孤独という蟲毒

言いも知れぬ恐怖を感じた。こう書くと、何かとても大変な体験をしたのではないか、とよく思われるがそんなにおおげさなものではない。私は本来、とても寂しがりな性格であるため、夜になるとふと人が恋しくなるタイミングがある。

夜の感情が嵐のように私を責め立て、ますます私を孤独にする。私は立ち上がれず、それを全身に浴びるほかない。やがて体が闇に溶けると、嵐は満足したかのように去っていく。

夜の感情を避けるすべはない、だが、朝は変わらずにやってくる。
そのたびに夜がやってくる。そのたびに夜の感情がやってくる。
そのたびに朝は変わらず訪れる。そのループを避けることはできない。

私は言いも知れぬ恐怖を感じた。

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