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酒呑童子説話の研究

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酒呑童子の中世説話について考えることをとおして、見せかけのおおいをとりはらった人間の姿を知る。https://wisdommingle.com/category/research… もっと読む
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#鬼

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《伊吹弥三郎》

《千の顔をもつ弥三郎》

《伊吹弥三郎: 姉川を生き、妹川に没した、伊吹山の水竜鬼》

渡江淵の四つ目の大蛇

▼参考記事 「伊吹弥三郎の岩屋と井明神社 : 姉川を生き、妹川に没した、伊吹山の水竜鬼の生と死」4. 伊吹弥三郎が「死んだ場所」: 妹川(高時川)(井明神社) 4-5. 井明神社の祭神は誰なのか? 4-5-4. 「渡江淵の大蛇」説 ▼『近江輿地志略』巻之五十五「蒲生郡第二」▼『近江伊香郡志 下巻』第九章 第一節▼参考記事

鬼学会の会報誌が届きました!ぼくの投稿「伊吹弥三郎の岩屋と井明神社 : 姉川を生き、妹川に没した、伊吹山の水竜鬼の生と死」も掲載されています

世界鬼学会の会報誌(第28号 2024年分)が届きました! 今回は、ぼくの投稿「伊吹弥三郎の岩屋と井明神社 : 姉川を生き、妹川に没した、伊吹山の水竜鬼の生と死(抄録板)」の記事も掲載されています。 (会報誌の表紙絵は、三日月電波さん (ミず鬼ずムさん @mizuki_ism ) の《鬼婆図》です。) 上記の投稿記事では、「鬼伊吹(おにいぶき)」と呼ばれた伊吹弥三郎が「生きた場所」と「死んだ場所」として、「伊吹弥三郎の岩屋」(伊吹山の山頂付近の洞窟)と、「井明神社」(高

鬼学会の会報誌が届きました!ぼくの投稿「鬼ヶ洞と鬼腰掛岩」も掲載されています

世界鬼学会の会報誌が届きました! 今回は、ぼくの投稿記事「鬼ヶ洞と鬼腰掛岩 : 酒呑童子と八瀬童子の祖先の鬼の旧跡 in 京都洛北八瀬 & 比叡山延暦寺」も掲載されています。 上記の投稿記事では、鬼ヶ洞(おにがほら)と呼ばれる洞窟と、鬼腰掛岩(おにのこしかけいわ)と呼ばれる岩について、それらの場所へ行くための道のりを、動画と地図で紹介しています。 これらの名所旧跡は、酒呑童子や、鬼童丸(鬼同丸)や、八瀬童子(やせどうじ)の祖先の鬼にゆかりのある場所です。これらは、洛北(京

鬼学会の会報誌が届きました!ぼくの投稿も掲載されています

世界鬼学会の会報誌が届きました! 今回は、ぼくの投稿「青き鬼の霊木と、比叡山の水神たる酒天童子」も掲載されています。 その投稿では、香取本『大江山絵詞』の絵巻物に記されている「酒天童子(酒呑童子)が変化した楠」を出発点として、それに関連する叡山開闢譚の霊木や、その守護者であった青鬼、そこからさらに、酒天童子の水神としての性質などについてお話しています。 その投稿は、下記のURLでも見ることができます。 「青き鬼の霊木と、比叡山の水神たる酒天童子」 https://w

青き鬼の霊木と、比叡山の水神たる酒天童子

はじめに ここでは、香取本『大江山絵詞』の絵巻に記されている「酒天童子(酒呑童子)が変化した楠」を出発点として、それに関連する叡山開闢譚の霊木や、その守護者であった青鬼、そこからさらに、酒天童子の水神としての性質などについてお話します。 目次 ・はじめに ・酒天童子の昔語りのなかの霊木説話 ・比叡山の所有権移転の霊木説話が記載されている文献群   ・『法華経鷲林拾葉鈔』の、鬼の霊木の説話   ・『日吉山王利生記』の、青鬼の霊木の説話   ・身延文庫蔵『法華直談私見聞

葛川護法尊(護法童子)と、栂尾高山寺の護法神像と、春日赤童子と、制吒迦童子と、酒呑童子とのつながり

酒天童子(酒呑童子)と護法童子の類似性 現存最古の酒天童子(酒呑童子)の伝説(説話)が描かれている、香取本『大江山絵詞』(かとりぼん・おおえやまえことば)という絵巻物があります。 ぼくはいま、その絵巻物に描かれている酒天童子(酒呑童子)の伝説について研究しています。 その過程で、天野文雄さんの「「酒天童子」考」という論文に出会いました。その論文のなかの下記の文章のなかには、「酒天童子(酒呑童子)の姿と、葛川明王院の碑伝(ひで)に描かれた護法童子の姿が、よく似ている」と

「我是、三尾の大明神也。此木をまもらんかために、本国より片特もはなれす、諸の眷属をひきゐて来る」

この上の、『長谷寺縁起絵巻』(出光美術館所蔵)の上巻第10段の絵図のなかには、近江国(おうみのくに)の高島(たかしま)の白蓮華谷(びゃくれんげだに)(白蓮花谷)から流出した霊木を見守る三尾明神(みおみょうじん)(三尾大明神)(白衣の翁)(この絵では見切れています)や、持蓋童子(長谷寺守護童子)、異行の者たち(鬼たち)、雷神、風神などが描かれています。 この下の文章は、出光美術館に所蔵されている『長谷寺縁起絵巻』(はせでらえんぎえまき)の、上巻第7段から上巻第11段までの

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『百鬼夜行絵巻』(伝土佐光重筆本の模写) Hyakki Yakō Emaki

