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「超」時間管理法(4) 手帳をばらし、セロテープで貼り付けて、横長にした

 手帳は開いたときに1週間しか見えない。だから、つぎの週に地獄の釜が口を開けていても分からない。
 分かっていても、さして重要な問題ではないと考えてしまう。
 だから、適切なスケジューリングを組むことが難しいのである。
 スケジューリングに失敗する原因はここにある。1週間を超える期間についての「見える化」が実現できていなかったことが問題なのだ。

◇ 壁掛けカレンダーを予定表にする
 この問題を克服するための工夫として、昔から多くの人が行なってきたのは、月別の壁掛けカレンダーに予定を書きこむことだ。
 やってみたことのない方は、つぎのような実験をしていただきたい。

 縦横30センチくらいのサイズの月別壁掛けカレンダーを、2,3か月分用意する。 そして、予定をそこに書き入れてみる。
 すると、直ちにつぎのことに気づくに違いない。

 第1に、数週間の期間が手に取るように「見える」。これまで1週間ごとに別ページになる手帳を使っていた人は、あたかも飛行機で上空から見渡すような驚きと快感を覚えるに違いない。

 第2に、「私のスケジュールはこんなことになっていたのか!」と驚く。これまではつぎの週以降との関連付けを考えずに予定を組んでいたことを発見して、唖然とするだろう。具体的には、例えば、つぎのようなことだ。
 (1)重要な仕事の締切りの前の週に、あまり重要でない用件を入れてしまっていた。
 (2)締切りが2ヶ月先なので作業に十分な時間がとれると思っていたのだが、実際には、さまざまな用事でふさがれている。よくよく見ると、集中した作業に使えるのは、2ヶ月のうちでわずか3日しかない。長いと思っていた2ヶ月間が実は短い時間だった!

 これまでは、スケジューリングに失敗していた。その基本的な原因は、2ヶ月間という時間帯を俯瞰できなかったからだ。「見えなかった」ので、用件を適切に配置することができなかったのだ。

◇ 「超」整理手帳の誕生
 こうした利点があるので、実際に、手帳の代わりに壁掛けカレンダーを予定表として使っている人は、昔からいた。
 ただし、これでは持ち歩くのが不便だ。折りたためば持ち歩けないことはないが、あまり快適ではない。
 それに、カレンダーはもともと予定を書きこむためには作られていないから、日付を表わす文字がスペースを占拠しており、予定を書きこむ場所が少ない

 そこで、私は、手帳をばらして、それをセロテープで貼り付けて、横長にしてみた
 こうすると、数週間にわたるスケジュールを一覧で「見る」ことができる。つまり、壁掛けカレンダー予定表と同じ効果を実現することができる。 やりかたによっては、カレンダーより長い期間を一覧できる。しかも、スケジュールを書きこむスペースも確保できる。こうした点から言えば、カレンダー予定表より優れているわけだ。

 つぎの週(だけでなく、それより先も)は見えているので、「居座り案件」は容易に排除できる。
 また、仕事の集中は、数週間単位を「見る」ことによって排除することができる。
 うまく工夫すれば、持ち歩くにも便利な形態にすることができるだろう。

 これが「超」整理手帳が誕生した瞬間だった。この瞬間のことは、いまでもよく覚えている。
 それは、1994年のことだった。

 この手帳は、もっと綺麗な形に整えられて、1995年にアスキーから刊行された。基本的に同じ形のものが、現在まで毎年刊行されている


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