安物買いの銭失い(安いコーヒーの話)

値段が安いものは品質が悪いので、買い得と思っても結局は修理や買い替えで高くつくということ。

安いものは品質が落ちるので、買ったときは得をしたように感じるが、すぐに壊れて使い物にならなくなるから、結局は高い買い物をすることになるということ。『江戸いろはかるた』の一つ。

Cheapest is dearest.(一番安いのが一番高い)

さて、安いコーヒーばかり飲んでいるとどうなるか?
1.安くて品質の良くないコーヒーも「美味しい」と感じるようになる。
2.売る方は、品質を落として安物を売るようになる。「安いよ、安いよ!」と甲高い声で叫び続ける。テレビショッピングのように。
3.生産者は品質が悪くても、安ければ買ってくれないので、品質を無視して安いものを作るようになる。
4.どこかの国が安くて品質の良くないコーヒーを大量に輸出するようになると、規模の経済性を持たない国は競争に負けて、コーヒーを作らなくなってしまう。コーヒー農民は貧困に陥る。

この話は他の商品にも当てはまる。昔気質の職人が丹精込めて作ったものを安売りされてしまうと、職人気質は失われる。そして、いいものがなくなっていく。

こういうことが起こらないようにするには、ただ安さだけを強調するのではなく、良いものはなぜ良いのかを説明し、高い値段でも買ってもらう努力をすることだろう。

産業がサステイナブルであるためには、生産者がその努力に見合った対価を受け取ることである。安売りはそれを破壊する。つまり、サステイナブルではない。

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