見出し画像

観光だけが旅の目的ではない。甑島(こしきしま)を旅して思ったこと

元号が変わるタイミングで、10連休となった今年のGW。私は前からずっと気になっていた「甑島」(こしきしま)に行ってみることにした。

甑島とは…

薩摩川内市の川内川河口から西方約26kmの東シナ海上に位置し、北東から南西方向に35kmに連なり、北部に位置する上甑島、中部に位置する中甑島、南部に位置する下甑島の3つの島から形成されています。(薩摩川内市観光物産協会ホームページより)

父が薩摩川内市(島ではなく九州本島の方)の出身なのもあり、甑島は、名前に馴染みはあるけど行ったことがなかった場所。
時々雑誌の離島特集で名前を聞き、行ってみたいなと思っていて。
ちょうど東京で甑島の地域活性化に尽力されている方の話を聞いたことや、近年カフェやホステルなどおしゃれなスポットも増えていること、そして以前鹿児島県指宿市をひとり旅してすごく楽しかったことなどから、この機会にぜひ行ってみようと決心したのだった。

島のくらしに馴染むおしゃれスポット

初日〜2日目お昼まで過ごしたのは、上甑島。迫力のある断崖を楽しむクルージングや、満天の星空を眺めるナイトツアーなども楽しみつつ、もともとあった施設やお店をリノベーションしてできた素敵な場所でゆったりとした時間を過ごした。

どこまでも青い空、生い茂るおおきな木、南国情緒のある石垣。コブクロの「ここにしか咲かない花」が自然と頭に流れてくる、懐かしくも新しい、そして愛おしい風景。

道を歩いていたら必ず挨拶を交わしてくれる島の人たち。おしゃれに生まれ変わった山下商店に「今日はまだあるかい?」とお豆腐を買いに来る腰の曲がったおばあちゃん。
船宿をリノベーションしたというFUJIYA HOSTELは、暮らしが営まれる住宅街に位置し、清潔でおしゃれな外観でありながらもその土地に違和感なく馴染んでいる。たまたま同じ日に宿泊したご家族のお子さんと娘が庭で一緒に遊んでいて、まるでおばあちゃんの家に遊びに来たかのような懐かしさもある。

きっと、どこかの大手リゾート施設が入り込んで作ったラグジュアリーな建物は、この島には似合わない。自然の恵みに感謝しながら、島のくらしを体験する。それがこの島の楽しみ方かもしれない。

雨が降ると「することがない」…

2日目はフェリーで上甑島から下甑島へ渡った。かろうじて曇天だった2日目は、鹿島の断崖や釣りバカ日誌やDr.コトーに登場した手打海岸を見に行くなどしたが、どれも「晴れていればなぁ」と思うような感じで少し残念だった。
3日目は、九州本島に戻るフェリーに乗る14時ごろまで、あいにくの雨模様。時間が経つにつれて雨脚は強まり霧も濃く、滝や海岸、灯台など、一応回って見てみたがほとんど楽しむことができず。結局、タクシーのドライバーさんに案内してもらった昔ながらの喫茶店に寄ったり、ランチをとる予定のお店に早めに行ってフェリーの時間まで長居させてもらったりと、「時間をつぶす」ような感じで過ごした。

車がないと移動できず、上甑島以上に人の気配が少ないように感じられる下甑島。
「甑島は集落同士が離れていてそれぞれの関わりが薄い」という記事を何かで読んだが、集落と集落の間に山が挟まる下甑島では、より顕著にその傾向が見られる気がした。

観光よりも島のくらしを楽しむ旅

「観光する」「甑島にしかないものを体験する」などを目的にこの島に行くと、悪天候だった場合にがっかりしてしまうのかもしれない。

でも、時間がゆったりと過ぎる島のくらしを体験できることこそ、甑島の魅力だと思った。それは、観光地化されていないこの土地だからこそできることだ。

次甑島を訪れるとしたら、相棒のMacBookを持って、仕事しながら1週間ぐらい島になじんだ生活をしてみたい。
朝早起きして散歩して、天気が良ければ釣りをして。昼間は海の見えるカフェで仕事。夕ご飯を食べた後は丘の上に星空を眺めに行って、焼酎を飲んでほろ酔いで眠りにつきたい。早朝から仕事して、午後は娘とシーカヤックやクルージングを楽しみに行くのもいいな。

観光ばかりが旅の目的ではない、と教えてくれた、甑島での3日間。
先月から娘が小学生、共働き家庭での夏休みの過ごし方に頭を悩ませていたが、ちょっとヒントをもらった気がする。

文章に加えて写真もブラッシュアップして、より素敵なコンテンツを届けられればと思っています。 新しいレンズを買いたいです^^