AI(deep learningや機械学習)導入にあたって危険と思った5つの兆候

週にだいたい15件(1日3件ほど)のAI(ここではdeep learningや機械学習を指します)導入に関するご相談をいただきます。それを3年間やっているので、相当数1,000社くらいはお話したかと思います。(こういうとなんか胡散臭いですね笑)

その中で「これは実運用までは遠いだろうな」と思う瞬間がいくつかあるので、それを抽象化してまとめてみました。

※追記: 抽象化したものを記載しております。特定の企業や個人のAI導入に対するアティチュードを非難/否定するのものではないことをご理解くださいませ。

以前、会社のBlogで下記のような記事を書きました。

その中で上記のようなものを紹介しました。これの概要はブログを読んでいただけると幸いです。

今回は「5つのD」に沿いながら「こんな言葉がmtgで出ていちゃまずい」「こんな考え方では導入が進まないのではないか」と思ったことを記載していきたいと思います。

まとめる⬆︎みたいな感じです。(summary)

1. 「我が社でもAIは経営課題の一つなので導入していきたいんです!」

手段と目的が逆転してしまっているパターンですね。5Dで言うところの「Define」に相当します。

この記事を能動的に読んでくださる人には釈迦に説法もいいところだと思いますが、あくまでAIは手段の一つです。

AIがこれだけ注目されている背景には、事業に対して新たな付加価値を生む可能性があったり、労働力不足を補えたりするからです。解決したい課題を明確にするところから始めないと、その勢いで走ったプロジェクトは近い未来に頓挫することでしょう。

AIというワードから色々アイディアを発散することは何も悪くはないです。むしろどんどんやるべきだと考えていますが、重要なのは
「●●という経営課題を解決するために、AIを導入検討しているんです」
と言えるところまで考え抜いているかということだと思います。

2. 「AI導入したいので頑張ってデータ集めてきますね!」

非常にありがたい!

のですが、「頑張って」集められても...というのが正直なところです。

こういった場合は、まずデータを貯める仕組みを作ることから始めないといけないと考えています。

自社のオリジナルモデルを構築しようとした際に、初動のプロジェクトで完璧(現場で使える)モデルができる可能性は低いです。

精度の高いモデルを作る際には
-どういったモデル構造にするのか
-どうやってパラメータを収束させるのか
-正則化などで汎化性能をどれだけ高められるか
などが重要になってきますが、特に大事だと感じてるのが、

-学習データの追加/修正

です。ここについて書かれた論文もあったりします。

大事な部分なのに、「短期的に集められるだけ集めてみました」みたいな状態だと、そのプロジェクトは近い未来頓挫するでしょう。

データを頑張って集めることはもちろん重要です。大事なのは、
「中長期的にモデル性能を向上させられるようなデータを貯めるための仕組みを考えておく」
ことかと思います。

3. 「これはdeep learningではないのでしょうか?AIなのでしょうか?」

1とも被ってくるのですが、アルゴリズムやモデルといった手段にこだわりすぎていて、課題に対して最適なアプローチを取れていないパターンです。

AIがブームになっていることは非常に良いことだと思いますが、別に全ての課題を解決できるわけではありません。もちろんの事ながら。

私が思うに「すでに普及されている技術で解決できる課題に対して、AIなどの比較的お金のかかる新しい技術を適用させようとすること」は結構悪いことだと思っています。

「センサーで検知すればよくないですか」
「DNN使わなくてもOne Class SVMでいけると思うやで」
「それCRMシステム入れたら解決するやん」
とかですね。

「AI使った事業を開始したっていうプレスリリース的なことも出したいと思ってるんですよね~」
とか平気で出たりするので、結構びっくりします。

「アルゴリズムは用法用量を守って正しく適用しましょう。」

4. 「PoC段階ではとりあえずクラウドで動けばokです」

これ最近多いです。正確には後々「とりあえずクラウドとかで動くもの作ってしまって実環境考えてデプロイしてみたらスピード足らんかった」とかなっているパターンです。

学習済みのモデルを最適化する方法もたくさんあるので、問題はないのですが、
-求められる精度がどのくらいか
-応答速度はどのくらい欲しいか
-インターネット環境はどこまで保証されているか
-電力やコストの面でハードウェアどこまで許容できるか
くらいは前もって検討できているとよりスムーズに導入が進むのではないかと思います。

またベンダー側も「まずはPoCやりましょう」と提案することが多いと聞いているので、必ず中長期のロードマップ(実運用環境へのデプロイ)を意識するようにしていただければと思います。

「PoC段階から実運用環境を見据えましょう」

5. 「繋ぎ込みの部分とかも追って考えましょう!」

これは正直そこまで多くないのですが、たまーにWEBシステムとどうやって結合するのかとかが考えられてないことがあったりします。

また2にもあった再学習のためのデータ収集の仕組みなどもきちんと考えておく必要があります。

特にAIの場合は、AIを開発することに集中しすぎていて、
「想定ユーザーがどのように使うのか」
などのペルソナ設計やUX定義ができていないケースが多いと感じています。

最終的にビジネスに繋がるシステムを作るためには、
「システム全体のアーキテクチャやユーザーペルソナやUXも考えましょう」
当たり前のことではありますが...

最後に

ざっくりとではありますが、文章にまとめてみました。
感覚ではありますが、「1,2,4」あたりが結構多い印象を受けます。

こんな感じで書くと「めんどくさいなぁ、導入とかやめとくか」と思われる方もいるかもしれないですが、もちろん恩恵もたくさんあります。

今度はもう少しポジティブなnoteも書きたいと思います。笑
導入で上手くいった事例とか。

Twitterはこちらです。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

74

Yuki Mimuro

#機械学習 #データサイエンティスト 記事まとめ

機械学習やデータサイエンティスト関連の記事を収集してまとめるマガジンです。
1つのマガジンに含まれています
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。