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うろ覚えの呼吸-お茶の型-

タイトルの通り、うろ覚えの記憶に基づくnoteです。
鬼滅の刃ファンの人は、私のnote読むよりも『炭治郎はなぜ旅に出たのか?』についての考察noteを書いて、下記Xポストにリプで教えてください。


私は旅人ではない炭治郎を知らない。

初めて見た時既に彼は旅人だった。

私が初めて炭治郎を見たのは、一大ブームとなった無限列車の中だった。
とあるマッチングアプリで知り合った男と会う口実と、流行りの話題について行く為に、仕事帰りに日比谷の大きな映画館で見たのが私が炭治郎を見た最初で最後だった。

アプリは会う口実を作って会う迄がとても面倒臭い。
なので、わざわざ自分で予定を立てて列車に乗ろうと思うほどの興味は無かったものの、流行りの列車には乗ってみたかった私にとって、『列車に乗ろう!』という男の誘いは面倒な用事を一度に済ませられる手段として好都合だった。
お互い仕事帰りになることもあって、それぞれでチケットを買って、見終わったらご飯を食べよう。と言って、男とはシアターの外で待ち合わせをした。

旅人になる前の炭治郎の事は、列車の中で聞いた。
雪深い村に住み、病弱な母が居た。
父親の事はぼんやりとしか覚えていない。

貧しいながらも家族仲良く暮らしていた炭治郎が幼い妹を連れて旅に出る切掛となったのは、ある日炭治郎の家に押し入った鬼が、病気の母と影の薄い父親を殺し、幼い妹を鬼ウイルスに感染させたからだったと記憶している。

両親を殺された炭治郎と妹は、妹が鬼ウイルスに負けて完全な鬼になる前に、両親を殺した鬼を見つけ出して仇を取り、妹をウイルスに感染させた鬼の角で鬼ウイルス解毒剤を作るという使命を達成する為に村を捨てて旅に出ざるを得なかったのだ。

鬼達は大黒柱や霜柱など、○○柱と呼ばれる属性を持っているが、妹の禰󠄀豆子を襲ったのは、おそらく茶柱属の鬼だ。その証拠に禰󠄀豆子は常に茶柱を口に咥えてないと生きていられない。

炭治郎は妹を茶籠に入れ、茶柱を咥えさせ、極力妹の寿命を伸ばそうと努めながら旅を続けている。
無限列車の車窓からはそんな炭治郎の冒険の一部を垣間見ることが出来た。
貝柱属性の鬼が帆立貝をヒラヒラさせることで催眠術を掛けて炭治郎達の戦闘力を奪う場面はどうなる事かととてもヒヤヒヤしたし、
炭治郎の先輩の熱血野郎がその情熱をかわれて火柱属性の鬼に勧誘されるところは、敵ながら鬼も見る目あるなと感心し、そんな鬼の誘惑に負けない熱血先輩がカッコよくてこちらもつい目から炎の水が出た。

今思えば男は、列車に乗らなかったのでは無いかと思う。
私達は熱血先輩の事や茶柱属性の鬼の正体について議論を交わす事もなく、仕事の話や理想のタイプの話といった定型的な会話をして別れた。

あれから炭治郎も男も見ていない。
男に至っては名前すら覚えていない。

車窓の向こうに流れる景色のように、一瞬心を掴むけれど少しずつ記憶から消えてしまう、人生という旅の一景なのかなと思う。

・━━━ ℯ𝓃𝒹 ━━━・

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