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【読書】「ついやってしまう」体験のつくりかた(玉樹真一郎)

世界で1億台売れた大ヒットゲーム「Wii」。

「Wii」の企画を担当されたのが、玉樹真一郎さんである。

その玉樹真一郎さん著・
『「ついやってしまう」体験のつくりかた』。

モノを作っても売れない時代。

商売をするためには、消費者の心理や本音(インサイト)に注目せよ、と言われる。

本書のテーマもまさに、"人の心" である。

マリオやドラクエ、テトリスなど、ついついやってしまうゲームたち。

これらのゲームに実装されている、
"人の心をつかむ方法" とはいったい何なのか?

その方法をふんだんに紹介してくれる1冊である。

今企画しているビジネスで、サービスデザインを考えている私に、ドンピシャで必要となる考え方を教えてくれた。

なかでも、私が教えられて最もハッとした方法を以下に記録しておく。

"ユーザに寄り添う" の本質

ビジネスの現場でよく耳にする、"ユーザに寄り添え"という言葉。

一見するとすばらしい主張なのだが、一方で、
具体的にどうすればユーザに寄り添っていることになるのか、それはよくわからなかったりする。

本書では、これを以下のように言語化してくれている。

ユーザに寄り添うためには、ユーザがたどる
「わかる」→「良い・正しい」という体験の順番に合わせて優先度を決めなければいけません。
商品やサービスの「良さ・正しさ」を伝えるよりも、まずは商品やサービスとの関わりかたが直感的にわかることを優先すること。
これこそが「ユーザに寄り添う」の本質だと考えます。

「ついやってしまう」体験のつくりかた p.99

例えば、ゲームを例にしてみると、
どんな名作ゲームだとしても、ユーザは実際に体験してみるまでその面白さを感じることはできない。

なのでゲーム会社はゲームの「楽しさ」を伝える前に、ユーザがそのゲームにどう関わればよいのか、まず遊び方が「わかる」ように導くことが必要だ、という。

実際、任天堂の「スプラトゥーン」や「あつまれ どうぶつの森」のCMを見てみると、楽しさを宣伝しているように見えて、実は遊び方をメインに紹介していることに気づく。

遊び方を紹介することで、結果的に楽しそう^^♪という気持ちを引き起こす構成になっているのだ。

これから自分が興すビジネスにおいても、
サービスの良さや魅力をアピールするより先に、
ユーザがそのサービスにどう関わればよいのか、そこを直感的に理解してもらえるような広告を打とうと思う。

まとめ

娯楽企業としての任天堂の使命は、任天堂の商品やサービスを通じて、世の中の人々を笑顔にすることにあります。

Nintendo「社長からのメッセージ」より

とあるように、"人々の楽しみ"に価値を置き活動されている企業・任天堂。

実際、学生時代に「スーパーファミコン」、「ゲームボーイ」「ニンテンドーDS」、「Wii」に楽しい時間を与えてもらった一人として、その楽しさを提供できる秘訣をずっと知りたいと思っていたので、本書は大変興味深かった。

そして、"人の心" に注目が置かれている現代において、ビジネスの現場や日常生活など、あらゆる場面で有益となる本でもある。

これから起業する中で、この本の考え方を要所要所に散りばめ、人の心に響くビジネスを立ち上げたい。

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