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北海道ツーリング8日目

 屈斜路湖で連泊を決めた一行。近場を歩いたり、観光タクシーで回ったりと弟子屈周辺を楽しむことと、少し疲れてきた体を休める目的もあった。
 そんな話を屈斜路湖プリンスホテルで広く綺麗な湖を眺めながらしていると、ふと目にとまる観光情報のファイル。明日どこへ行こうかとパラパラめくっていると、ホテルで貸し出しているレンタカーを見つけた。
 天候はいまいち。すぐに予約をし、格安レンタカーを1日お借りしてドライブに行くという暴挙に出ることにした。

 朝、ホテル前からレンタカー(トヨタbb)に乗り込み、向かったのは屈斜路湖の「砂湯」。コバルトブルーの湖面が広がる屈斜路湖の湖畔にある砂湯は、砂浜を掘ると温泉が出てくるというとても珍しい場所だ。
 屈斜路湖は日本最大のカルデラ湖。火山活動によってできた湖なので、周囲にはたくさんの温泉があるのだ。
 手で湖畔の砂を掘れば温泉が湧き出てくるので、足湯くらいなら簡単にできてしまう。湯船レベルを掘りたいと思えば、近くでスコップの貸し出しをしているので、天然の露天風呂が楽しめるのだ。
 この屈斜路湖、そんな温泉天国ゆえ冬場でも湖畔周辺は凍結することがなく、冬には白鳥たち専用の露天風呂になっている。
 近くにはキャンプ場や売店があるので、ツーリングのポイントにはおすすめだ。

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 次に向かったのは、360度の地平線が見渡せる大牧場「多和平」(たわだいら)。頂上には展望台があり、道東の広大な眺望を味わえる場所だ。キャンプ場もあり、美しい緑の芝生で開放感が気持ちいい。
 残念ながら厚い雲に覆われてしまっていたため、地平線までは見ることができなかったが、次回リベンジしたい場所だ。

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 多和平と同じくパノラマが有名な「開陽台」に向かう。天候は悪くなる一方で景色は諦めモードだが。
 開陽台は330度の大平原パノラマ。この場所が有名になったのは、昭和57年に発表された佐々木譲のツーリング小説「振り返れば地平線」がきっかけ。雄大な眺望はライダーの間のクチコミで広がり、北海道を旅するライダーはここを聖地と呼んでいるという。
 330度。一部遠くに山が見えるこれが残りの30度。太陽の高度が最も低く、大気の層が最も厚くなる日の出のとき、「四角い太陽」が見ることができるそうだ。
 開陽台にもキャンプ場がある。その名も「うし空のキャンプ場」。ここは選ばれし者だけが利用できるキャンプ場だ。
 重いキャンプ道具を持ったまま山を登れる強靭な足腰を持っているか、かなりのライディングテクニックを持ち合わせたライダーでなければたどりつけないのだ。
 サイトの前には駐車場があるが、未舗装の連絡通路は身障者専用。一般車両は通ることができない。バイクはその脇に未舗装の通路があるが、ここがまたモトクロスコースかと思うような道。大型バイクに至ってはよほど技量がない限り転倒せずに登るのは指南の技らしい。さらには午後5時以降はトイレが閉鎖されてしまうため、200メートルおりた駐車場まで行かなければならないという過酷なキャンプ場だ。
 しかし困難を乗り越えた先にあるキャンプ場だ。夜には降り注ぐような星空が見えて最高の気分になれることは間違いない。

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牧場の間を延びる、緩やかなアップダウンの長い直線は、中標津町の名物。周囲には牧場が多いため、牛乳を出荷するためのタンクローリーが多いことから「ミルクロード」と呼ばれる。
 ミルクロードを走り、なぜか翌日に行く予定だった厚岸までドライブにきてしまった。
 厚岸といえば「牡蠣」。毎年ここにきては、大きな生牡蠣を大量に摂取するのだ。
 厚岸漁業協同組合の直売店「エーウロコ」では、様々な海産物を扱っている。毎年ここでお土産を配送してもらうのが定番だ。
 店内にはイートインコーナーが設けられており、購入した牡蠣やカニなど、自分で簡単な調理をして食べることができる。
 牡蠣の殻を割る道具や調味料が用意されているので、新鮮な食材を楽しむことができる。
 エーウロコで売られている牡蠣は、「カキえもん」と「マルえもん」。生食に最適なのは純厚岸産の「カキえもん」だ。LLサイズ1つ180円と格安で、プリプリ肉厚で濃厚な味の牡蠣を思う存分食べることができる。
 牡蠣の殻を割るときに怪我をしないようにだけしていただきたい。

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 牡蠣をたらふく食べて、また屈斜路湖に戻る。やっぱり北海道はバイクで走るのが1番だと改めて思った1日だった。

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