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Marketing RPG Vol.1 定量・定性リサーチで知る 美容ユーザーインサイト編

先日、nanocolorの川端氏リサーチャーの菅原氏と共にMarketing RPGというYouTube Liveイベントを開催しました!

当日のイベントの様子をダイジェストでまとめましたので、イベントに参加された方も参加できなかった方で美容系のリサーチに興味がある方も御覧頂けますと幸いです。

MARKETING RPGの由来

菅原氏
「リサーチャー」、「デザイナー」「マーケター」と3人とも職域が違う中で、マーケティング活動という部分で川端さん、徳田さんと繋がりを感じていました。 

様々なフィールド、ミッションがあるなかで、このメンバーと一緒に課題をクリアしていく感じがRPG(ロールプレイングゲーム)の世界観と近いなと思い、イベント名で表現できればと名付けました。

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(マーケティングRPGという名前かっこいいですね)

美容ユーザーのマーケテイングに手ごたえを感じた瞬間とは?

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ユーザーの嗜好性や価値観がハッキリと分かるようになるもの

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菅原氏
あるフィットネスジムの調査プロジェクトで、アンケートを取らせて頂いた際に経験した事なのですが、調査前はフィットネスジム=ダイエットが目的だとざっくり考えてました。

ただ、
「いつ頃の時間帯にジムに来てますか?」
「どんなプログラムに興味がありますか?」
といったような質問の角度を変えて聞いてみたりすると、

「平日の仕事終わりに来てますー」だったり、
「加圧トレーニングに興味があります」
といったような回答を頂けて、具体的な顧客像が見えてきたんですね。

その中で、私たちが調査したジムでは、フィットネス=ダイエット→ボディメイクが本来求めている事だったんですね。

このようにアンケートを通してユーザーの嗜好性や価値観がハッキリと分かるようになるものなんだなと感じたんです。

単にダイエット=メタボ解消という解釈にならずに、自分たちのエリアの店舗のお客様がどういった価値観なのかを知ることができるなと感じました。

また、質問のバリエーションや調査手法を変えてインタビュー、アンケートするのも大切だなという気付きましたね。


クリエイティブを根拠を持って作る

川端氏

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僕たち制作業は、制作物(クリエイティブ)を納品することが最終的なゴールになります。制作物って誰でも「これ、いいよねー」だったり、「微妙だなー」という率直な意見が言えるものだと思います。

ただ、この制作物を用意する中で、事前にこういう人たちがいるからこういうものを作ったんだという根拠があることが大切だと感じています。

その根拠の確からしさを高めるために商品のレビューを見るようにしています。レビューを見ていると、同じものを購入している人の中でも年齢や悩みの深さによって価値を感じるポイントが異なっていたり、星5(★★★★★)を付けている人もいれば、星1(★)の人もいるわけなんですね。

その中でやはり、星5(★★★★★)を付けている人がどういう人で星1(★)付けている人はどんな人なのかという解像度を高めていきます。

星5(★★★★★)の人がこんな方で、こういった方に訴求したいので、こういったクリエイティブになりましたという話ができるとお客様も喜んで下さいますし、プロジェクトチーム全体で合意形成が得られやすいなと感じています。

徳田
なるほど!同じ商品を購入している人の中でも年齢だったり、悩みの深さでその商品に対する評価が変わってくるもんなんですね!

川端氏
そうです。そうです!顧客を分類する時に、徳田さんがよく(勝手に)トクダメソッドと呼んでいる心理図を使っています。

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徳田
あぁ…関西ではカワバタメソッドと言われているあの心理図ですね…汗

(全然関係ないw)

海外のユーザーにインタビューする際の対象者のn数はどのくらいが適切か?

川端氏
海外のユーザーにインタビューする際ってどのくらいの人にインタビューしたりするんですか?

