隠遁するする詐欺
人生の半分が何処かは分からないけれど、体感としてはもう前半は終わっているような気がする。
まだまだよ、まだ若いんだから、なんて無責任に人を突き落とす言葉に耳を貸したりしたくない。
結婚することも家庭を持つことも、もうほんとうにどうでもよくて、他人と暮らすなんて耐えられなくて、そういうことに憧れる時代も過ぎた。誰かを好きになるのも好かれるのも疲れてしまった。元々人間に興味が無かった。それを昨年気づいた時にはショックだったが、だからって別に他人に不親切に生きているわけではないのだから実生活に問題は無いない。
自営業みたいなことをしても少ない稼ぎだった。しかしまた勤め人になる気持ちは無かった。
私は、かつて、社会に会社に、多大なる期待をしてしまっていたのだった。認められたい、必要とされたい、そのためにいくらでも空気を読んだ。読み過ぎて、結局私なんてここにいない方がみんな楽しいんじゃないのかとすら思った。
結局、これまで関わってきた人たちにとって、私がどんな存在だったかなんて確かめようがない。好かれていたとしても、嫌われていたとしても、もう会うこともない人たちの評価なんて流石にどうだっていいことだろう。
いまは、いつでもやめられる仕事を少しだけやっている。どんな仕事でも「間にうけない」「受け流す」という技術は必要みたいだ。
それが無いからいつも辛い。
それが出来ないからいつも怒っている。
耳を塞いで知らないフリをして、寿命まで一直線に、ノーブレーキで突っ込んで、「あがりー!」と叫んで終わりにしたくなる。
寿命ぐらい知りたい。
母方は長寿の家系、父方は短命の家系。
間をとって◯◯才?
適当に生きてやりたいのに、適当が出来ない。
諦めてまた勤め人に戻って、毎日しぬこと考えてアルコールで誤魔化そうか。
やりたいことといえば、全然関係無いのだが…一回髪の毛を思いっきり脱色したい。
ここ数年染めてないからすっかり黒くなった。
適当が出来ないとやけっぱちも中途半端。
もう隠遁したい。年寄りの特権じゃないぞ。いくつだろうと隠遁する権利はあるのじゃーとネットで宣っても、世間の顔色ばかり気にしている。
一人じゃ生活が成り立たなくなって、病気ばかりして、昨日なんて薬を飲み間違えて、意識が朦朧として、ああ、ちくしょう。幸せになる気力ぐらい欲しいよなぁと、どんどん口が悪くなる昨今。
否、口は昔から悪かった。
慇懃なだけなのに丁寧な人だとみられていた。
嫌いな奴程丁寧に接していた。
慇懃無礼の無礼が大好きだった。
何で私、社会人なんてやれていたんだろう。
普通に、生活なんか破綻していたのに。
いつだって限界だったし、限界でいれば何かが免除されるような気がしていたけれど、世間はそんな私のことなんて見守ってなんてくれなかった。
当たり前でしょ。
甘えるな。
うるせぇ。
甘えられないから辛いんだ。
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