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連立政権の公明党・山口代表続投か?それとも交代か? 


平和の党、盤石な地盤守れるか?

公明党は独自の地方ネットワークがあり、
選挙の際の集票力は極めて優れていると言えます。

その規模は都心だと日本共産党に近い票数です。

しかし公明党は地方でも圧倒的な集票力であり、
議員もまた数多く輩出しているのです。

ただし同時に支持者の高齢化と、集票力の低下が比例し、
年々減少傾向にもあります。

また党幹部も高齢化を辿り、
山口代表も今年で15年目と昨年、20年以上勤められた
委員長を交代された日本共産党を含め、
現在の与野党でトップの在任期間となります。

そのため本年は石井幹事長にバトンをつなぐか否かは
注目されますが、解散総選挙に重なるため、
現状は続投路線が高いと言えます。

若手が育ちにくい公明党

では公明党は若手が育ってないのでしょうか?

答えは違います。実際には育ってきてはいます。

以下は現在50歳未満の公明党の国会議員です。

例えば参議院埼玉選挙区の矢倉 克夫氏は49歳で当選2回の財務副大臣です。
また参議院の全国比例区の平木 大作氏も49歳で当選2回の復興副大臣です。

参議院神奈川選挙区の佐々木 さやか氏や三浦 信祐氏も当選2回の参議院議員です。

他にも当選一回の河西 宏一衆議院議員
参議院愛知選挙区の安江 伸夫参議院議員、
参議院大阪府選挙区の杉 久武参議院議員、
衆議院兵庫8区の中野 洋昌衆議院議員、
参議院兵庫選挙区の高橋 光男参議院議員、
参議院議員の河野 義博参議院議員といった形で
若手もいます。

中でも党の中で50代の筆頭候補は東京12区で元財務副大臣の
岡本三成衆議院議員です。

岡本氏は当選4回の国会議員で
次期衆議院選挙では新29区から立候補されます。

党の50代の中では注目株であり、今後は
党3役に入れるかが問われます。

もちろんどうしても60代前半の国会議員の割合が多く、
現在の党幹部の大半は60代です。

そのため世代交代のタイミングについても注視してまいりましょう。

平和の党と反撃能力の保有

では公明党は現在、どのような状況下なのでしょうか?

例えばかつて平和の党や福祉の党と言われ、
支持母体が教育に比重を置いた組織でしたため、
教科書無償配布を実行してきました。

また最近ですと2020年の新型コロナウイルス下にあって、
国民に多くの自粛生活をお願いする中で、
公明党は一律10万円の給付を行なってまいりました。

安倍晋三首相は16日午前、公明党の山口那津男代表と電話し、新型コロナウイルス感染拡大を受けた現金給付について協議した。山口氏が1世帯当たり30万円の給付を取りやめ、1人当たり10万円の一律給付を盛り込むよう今年度補正予算案の組み替えを重ねて求め、首相は「引き取って検討する」と述べたという。

出典;毎日新聞 2020/4/16 公明・山口代表、首相に「1人10万円一律給付」重ねて要求 新型コロナ

政府や自民党の方針(閣議決定)を覆して、
10万円給付させたことは、まさしく
公明党お陰でもあります。

このように福祉や平和の党としての役割は変わってはいません。

反撃能力・セキュリティクリアランス・武器輸出では・・・

一方で平和の党である公明党が悩ますのは
安全保障環境の厳しさです。

日本の隣国には核保有国のロシア・中国・北朝鮮がおり、
いずれも無視できる存在ではありません。

そのため自民党ではいくつか情勢に対応するために、
反撃能力セキュリティクリアランス武器輸出についても
協議を進めてまいりました。

一方で公明党は当初は反発の声もありましたが、
いずれもブレーキをかけ一部を修正して法案を成立させています。

反撃能力については「必要最小限の措置」という文言を加え、
平和国家と反撃能力の保有の両方を成立させることができました。

セキュリティクリアランスについては、当初と比べプライバシーのあり方が懸念とされることはなく、実際に政府が国会への毎年の報告義務があることで
ブレーキを果たしたと言えます。

次期戦闘機に関しては時間はかかりましたが、それでも成立するなど、
厳しい安保環境の中で与党のブレーキ役として公明党は役割を果たしています。

次期衆議院選挙と代表選

さてここからが本題です。

公明党は2000を超える地方の代議士と国会議員で構成されており、
選挙は公明党にとって本当に大事です。

公明党は今回の参院選で、過去最多に並ぶ14議席を獲得し、非改選14議席と合わせて1964年の結党以来、最多の28議席となった。ただ、比例代表の得票数は653万6336票と16年参院選から約104万票減らし、99年の自公連立政権発足以降、最低となった。投票率低下に加え、支持者の高齢化に伴う組織力低下の影響もあるとみられ、課題を残した。

出典:毎日新聞 2019/7/23 公明、埋没に危機感 比例票最低 自民との距離模索

【公明党における国政選挙の比例区票数】
①衆議院選挙(万票)
2012年:711
2014年:731
2017年:697
2021年:711
②参議院選挙(万票)
2010年:763
2013年:756
2016年:757
2019年:653
2022年:618

やっぱり集票力の低下を感じることもあります。

ただ一方で今回の衆議院選挙では、新たに2人が
小選挙区にて出馬されることで、
公明党にとっては小選挙区の候補者擁立は
より選挙を身近に感じさせる大事な方法なのです。

【New】
埼玉14区:石井幹事長(候補者)
愛知16区:犬飼県議(候補者)

果たして次の総選挙で700万票の得票数を取れるか
否かは私たちは注目しなければなりません。

代表選とその先にあるモノ

今回の代表選は6月-7月に解散があれば、山口代表はおそらく
総選挙後に代表を任期満了で去り、
石井幹事長が就く可能性が高いかと思います。

ただ本当に代表を譲る場合、山口代表のブランドが
どうしても石井体制に受け継げるかは不透明なため、
そう簡単ではないとも感じます。

【公明党に関するスケジュール】
2024年:第50回衆議院総選挙(予定?・可能性高)・公明党代表選
2025年:参議院選挙(山口代表の議員続投か否かも注目)
2026年:公明党代表選
2027年:統一地方選挙・第51回衆議院総選挙(2024年に解散し衆参同時を回避)
2028年:参議院選挙・公明党代表選
2029年:衆議院総選挙の可能性?
2030年:公明党代表選・衆議院総選挙の可能性?

このような形です。公明党の代表選は2年に一度であることから、
いずれかの年に山口代表が代表を退かれる可能性が
高いでしょう。

しかし仮にも公明党の代表が続投となれば、
山口代表は77歳、石井幹事長は71歳と
石井体制の期間も短くなります。

果たして自民党と連立を組む公明党の今後に注目ですが、
若手も着々と育っていることにも
注目してみましょう。

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