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2021年の経済

政府の見通しでは、2021年の日本経済は、2019年の水準に戻る。株式市場はさらに強気だ。しかし、OECD予測の「ダウンサイドシナリオ」では、2021年の世界経済は、マイナス成長が続く。どれが本当の姿なのか?

五里霧中の経済
 今年ほど一年の見通しがつかない年は、これまでなかった。誰もが五里霧中状態 で歩かざるをえない。

 政府の経済見通しで は、日本経済はコロナ前の状態に戻る。2021年の名目GDPは一昨年とほぼ同額になり、実質成長率 が4%になる。
 しかし、これが実現できる保証は全くない。

 OECDの経済予測では、2021年の日本の実質成長率は2.8%。
 ダウンサイドシナリオでは、2021年の世界経済は、マイナス成長が続く。

 また、昨年7-9月期の法人企業の 営業利益は、前年同期比39%減という惨状だ。
 それにもかかわらず、昨年末の日経平均株価は、1年前より16%高い。
 一体、これらのどれが、日本経済の真の姿なのか?

 不確実性 が大きいときの鉄則は、最悪の事態にも対処できる準備をすること。「事態がうまく進むだろう」という楽観主義 に陥るのは危険だ。


長期課題への対処
 短期的な不確実性とは裏腹に、日本が抱える構造的問題は、コロナ前と同じ形で残っている。
 生産性の向上、産業構造の転換、高齢化社会への対処が必要だ。
 デジタル化 や脱炭素 は、これらと関連付けなければ意味がない。
 コロナ対策で財政支出が急増し、国債で賄われたため、財政再建 は、コロナ前より重要性を増した。




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