「採用は人事にはできない。」(ベンチャー採用 Advent Calendar 2018)


採用は人事にはできなくなると思います。


正確に言うと、人事だけの力ではもうどうしようもない時代になったと思います。

「カリスマ人事」や「秀逸な採用ツール/施策」などにはもう限界が来ています。

<こんな人に読んでほしい>

- スタートアップ/ベンチャーの採用に関わっている方
- 採用に関わって「いない」全てのメンバー

簡単に自己紹介をします!

重藤(@yukishigedo)と申します。僕は、Ubie(ユビー)という医療AIスタートアップにて、採用人事を担当してます。

「最高の組織づくり」をしたいという想いから、前職のリクルートキャリアを飛び出して、半年前にジョインしました。Ubieはエンジニアを中心に30名の組織で、採用目標もエンジニアがメインです。

12/1より開始したベンチャー採用 Advent Calendar 2018の12/11の回です。

「採用の動向の振り返り」については諸先輩方に十分ご教示いただいているかと思います。

>>担当者がどこかにコンテンツを置き、それをみんながシェアするという中央集権的なリンクシェアの時代から、各々が自分の会社で起こった出来事やその中で感じたことをコンテンツ化して発信する時代に突入する
メドレー加藤さんの12/3の回より引用>

そこで、僕は採用の「今後のあるべき姿」についてスタートアップ「採用人事」の立場で書かせていただきます。

◆アジェンダ

- 「採用は人事にはできない」と思ったきっかけ
- 変化した採用スタンス
- 人事→個へと主体を移すメリット
- スタートアップの採用活動事例
- 今後人事の役割は「ファシリテーター」へ

◆ここから本題

早速ですが、「採用人事」といいましたが、私の採用に関するミッションはたった25%です!

BizDevとして主に事業開発やセールスを75%のメインミッションとして人事を兼務してます。

実は、弊社に専任人事はいません!相方であり同じくBizDevの森(@moriudon0626)も25%の採用に関するミッションを持ち、2人合わせて0.5人分パワーで、採用人事担当をしております。ちなみに彼も前職はリクルートキャリアで、入社後領域のソリューション開発をしていました。

2人で0.5人分ですが、実際は2.0名分以上のパワーが活用できている理由も後ほど述べます。

 ◆「採用は人事にはできない。」と思ったきっかけ

前職では人材コンサル営業をしており、自分次第で担当企業の採用を変えるという気持ちを持っていました。しかし、このような当事者意識や気概は大切ですが、今はおごりだったと思っています。

第三者の視点から提言をしたり、他社と比較した話をすることはできても、やはり事は現場で起こっています。どれだけ現場に憑依しても、当事者そのものにはなれません。

今、実際に第三者ではなく自分自身が人事となり、事業サイドもやりつつ、自社の採用を担当して、その難しさや葛藤を肌で感じて、考えを変えました。採用には原理原則はあれど、人の領域はやはりとても曖昧性が高く、関連する要素が多岐にわたり、変化も激しく、本当に、本当に簡単ではありません。

◆変えないスタンスと変えたスタンス

<変えないスタンス>

- 人は企業成長の源泉
- 最高の人材を採用し続ける(妥協はしない・迷うなら採用しない)
- 既存メンバーは変化・進化し続ける必要がある

<変えたスタンス>

- 採用は人事の力だけで行おうとはしない
- 採用の主体者はメンバー自身
- 人事は経営・事業・組織・採用・現場をつなぐファシリテーター的な存在

スタンスを変えた理由として、マーケット要因が大きいです。

企業・事業・組織・採用情報の発信源やその信頼性、多様さ、具体性などの質も量も、企業中心から個人中心に移っています。個の考え方や働き方が多様化し、それを受容する社会や組織や個人が増えてきたからこそ、採用も様々な個人が集まった集団として行う時代が来ています。

◆採用の主体者が人事ではなくなるメリット

メンバー自身が採用を主体的に行う当事者となったり、採用人事が事業サイドと兼務であったりすることは非常に理にかなっていると思います。

不確実性・複雑性の高い現代において、特にスタートアップ/ベンチャーでは時間軸分の変化量が特に大きく、企業の置かれる状況により、事業戦略・組織戦略は目まぐるしく変化します。

