人間力がある人に出会える幸せ

人間力とは、内閣府「人間力戦略研究会報告書」から引用すると

人間力は「社会を構成し運営するとともに,自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」

具体的に言うと・・・

1.知的能力要素:専門的な知識ノウハウ、論理的思考、想像

2.社会・対人関係力 的要素:コミュニケーション能力、リーダーシップ、他者を尊重し切磋琢磨しな がらお互いを高め合う力

3.自己制御力要素:意欲、忍耐、自己受容・自 己実現

とまあ、じゃあ、一体何?と言われれば、人間力がある人は、いろんな面において素敵な人、一緒に仕事をしたいと思う人、心から尊敬できる人、そして、絶対的な信頼がおける人などなど、そんな人のことを言うと私は解釈している。

私の回りには、ありがたいことに、素敵な人もいるし、やさしい人もいるし、話がおもしろい人もいるし、ずっと付き合っていきたい人はたくさんいる。しかし、普通に生活していると、人間力がある!と思える人との出会いは少ない。ただ、ライターをやっていると、普段会えない人にインタビューできたり、その人の考えていることを聞き出せたりできるのだ。しかも、ものすごい人間力がある人に・・・

コミュニケーション能力

人間力がある人に共通しているのが「コミュニケーション能力」があること。最近、取材をする人たちは、その道の有識者といった人たちが多く、取材前は参考文献などを読みまくり、事前勉強をして挑むものの、やはり、わからないこともある。そんなときに、誰にでもわかりやすい言葉で説明をできるかどうかで、その人の人間力がわかってしまう。

「ちゃんと勉強してこいよ」みたいな態度をとる人は、ライターが質問しても、難しい言葉でまくしたてるようにしゃべる人が多い。こういった人たちは、原稿をあげたときも、あえてわかりやすい言葉を選んで書いているにも関わらず、専門用語に置き換えたり、難しい表現に修正してくる。

説明が分かりやすいと、ライター側の理解も早くなり、取材もスムーズにいくことが多い。そして、人間力がある人たちは、ただ説明をするだけでなく、ライターが知りたい、聞きたいといった意図を察知して、話してくれることが多く、「それそれ、その言葉が欲しかった!」と原稿にそのまま書ける素敵な言葉を発してくれる。

こういったことができる人たちは、取材のはじめにも、私のライター実績を聞いてきたり、今までどんな人と会ってきたの?とか、いろんなことにも興味をもって、積極的にかかわりを持とうとしてくれる。

こう書くと、口下手な人は人間力がないのか!と思われるかもしれないが、そうではなく、口下手な人であっても、言葉数が少なくとも、きちんと説明をしてくれる人は、内面のやさしさを感じられるものなのだ。

偉いのに偉ぶらない

インタビューの対象者になる人は、それなりの地位についていることも多い。昔、どんなに苦労したとしても、成功した途端、昔のことは忘れて、調子こいちゃったり、上の地位についた途端、下々の気持ちがわからなくなったり、バカにしたりと、偉くなってしまうと、偉そうにしてしまう人がいる。しかし、人間力がある人は、偉いのに、偉いということを忘れてしまうくらい偉ぶらない。要は謙虚なのだ。

とある人は、これ以上ないくらい偉ぶり、踏ん反りかえって、ソファーにもたれて、足を組んでインタビューを受ける人もいれば、その人よりもずっと偉いのに、こんなペーペーライターと目線をあわせて、前のめりで話をしてくれる人もいる。

私は、調子こけるほど、成功もしていないし、偉ぶりたくても偉くないし、そうなってしまう気持ちはわからないけれども、もし、もし、いつか偉くなったとしても踏ん反りかえったり、調子こかないようにしようと本気で思う。

人間力のある医師に出会いたい

普段の生活で、偉そうにされたり、専門用語をまくしたてられたとしても特に生活には問題ない。ちょっとストレスを感じるくらいだ。

だが、とある先生にインタビューをしたとき、「いつか自分が健康面で不安になったときがきたら、こんな先生に診てもらいたい」と思った、医師と出会った。

インタビュー前に、質問骨子を送ったのだが、それに丁寧に回答をしてくれただけでなく、当日インタビューをする必要がないほど、完璧な回答がきて、驚くほどクオリティーが高かった。毎日、寝る時間もないほど忙しいはずなのに、本当に驚いた。取材当日は、時間どうりスタートし、2時間の予定が30分で終了。最後まで丁寧に答えてくれ、インタビュー時に何気なく、気になります、興味ありますといった事柄がのった参考文献まで送ってくれた。

時折、冗談を交えながら、やさしい笑顔で、インタビューに答えている姿を見ると、患者さんもこの笑顔をみると安心するだろうなと思った。

というのも、数年前、初めて健康診断でひっかかり、しかも、影ありといったことが書かれ、これってがん?と慌てふためいたことがあった。要再検査ということで、すぐに検査予約をしにいったのだが、そこの病院の先生が愛想もへったくれもなかった。こちらは、がんかも!とかなりの冷や汗もんでいっているにも関わらず、ずっとPC画面みながら

「検査をしないとわからないので、まずは検査します。検査内容は別室で説明させます」と淡々と言われた。

まあ、その通りで、今の段階じゃ、何にもいえないだろうけども、せめて、この影は、検査しないとわからないけれども、悪性の場合はこうで、そうでない場合はこうでとか説明があってもいいもんでしょうよ!と、あまりの塩対応にがっくりだった。

こちらが質問しても、「検査結果出てから、お話します。まずは検査を」とこればっかり。で、検査結果を聞きに行った日、結局、なんでもなかったからか先生も一言「問題ありませんでした。特に異常は見られないので、大丈夫です」とこれまた、PCを見ながら、淡々と話してきた。

この先生、もし私が重い病気だとしたら、どんな風に告知するんだろう。ま、告知はするっとやってもらったとしても、病状の説明とかきちっとしてくれるんだろうかと、無駄な心配をしてしまった。

生きていく上で、病院は必要なもので、重い病気ではないものの、毎年精密検査を受けるために、婦人科と眼科に通っている。この2つは、いくつか病院に通い、私の話をきちんと聞いてくれるところ、説明をちゃんとしてくれるところで選んだ。愛想なんてなくてもいい、コミュニケーションがとれる医者がいる病院に通いたいのだ。

いつか、命に係わる病気になったとしても、「この先生が治せないのであればしょうがない。先生、ありがとう!」と思える医者がいる病院に通いたいと心底思った。

ライターになってよかったなと思うことは、大好きな物書きができるということもあるが、何より普段出会えない人たちにたくさん出会えること。人の振り見て我が振り直せとは、よく言ったもので、そこまで人間力がある人にはなれないかもしれないが、少しでも近づきたいと思える人たちにたくさんあって、いろんなことを吸収して、自分自身の人間力も高めていきたい。

あと20年くらいしたら「あのライターさんからインタビューされたいな~」なんて思ってもらえるようなライターになりたいなと思ったりしている。もちろん、その人の素敵なところを120%引き出せるライターになれるよう、日々精進していく所存であります。

#ライター #人間力

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