この動画を、メタバース(仮想世界)のなかにある、図書館に展示してみました。 https://wisdommingle.com/?p=24705#jump_200322a 『百鬼夜行絵巻』(ひゃっきやこうえまき)という名前で呼ばれる絵巻物は、複数あります。 この動画でご覧いただいている『百鬼夜行絵巻』の絵図は、それらの複数の『百鬼夜行絵巻』のなかの、「伝土佐光重(とさみつしげ)筆本」と呼ばれる絵巻物を、模写してつくられた絵巻物です。 ここで言う、「伝土佐光重筆本」というのは、日本の南北朝時代の絵師(画家)である、土佐光重(とさみつしげ)という人が絵図を描いたと伝えられている『百鬼夜行絵巻』のことです。「土佐光重が、筆で描いたと伝えられている絵巻物である」というところから、「伝土佐光重筆本」などといった名前で呼ばれています。 この動画でご覧いただいている『百鬼夜行絵巻』は、その土佐光重が描いたと伝えられている『百鬼夜行絵巻』の絵図を、模写してつくられた絵巻物です。 この動画は、『百鬼夜行絵巻』の全体像を見てもらうことができるようにするために、『百鬼夜行絵巻』の絵図の全体を、はじめのところから、おわりのところまで、ゆっくり横にスクロールさせていくことで、この絵巻物の全体像を見てもらうことができるようにした動画です。 この動画を、Cryptovoxels (クリプトボクセルズ) のメタバース(仮想世界)のなかにある、ごちゃまぜ図書館 (Mingle Mangle Library) に展示してみました。 もし興味があれば、ぜひ仮想世界のなかの大画面で、この動画をながめてみてください。 くわしくは、こちら https://wisdommingle.com/?p=22918#jump_200322a ▼ごちゃまぜ図書館 (Mingle Mangle Library) Cryptovoxels (クリプトボクセルズ) https://www.cryptovoxels.com/play?coords=N@143E,387S 『百鬼夜行絵巻』〔伝土佐光重(とさみつしげ)筆本の模写〕 Hyakki Yakō Emaki (Japanese: 百鬼夜行絵巻) (参考) 「鬼シンポジウム in ふくちやま2019」のイベント紹介レポート(世界鬼学会設立25周年記念イベント) 「百鬼夜行の絵画化」 https://wisdommingle.com/?p=21725#jump_191129a ▼『百鬼夜行絵巻』の画像の出典 百鬼夜行絵巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2541003 (著作権保護期間満了 (パブリックドメイン) ) 百鬼夜行絵巻|書誌詳細|国立国会図書館オンライン https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000001-I000007312564-00 ▼この動画で使用している『百鬼夜行絵巻』の画像 Flickr https://www.flickr.com/photos/waltz-for-the-moon/49663125018/ Flickrアルバム ♯ 『百鬼夜行絵巻』〔伝土佐光重筆本の模写〕 Hyakki Yakō Emaki (Japanese: 百鬼夜行絵巻) | Flickr https://www.flickr.com/photos/waltz-for-the-moon/albums/72157711473441576 ▼この動画で使用しているBGM Download Hooligan Swing Royalty Free Music Track https://elements.envato.com/hooligan-swing-JN7234M ▼この動画で使用している効果音 Download Morning Park Ambience with Birds Royalty Free Sound Effects Track https://elements.envato.com/morning-park-ambience-with-birds-YW2XH3N 「これ好奇のかけらなり、となむ語り伝へたるとや。」

『長谷寺縁起絵巻』に描かれた、白蓮華谷から流出した楠の霊木と、三尾明神と、異形の鬼たち

『長谷寺縁起絵巻』第10段の絵図(徳川美術館所蔵)の模写  まことに、この巨大な「仏木」は神であった。上記の古い伝承によれば、たんに「辛酉歳」とする太古に流れ出たる大木が「里」に流れついて災厄をなす。『年表』等に「霹靂木」というのは、神の降臨した木であることを示す語としてよいだろう。それが人間の世界に出現した時に疫病などの災いをのみもたらすのは奇異なことのようであるが、そうした荒ぶるしわざこそ、新たに出現した威力ある神の特徴ともいうべきものであった。 (出典:阿部泰郎

「あの王墓から想像される絶対権力者の王が、どうして、このように、鬼神をおそれたのであろうか」

画像1:古代中国の殷王朝の時代の青銅器(簋(き)(英語表記:gui)) 「この多様にして広大な大陸は、悠久の時の流れのなかで、世に比類ない美術を生み続けてきた。神話と呪術に裏づけられた鬼神の美術は、やがて怪力乱神を敬して遠ざける人間の美術となった。それらの多くは、死者を慰めるために大地に埋められ、数百年、数千年の時を経て掘り起こされ、現代に衝撃をはしらせる。」 (出典: 〔序文〕 (1981年) 樋口隆康(著者), 菅谷文則(著者), 繭山康彦(著者), 陳舜臣(著者

仮説:「酒天童子」(酒呑童子)という言葉(名称)は、円珍の護法童子である水天童子に由来する

「他人の書いた筋書きに惑わされることなく、内なる神の目でこれから始まる未来を見据えてください。」 (出典: リカルド・マーセナスの言葉, 福井晴敏(著者), (2007年)『機動戦士ガンダムUC 1 ユニコーンの日(上)』(小説), 角川コミックス・エース, 角川書店(角川グループパブリッシング), 36~37ページ.) ぼくは今、「酒天童子」(酒呑童子)という言葉(名称)の由来についての仮説のひとつとして、つぎのような仮説を立てて、それについてかんがえています。 「酒