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テレビはほとんど観ないんだけど、夕飯時の数十分だけ家族と観てる。たいてい犬猫の番組だ。可愛い。先日の番組はたまたま、44歳の女性が熊本の山奥で一人暮らししてるっていう取材だった。色々言いたいことはあるんだけど、

そういえば私も、鄙びた田舎に庵を結んで尼みたいに暮らすのが夢だったなあ……

と思い出していた。それで少女漫画家を目指したのだ。今の私は、たいして売れてないし、田舎に住んでて畑耕したりもしてるから確かに尼っぽい。普段は畑を耕して、夜は執筆活動、だなんて理想的な生活だ。実際は仕事は午前中にやっていることが多いけど。

少女漫画家になる前は、売れなくても大丈夫。売れない漫画家もいるはず。って思っていたんだけど、実際は難しい。あんまり売れないと仕事がこなくなります。つまり、漫画家ではいられない。売れない漫画家と言っても、売れないにも限度がある、というか。素人の頃はその辺が見えてなかった。結構過当競争な業界です。ネットでランキングがわかるようになってからは特に。

ランキングが上位じゃなくったって面白い作品はあるじゃん、みたいなのはよくわかっている。私もそう思ってるんだけど、売れないと元が取れないので出版社側が扱えない、みたいになっていく。売れない作家を扱う余裕が出版業界にもう全然無いのだ。ヒット作が無い状態だと10年は続けられない、みたいに言われてる。つらい。その新自由主義的な価値観を完全に無視することもできないんだよね。かといって振り回されすぎても自滅する予感しかしない。ほどほどに気にする、というのがすごく難しいのだ。いろんな動きやいろんな価値観を並行して持っているしかないかな、と今は落ち着いている。

というわけで、鄙びた田舎に庵を結んで尼みたいに暮らすのも一苦労な仕事に就いてしまった。公務員とかの方が、安定して鄙びた田舎の尼ライフスタイルは続けられるかもしらん。

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