青よりも赤

僕は青が好きだ。
着るものも青い服が多いし、小物も青色がほとんどだ。
しかし青が好きになったのは大人になり、精神的に落ち着いてきたここ数年のことだ。

子供の頃は赤が好きだった。
どんな色と隣りあってもその存在を激しく主張する、燃えるような赤が好きだった。
今でも赤は好きだが、身に着けるもので赤い色はほとんど無くなってしまった。

かつての赤い僕はいつ、どこで、誰を相手にしても己の我を通し自分自身であり続けていた。
当然人とぶつかる事も多かったし、疎まれる事も多かった。
今の青い僕は反対に、他人との調和を重視し波風が立たない関係に徹しようとしている。
精神的にも安定した人間になったのだが、どこかで空っぽな自分を感じている。
まるで人生から色を抜いたようだ。

僕に必要なのは赤だ。
真っ赤な心で身を染めて、自分を燃え上がらせる赤が必要なんだ。
青に染まり切った自分を切り裂くような大きな赤で塗りたくろう。

青よりも赤に染まった自分を生きるんだ。

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