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言葉ノ足跡 2 -Traces of Words-

「犬の静脈に嫉妬せず」
自身は、舞踏のイメージから逃れようと、舞踏ではない何かを掴もうとあがいてきたように思う。しかしながら、未だに新しい方法論を確立させた訳ではない。
混沌とした迷宮に入り込んだまま、出口などではなく入口に戻ってしまう事の繰り返し。否定、アンチ、することで乗り越えてきた歴史も、その方法論自体が成立しにくい時代である。『何でもあり』になってしまった。本当に『何でもあり』なのか。
舞踏が生まれ、三十年後に出合った私の前には、多様化が歪み、既にクラッシックとしての舞踏もあり、舞踏じたい乗り越えなければいけないのではないかという疑問がうかぶ。そして、舞踊を否定することで乗り越えつつ、舞踊を舞踊することで乗り越えるのも試みになりうるはずだ。否定し逸脱していく事と、肯定した上で更に逸脱していく事は、正対照であり、つまりイコールなのではないか。この相反するふたつの事は同時に成立しうるのだ。

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