徳田

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統計的にブレが少ないのは400件だと言われています
ただ、やはり僕らも海外向けサイトの構築やプロモーションなど次のステップがあり、時間が限れています。そのため、プロジェクトによりますが、そこまで多くの方にアンケートをしているわけではありません。

その中で、最適解を出す為に悩みの深さと商品コンセプトが一致している方や、現地のショップスタッフの方など普段から顧客と接点を持っている解像度の高い方にアンケートをしたりしています。

また、アンケートだけでは顧客の理解が深まらないことが多いので、回答の意図を確認したり、深堀するためのZoomインタビューは必ずさせて頂き、確からしさを高めるようにしていますね。

(海外の方へのインタビューやサンプリング会の様子はこちらの9分当たりでもご連頂けます)

この前も、HIP PACK(お尻のケアのパック)のプロジェクトでドイツ、アメリカ(ハワイ・カルフォニア)、ベトナム、オーストラリアといった様々な国の方にご協力を頂き、実際に商品を使って頂いたり、競合製品も一緒にお送りして比較して頂いたりした上でインタビューをさせて頂きましたね。

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クライアントのプロジェクトを自分ごと化できるか?

徳田 

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一つあるとしたら、マーケターはお客様のプロダクトに興味を持つことが大切だと思います。クライアントや競合の製品を実際に使ってみるというのは簡単なようで、あまりやらない事だったりするのでお勧めですね。

お客様のプロジェクトを自分ごととして捉えることができると、レビューだったり、リサーチしたことから得られる気づきの量が変わってきますね。


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美容分野のマーケティングを成功させるリサーチ手法

憧れの人は誰ですか?という問いで見えた嗜好性
菅原氏

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質問の方法をキーポイントとしているのですけど、美容分野でオススメしたい質問に、
その分野で憧れの人は誰ですか?
その憧れている理由は?
というものをセットで聞くようにしています。

例えば、
「ネイルの分野で憧れている人は誰ですか?」と質問すると、多くの方がローラさんを挙げたりされていたりしています。意外なところでマツコさんをネイルで憧れの人と挙げる方もいらっしゃったりするんですね。

「マツコさんはスキンカラーでショートネイルで整っている感じの落ち着いた感じで全体の雰囲気にあっています」といった声もあったりするんですね。

こういった質問を通してショートネイル、ワントーン、トンガリ型などメニュー別に分析することで、その分野でも目指すべき方向性が見えてきたり、自分たちのお客様の嗜好性というのが見えてくるんですよね。

詳しくは、連載させて頂いているマナミナさんの記事で質問方法やその狙いについても触れさせて頂いているので気になる方は見て頂ければと思います。

商品に寄り添ってユーザーの嗜好性を確かめる
川端氏

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これは、商品レビューの調査データイメージです。商品ごとに高評価/低評価のレビューを見ていると、治安の良いレビューと良くないレビューがくっきりと分かれる傾向がありました。治安が悪いレビューというのは、獲得を急ぐあまり、期待値を上げ過ぎてしまっているようなものですね

徳田
なるほど。目の前の獲得を急ぐあまり、未来の獲得のを失ってしまっていることがあるんですね。

川端氏
はい。それぞれがどういったLP、どういった訴求軸で訴求しているのかを調査していくと、どういう風に売っていくべきかが見えてきます。

顧客を分類していくと、左側がエイジングケアと右側がアンチエイジング、真ん中にあるのが年齢肌に応じたケアと「若返り」という言葉一つにしても様々なニーズがあることが分かります。

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アンチエイジングと言っていても、その時の心理状況と置かれている課題の緊急性によって分類すると、自社のスペックの商品を気に入ってくれる人って何処にいるの?というところが見えてきます。

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こういったリサーチのプロセスを経ることで、「アンチエイジングとエイジングケアは違うよね」といったような関係者内で共通認識を持ち、合意形成し易くなります。


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(言いたい事を言ってドヤる川端氏)

ダイジェストで触れさせて頂いた内容以外にも川端さん、菅原さんが普段考えているマーケティングリサーチメソッドやそこから得られた示唆について触れられておりました。

たくさんの方にコメント、感想を頂けてありがたかいです!!

もし、ダイジェスト版を読んで気になった方は動画版も御覧ください。

編集協力:世界へボカン 北村

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