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私カメラマンじゃない!ので、カメラに50万投資する。

実は、今年の春に新しく機材を買おうと思っていたのですが、
C社のものを買うか、F社の物を買うか、はたまたS社で悩んでいたのです。

本音を言えば欲しいのはF社のカメラでした。

でも、頼まれてでお写真を撮ることもあるので「ここは社会的な信用度がたかそうなC社がいい」とも思うとなかなか決められませんでした。
F社のカメラは、まずAFを期待してはいけないし、重たいし、動画は撮れません(撮れるどウリではない機種)。一方で、AFが優秀で、安心と信頼のC社。動画も8Kで撮れる。S社は、動画を撮るなら人気急上昇って感じで、しかもスペックもかなり高い、評判もいい。

さてどうするか。。。。。。

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写真って、今は誰でも自由に撮影できて、誰でも自由に加工できて、誰でも自由に人に見てもらってファンが獲得できるようになりましたよね。

私が学生だった頃は今のようにSNSはなくて、(ミクシーくらい?笑)写真は今ほど身近ではなく、中学校の修学旅行には写ルンですを持って行ったくらい。

で、今日の本題。私ちょっというのもお恥ずかしいんですけれど、グラフィックに興味を持ったきっかけはカメラでして・・・、高校はカメラがやりたくて1度『カメラマン』という職業を考えたことがあります。子供が野球選手になりたい!って思うようなあんな感じです。(大人になるとその夢を口にするのは恥ずかしさもあるけど、本人は真剣っていうね)

でも、いざ進路が見えてきた時に「自分が本当にカメラをやりたいのか」自問自答した際に「私はカメラを仕事にする人じゃない」という考えに至る一つの『基準』がありました。

それは私には「お客さんが安心するカメラを買うことが自分にできるのか」ということ。

別の言い方で言えば
「自分の好きな機材じゃなくて、必要な機材に投資していけるのか」
ということ。

APS-Cでも入門機でも
「いい写真」は撮れるけど、仕事ってそういうことじゃない。

少し話題になった本で『そろそろ写真の話をしよう』というタイトルの本があった思います。いいタイトルですよね。スペックの話になりがちだけど、写真ってそうじゃないよねってことをぶつけた本。少し前にnotoにも書いた富士フイルムの動画にもそんな話がありました。

でも今回は真逆の立ち位置の話。「写真じゃなくて機材の話をしよう」だと思うんですよ。

「写真」と「職業としての機材」の捉え方って違うんですよね、多分。

私の思う『職業カメラマン』は、いい写真を撮るというのは当たり前で、それにプラス、常に万全で仕上げなきゃいけなくて、作品でお金をいただく人でもあり、そしてクライアントを安心させる人であり、クライアントにこの人に頼んでよかった!と思わせなきゃいけない人であり、決して機材トラブルを言い訳にしてはいけない人

例えば、自分が何万も払って結婚式のカメラマンさんを頼んだとして、その人がポケットからスマホを取り出して「iphone12でもいい写真が撮れるんですよ〜!」って言ったらどうします?

写真は確かにいいかもしれない!Twitterとか見ててもめっちゃいい写真多いですよね!AIが優秀で、すごい演出力!‥‥‥わかる、わかるよ!!!でもそれじゃダメでしょ!って話です。

もちろん、中には「出来上がる写真が大事」っていうお客さんもいると思うんですけど、

でも!!

大半の人は、何万もお金を払ってガラケーとかスマホカメラを向けられたら「ん!?」って思うと思うんですよね。その写真がどんなにいい作品でも、実際にちゃんと写真が完成品として納品されるまでそわそわすると思うんです。

撮られてる時も大丈夫かしらって思うかもしれない。

撮影側がお金をもらう以上は「出来上がる作品はいいんで!」を押し売りしちゃいけないと思うんです。それはお客さんの気持ちにおんぶに抱っこというか。

「カメラを向けられてテンション上がる」とか「この人(機材)なら安心!」みたいな納品過程までのケアも必要だと思うんです。

加えて
・過酷な撮影状況でも使用できるのか
(耐久性で言えば入門機は辛いと思う)
・画像の応用性で言ったらフルサイズ>aps-c
・AFは速くて正確じゃないと撮るもの限られるよね
・メディアスロッドは2つあったほうがいい。
・場合によっては同じカメラは予備含め2台あったほうがいい。
・レンズの種類は広角〜望遠で抑えてる
・ストロボとか照明の機材も必要だよね

