日本語教師になったきっかけ

きっかけはびっくりするほど些細なことだった。

それはもう10年以上前のこと。私は行きつけの美容院で美容師さんといつものように雑談をしていた。そこはもう何年か通っている美容院で、姉御肌のとても話しやすい美容師さんだったので、毎回人生相談に行っているみたいな感じだった。ちょうどその頃、結婚もして、仕事も派遣社員という微妙な立場だったため、次にどういうステップに進むべきか考えていた時だった。その美容師さんとは以前から海外に関する話をよくしていた。ハワイに行っただの、次はどこに行きたいだの。それでその日もこれからの将来のことを何となく話していて、私が「でも子供が生まれる前にもう一度海外に住んでみたいんですよね〜。」と軽い気持ちで呟いた時だった。

「日本語教師なんていいんじゃない?」

その一言が、多分その美容師さんも何となく言ったその一言が、私の心に突き刺さってしまった。確かに私は昔から友達に勉強を教えたり、親戚のおばちゃんに英語のレッスンをしたり、教えることが大好き。しかも異文化にすごく興味があり、大学でもそっち系を勉強していた。

「日本語教師・・・ナゼ イママデ オモイツカナカッタ・・・・?」

それからは早かった!!早速日本語教師の資格について調べ、ヒューマンアカデミーで日本語教師の養成講座をやっていることを知る。1週間に3回、夜の時間帯のコースがあり、これだと仕事を続けながら、一年で資格が取れる!二日後にはヒューマンアカデミーに学校見学に行っていた。

人生最大のミラクル

何か新しいことを始める時にやっぱり気になるのはその費用。学校見学に行って、スタッフの人に提示された1年間の授業料と教材費は全部で約59万円。2日前に突然思いついて始めるにはちょっと勇気がいる値段。恐る恐る夫に相談した。夫の言葉は、

「本当に通いたいなら通いなさい。
お金のことは心配するな!俺の貯金を使え!」


かっこいい!!本当にこの人と結婚してよかった!!と思った瞬間。そして夫の貯金から59万円を借り、無事に支払いを済ませ、晴れて日本語教師養成講座生となった。

ところが夫との会話から3日後・・・・・・。うちに一通の封筒が届く。
それは保険会社からの通知。

実は遡ること8ヶ月ほど前のこと。年末にベトナム旅行に行った時に、エステに行った際にふくらはぎに火傷を負ってしまった。結構な跡が残っていたので、お医者さんの助言のもと、海外旅行保険の後遺障害の保険金を申請していた。その申請が受理されたというお知らせだった。
封筒を開けると、そこに書かれていた金額は・・・・・

600,000えん!!!!!!!

なんと!3日前に夫から借りてヒューマンに払った金額(に加えてお小遣い1万円)!!!!!!
ということで、夫に借りたお金も3日後には返済することができた(笑)。

今でもそのお金は神様がくれたお金だと思っている。その証拠に日本語教師になってしばらく経った頃には、ふくらはぎの火傷の跡もすっかり消えてしまったから。

こうして私は1年間の養成講座を経て日本語教師への道へと進むことになった。

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