それにともない「誰を、いつ、何人」などの目標もダイナミックに変化します。

これを従来のように中央集権的・機能組織的な人事が集約し、対応するのは至難の技です。

事業・サービス・プロダクト開発のみならず、組織・採用もアジャイルに変化・進化させる必要があります。

現場自体が採用に役割を持つと、ボトムアップ的に現場の機微がつながっていきます。何より、リアルタイムで生の情報がつながります。この情報を経営/事業などの全ての情報とともにオープンにすることで、採用に関して全員が同じ目線をもち、同じベクトルを向いた状態で情報を捉えることができます。結果として経営/事業の変化を、人事や採用、現場に接続する「精度」と「スピード」を格段に進化させることができます。

したがって、採用の目標人数達成(量観点)のみならず、本質的である入社後定着・活躍の可能性(質観点)が限りなくあがります。入社後定着・活躍できる人が、採用できるということが何よりもメリットです。

◆創業1年半スタートアップの採用事例

メンバー10名の会社がエンジニアを中心に半年で3倍の30名(フルタイム以外の様々な働き方も含む)となるまで採用できた具体的な行動についての紹介です。

結論、やはりエンジニアの採用はエンジニアがしています。(人事にはできません。)経営、エンジニア、デザイナー、医師、Bizなど全ての職種のメンバーが全員採用にコミットしています。全社OKRにも10%の採用ミッションが入っており、全員がミッションを持っています。

冒頭で0.5人分といいましたが、フルタイムメンバー15名×0.1人分としても1.5人分あり、合わせると量的にも2.0人分ものパワーになり、質的にはそれ以上となります。

これを今はまだ数十名規模ですが、100名、1000名、10000名以上になっても続けたいと考えています。

採用はリファラル採用をメインで行っており、週に1回のリファラル採用MTGには社員全員が参加します。

<プラン>

- 採用要件定義

<リード>

- Twitter(個の情報発信)
- yenta(個の出会い)
- bosyu(キッカケ認知)
- Findy(スカウト)

<プール>

- 採用カジュアルイベント企画・運営(個を集団へのきっかけ)
- ランチ・お茶(個の接点)

<マッチング・アトラクト>

- 会社/採用説明資料作成
- 面談/面接設計・実施
- インターン企画・実施

これら全てをメンバー全員が主体者として実施しています。

※具体的な内容(運用・程度)はここでは割愛しますので、気になる方はぜひお声がけください。

◆今後の人事の役割はファシリテーターへ

人事はこれらの施策のファシリテーションやサポートをしています。

何か課題が見つかった時は、人事側で必要な情報を全体に共有したり、解決原案を考えたりしますが、最終的にはメンバー全体で解決します。

このように、今後の人事の役割は採用に関する会社全体のハーモニーを整える、ファシリテーター的な存在になると思っています。

ここにはナイルの渡邉さんも終わりに触れていらっしゃいます。

あと、300社のコンサルティングに関わってみて思うのも、人事として経営者や現場メンバーと関わってみて思うのも、やるべき施策の特異性云々よりも、・関係者との認識のすり合わせ・関係者との交渉や調整・現場の実行力や継続力の方がよっぽど重要だし、成功に繋がるなというのが感想です。
ナイル渡邉さんの12/10の回より引用>

まさに関係者の認識が、納得感を持って一致している状態をつくり続けることが必要であると考えています。採用に関するMTGは関係者全員で行います。人事は言葉通りアジェンダを切ってファシリテートするのみです。仮説や原案は持っていても、主体者であるメンバーが考え、議論をし、決断してもらいます。これにより1つの施策をとってもその実行力や継続力が格段に上がります。人事にお願いされ協力している施策から、自分たちでやると決めた主体的な施策になります。極論、運用力が弱い秀逸な採用ツール/施策よりも、運用力が強い普通の採用ツール/施策の方が何倍も成果に繋がります。

一緒に働くひとは自分たちで採用することが大切であると考えます。

人事は、あくまでその脇役に過ぎません。

◆まとめ

- 変化のスピードが早い時代/領域の採用は人事だけではできない
- 採用活動は企業主体から個人主体に変わる
- 採用人事の役割は、採用の主体者から採用のファシリテーターに変わる

スタートアップ/ベンチャーの採用に関わっている方にとっても、今は関わっていない方にとっても、採用変化・進化のための1つの小さなキッカケになれば嬉しいです!

ありがとうございました!

Ubie株式会社 重藤 祐貴(@yukishigedo



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