ゆりちゃん その1
〈ものごとの実は、それをじつと見つめる人の心の中にある〉~ヒューム
このところテレビでとっても気になる人が、森三中の黒沢さん。
リアクションが大きくて元気に見せていて、でちょっと臆病な雰囲気。
黒沢さんを見るといつも思い出す人がいます。
ゆりちゃん。30になったばかりの女性会員さん。素朴な雰囲気のお嬢さん。ちょっと心配性のお母様に連れられて入会して来ました。
入会担当に「とっても奥手で男性恐怖症だとお母様が言うのでちょっとお世話に手が掛かりそうだから宮本さんにお願いしたいの・・」とお願いされてお会いしたえりちゃんは、とてもニコニコはしていました。。。
ゆりちゃん「私男性と2人で話すのが大の苦手で、だから最初はパーティとかから始めたいです」
「パーティから・・・ちなみに今まで男性と2人きりが苦手ってどんな時に感じたのかな、、好きになった人とかはいたりしたのかな?」
ゆりちゃん「男性とお付き合いは全くないです、2人きりになると何話していいかわからない、緊張して無理です」
「そうなんですね。2人で話すのは確かに緊張しちゃいますよね・・分かりました。でもパーティはたくさん人がいても、1対1で何回も何人ともだからもっとハードかも知れないです。大丈夫かな?」
ゆりちゃん「目が回る感じですね、、」
「もしかしたら、普段も同世代、男性でも女性でも1対1は苦手ですか?」
ゆりちゃん「今保険の営業してるのですが、仕事は好きじゃないけどおじいちゃんとかおばあちゃんの家に上がってお話するのが好きなんです。会社にいるのは好きじゃないです。人といるのは慣れるまでに時間がかかるんです。」
「わかりました、ではお見合いもパーティも最初は考えないで、私と1対1でまずお話をしませんか?」
ゆりちゃん「えー、しなくていいんですか?」
「ゆりこさんの場合は、まず全く仕事や身近な人以外での会話に慣れてもらうこと、仕事以外の雑談が楽に出来ること、そこから男女でどうお話を進めていくかを少しづつお伝えしていくほうが逆に近道かなと思うのですが・・・」
ゆりちゃん「男性と会わないといけないと思ってちょっとプレッシャーだったんです。」
そこから1、2週間に1回くらいの頻度で、一緒に雑談を始めた。電話をすると「お客さんの家のおこたでミカン食べてます~」とかなんとも子供のような返事が来たり、面談室で話すとお母さんが子供のころから頑張って自分を育ててくれた話を延々してくれたり。
そして3カ月が過ぎたころ
「ゆりちゃん、もうそろそろお見合い出来そうだと思うよ。笑顔も最初に会った時よりすごくリラックスして良いから」
ゆりちゃん「・・・実は言えなかったけど私、男性と同棲していたんです。その時にお前はダメ女だ、俺に従え、なんでそんなこともできないんだ、毎日ダメだしで怒られて怖かった」
そう言って泣き出した。
「それはひどすぎる言葉。。。今までずっと言えなかったのも辛かったでしょう・・えりちゃんはダメじゃないよ。すごくいい、今も私の前にいる。初めての人だと緊張しちゃうこと、うまく話せないこと、何でも誰にでも言っていいんだよ。自分の気持ちは言っていい。みんな誰でもそういう弱いところは必ずあるから、逆に自分も・・って安心してもらえることもあるから」
ゆりちゃん「はい、お見合いしてみます」
そして入会してから4カ月目に初めて紹介を始めた。
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