催に先立って
キクラボonline ♯5

ブリギッタ・ムンテンドルフ(BM):ここからは今年私たちが行うプロジェクトに関して、特にアーティストについてご紹介しながらご説明していきたいと思います。

わたしたちは、インターナショナルなプロダクションとして何人かのアーティストとコラボレーションをしています。例えば、Elaine Mitchenerは、ヴォーカルパフォーマーで、声と照明だけのショーを行っています。Ensemble Garageのコンサートでは作曲家のHans Unsternの新作初演を行うことになっていますが、Hans Unsternは作曲家で現代音楽とポップスの間を表現しているアーティストです。

同じくEnsemble Garageのコンサートで取り上げることになっているKatharina Pelosiは、たくさんのエレクトロニクスを使った表現をしている音楽家、Neo Hülckerも作曲家で多くのステージワークを作り出しています。Heinrich Horwitzはコレオグラファーで、一緒にプログラムを作ることになっています。

ここから、実際のプロダクションを映像を見ながらご紹介したいと思います。3年前にCarola Bauckholtの作品を上演しました。演奏は、Ensemble GarageのメンバーでもあるSabine Akiko Ahrendtさんです。鳥の声の模倣のような音響なんですが、マルチチャンネルのセットアップとテープによって上演しました。

ざっとこれまでの活動についてお話しましたが、もう一点活動を支える支援についてお話をしておこうと思います。私たちは非営利の任意団体なので、毎回助成金を頂くために申請をしています。今ここにいるコアメンバーの一人であるカタリンは、助成申請のために多く時間を費やしてくれています。

継続的な支援がないので毎年申請をしなければならないし、フォーマット上例えば三年ごしの大がかりなプロジェクトを企画することはできません。わたしたちには可能性があるけれども、経済的な状況がどうなっているかわからないからです。今あるベストを尽くすけれども、潤沢な資金があるわけではないのです。もちろん、チームにはお金を払わなければならないし、とにかく毎年申請をしていくしかないと思っています。

その分、自由でフレキシビリティもあるわけなので、パンデミックになってもすぐに対応できたことは良いことだと思っています。ただし、毎年申請をしていくというのは、簡単ではないことですよね。わたしたちの仕事環境について少しイメージしてもらうために、このお話をしました。

そして、最後に私たちのゴールについて話しておきたいと思います。ゴールは「わたしたちが活動しなくても良くなること」なんです。ドイツ音楽評議会(Deutscher Musikrat)によると、男女平等が進んでいると思われているドイツでさえも、作曲家の男女別報酬を比べると男性に比べて女性は30パーセントも低いことがわかっています。それ以外でも部分的に、「平等」とは言えない状況があるんです。

なので、この活動が必要である限りは続けたいと思っていますが(ジェンダーや女性作曲家にわざわざ焦点を当てて活動すること)、本当にこの活動を敢えてする必要がなくなれば良いと思ってるんです、数年内でそうなれば良いです。

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