見出し画像

2024年2月のリサーチ

小さい頃から計画を立てるのが好きで、それを実行するかどうかまた別問題なのだが、何かを企てて、そのために勉強したりリサーチしたりするのは、昔から好きな性分ではある。5年やっていたさっきょく塾も、わたし自身が学校教育の教わる立場から卒業してその後も研鑽を積むにはどうしたらいいか考えて、自分が勉強したいからやっていた部分が大きい。今はさっきょく塾をお休みしていて勉強したい欲が高まっているが、それに反して体力は落ち、時間を取ったりなかなか遠くまで足を運ぶことが難しくなっていたりする。40以降の創作は体力勝負だ。

老いが遠くに見え始めた今、身体が動く限り、たくさんのリサーチをしたいと思っていて、一つはキャビキュリで欧州の現代音楽シーンについて調べること。二つ目はjwcmでのフェミニズムのリサーチ(これについてはまた後程、、jwcmとは別に新たな読書会にjoinしました)。

三つ目はやまびこラボでの信州の自然と音の関係を探る試み。今度は縄文について調べようと思っている。今日は山を見に来た。雪化粧の信州アルプスは美しい。

四つ目は、永岡大輔さんとの球体の家プロジェクト。この春から始まる。

そして五つ目!信州を拠点に活動する劇団野らぼうの前田斜めさんとのコラボレーションである。

演劇といえば、子ども時代はあがたの森で開催されていた野外演劇を少し見たことがある程度だったけど、大学時代は師匠のアシスタントとしてク・ナウカの稽古を見に行ったり、お能の青木涼子さんと一緒に利賀村に行ったり、欧州ではウィーンのWiener Festwochenで演劇を見たりしていた。チェルフィッチュの演劇を見たのもウィーンが初めてて、その時感動して、ミュンヘンまで岡田さんが来るというので、グラーツから行ったこともある。岡田さんの脚本でオペラを書きたいというのは、妄想レベルでずっと思っていたりすることだ。

大学時代に書いたはじめての歌曲を宮城聰さんにレッスンしていただいたのも素晴らしい経験だった。現代音楽自体がジャンルフリーになりつつあり、演劇とも近い要素がたくさんある。

書いていて、ここは実際は俳優さんのほうが良いのではと思うこともあり、俳優さんとの共同制作を机上の空論として妄想していたわけだけど、今回ようやく実際に俳優さんと共にリサーチをする機会を頂き、とても興奮している。斜めさん、ありがとうございます!

とはいえ、わたしは基本はエレクトロニクスや所謂劇伴というのをやっていない。劇伴ではない音楽の在り方として、何か違う方向性を求めたい。というよりは、音楽と演劇がわかれていなかった頃の状態まで戻って、その可能性をゼロから探ってみたいと思っている。

音楽の語源となる「ムーシケー」自体は、音楽だけを指しているものではなく、詩・音楽・舞踊の総合的な要素を持つものだと言われているので、一旦これらを一緒にして考えるのは理にかなっているような気もして、割とはやい時期から音楽を鍛錬するものだとある種の競争目的で使う時代に入るのだけど(わたしはそれは良い意味でも悪い意味でもこの社会を司る男性性の特性なのではないかと疑っていたりする)、その時点でわたしが思う音楽とはずれてしまっているので、その前の時代から考え直すのは理想的であって、それを言葉の専門家とやれるというので、良い機会だと思っている。

一回目は音と言葉を分解して繋げてみたりしたが、これがなかなか面白い。面白いが、まだその間に取り除かなければいけない要素がある。考えてしまう。言葉の意味や音の意味を。これをどうやってなくしていくか。考えてしまっては一人で創作しているのと変わらない。ただ時間に制約がある作曲をやるために即興するのではないはず。

このリサーチは毎月これからやる予定で、終点は決めていない。何かしらやっていく中で流れ着くのではないかと思っている。

若手作曲家のプラットフォームになるような場の提供を目指しています。一緒にシーンを盛り上げていきましょう。活動を応援したい方、ぜひサポートお願いします!