そういう要素ひっくるめて、お金を払ってくれる人が安心して頼めるかどうかを演出しなきゃいけない。

だから「撮れる写真はいいから!」を理由に、
わざわざ仕事が狭まるような機材選ぶ必要なくない?というか
撮影時間そのものも商品というか。

パフォーマンス、技術、お客様への真摯な姿勢、そういうのが揃うからプロなんですよね。

で、私の場合は自問自答した時に、『5万だろうが100万だろうが、時代遅れのカメラだろうが、わけわからん機能だろうが、私は私が好きなメーカーの好きなカメラを使いたい!どのカメラを買うかは『開発秘話が面白いかどうか』だ!』と思った時に、
「あー、私はカメラマンは無理なんだな」って思ったんですよね。

主体が自分都合すぎるし、何よりも「私機材ファンなんだ・・・」って思ったんですよ。

ちなみに当時、私が使用していたカメラはPENTAX K10Dでした。初めて私が「かっこいい!」と思ったカメラで、画像粒子がCMOSがメインになっていく中でCCDということもあって本当に大好きだったんですよ。高校卒業時は買えなくて、専門学校生になってから買ったんですけれど、発売2006年のカメラを2011年に使用していて、例えば、キヤノンやニコンなんかに買い換える気が全くなかったんです。
今でこそ笑い草なんですが当時は「SDカードに記録するのはプロの機材じゃない!SDなんていつ壊れるか!!」みたいな風習もあってそういうのも理解できなかったですし。でもそういうところで「お客さんと自分にとってベストな機材」を求められる人が、プロなんだと思うんです。

私の戯言よりも、説得力のあるプロのお話もどうぞ。



ちなみに「写真作家さんはまた話が違う」

と、ここまで書くと「私の好きなカメラマンはCONTAXやフィルムカメラですけど!?」みたいな話になりそうなんですが、まず今回の話写真作家さんではなく、あくまで職業カメラマンの話です。ここもややこしいけど。

で、結局どれ買ったのよ。

ここで話を冒頭に戻します。C社、F社、S社で迷っていた私。

よし腹をくくろう。

私がポチったのはF社のカメラでした。
正直、カメラを買うときの候補の中にC社・S社が入ったのって、ちょっとした下心だったと思うんですよね。「C社を持ってた方がかっこいいかなっていう」。笑 でも絶対F社のやつ欲しくなるんですよ!私ってそういうやつなんですよ!


でも、あらためて、
なんか、「私プロじゃないんじゃん!格好つける必要もないじゃん!」と思ったらGFXシリーズをカートにぶっこんで、オールドレンズもカートにぶっこんで、ストロボも縦グリップも買ってました。

でもお前たまに依頼されて写真撮ってるじゃん!
って突っ込みたい人多数だと思う。

確かに私も年に数回程度、写真を撮ってお金をいただくこともあります。でも基本は自分から売り込むものの中に写真をメインに入れることはありませんし、いただく額面も技術を売るのではないので打ち合わせとガソリン代程度です。それはお客さんにも言います。お願いされる時も基本は「職業カメラマンさんとは違います、そういうパフォーマンスはできません」ということわりを入れさせていただいています。(できる限りの最大限はやりますが!)
ご予算が潤沢な方には、プロのカメラマンさんをオススメもします。


さてさて、
どうしてこんな記事を書いたのかと言いますと、私が写真を撮ってることにも関係していて、「その職業のプロへの敬意」というのは忘れてはいけないなと思う出来事があったからです。SNSが発達して、写真は誰でも取れて、いろんな人がご自身の感性を写真で表現できるようになりました。

ただし、「写真を撮れるか」と「お金のやり取りに責任を持って取り組める」かどうかには、明確な差があると思うです。そして「技術が伴うか」にも。
それは、高いカメラを持っているから・APS-Cの技術が上がったから・SNSでいくついいねが沢山ついたからとか、そういうことで補えるものではない。
プロの方が持つ意識っていうのは機材一つ、撮影までの準備や気遣い、意識一つとってもやっぱり違うわけで、それを違う畑の人が簡単に「できますよ〜!」とか言っちゃうのって違うんじゃないのかなと思っています。

今回私は趣味としてはそれなりのお金をカメラにぶっこんだけどね、でもそれはあくまで趣味なんです。アマチュアの意識のまま、何十万のカメラを持っててもそれはずーーーーーーっと趣味なんですよ。

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