詩と世迷言
Twitter(X)に、詩を投稿するのをやめた。
理由は色々とあるけれどnoteに書き留めたものを載せていく。
今、ひたすらに現実を生きている。
私の詩情は喜びに宿らないのだ。
生を感じている。
2年間、死んだように時間が過ぎていくのを見詰めていた。
詩を止めたら、なにも残らない気がしていた。
否
私は何者かに成りたかった。
才能というものを得た者に成りたかった。
しかし、文芸の才覚は私には無いのだと、思い知る。誰に何を言われようと、それが好きより承認が勝る。
そういう私に、人の心に刺さるものが書けるだろうか。
そもそも私には伝えたいことがあっただろうか。
私は何者にも成れない。
しかし、私は私の人生を生きていく。
社会性、規範、倫理、道徳、そういうものから逸脱せず、心の底でバンクシーに憧れながら、私は平々凡々に歳を取る。
それでも書くものがあるのなら、私は再びここへ書き落としてゆくだろう。
歩みを止めても、何かを求めても、私が私を素通りし続けていた。
苛立ち、焦り、悲しみ、それらがここ2年間に凝縮されていた。
それらの解放は、詩情と同居することが出来ない。
心に宇宙が在る人に羨望を送りながら、私は生きる道を選んだのだ。
『ユートピア』
#1
プラネタリウムが僕らの夜空
プラスチックの海水浴場
パラソルの虹を見上げて
チャイムが鳴れば帰る
仮想されるユートピア
羨望されるディストピア
滑り台は紫外線に爛れて
氷点下の夜に変形される
慣れてしまったから忘れた
忘れたのなら形はいらない
明日が変化し続けても
僕らは忘れて慣れるだけ
【ユートピア】
#2
この世の終わりを夢見てる
明日が来るのが怖過ぎて
うまくいき過ぎた生命
違和感まみれの通学路
この世のバグを探して
電線を見ながら回転する
誰かが電源プラグを抜いて
私の視界をブツンと切って
始まりが大袈裟な爆発でも
終わりは線香花火みたいに
瞼の裏でジジジと今も点滅を続ける
足元に蝉がひっくり返り干からびて
【リアリティ】
#3
靴に詰められた枯草
靴に詰められた紙屑
靴に詰めること
それが楽しいのなら
それが全ての娯楽です
この先ずっと
それが全ての娯楽です
それが私からの贈り物
未来永劫末代までの
身に覚えのない
贈り物
【バースデイ】
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