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抽象と具体の差を埋めていく歩み寄り 〜サバイバルボカンからの脱却〜

こんにちは!世界へ ボカンの徳田です。
日本企業の海外進出を支援する仕事を14年ほど取り組んでおり、自分の会社を起業して8期目になります。今回は多国籍メンバーが集う会社を起業して得た気づきや、反省について綴りたいと思います。

多国籍のメンバーが集う会社の経営者、マネージャーだけでなく、ついつい抽象度の高い依頼をしてしまいがちな方や上司の指示を上手くキャッチできず、悩まれている方が参考になる内容です。

課題感はまだまだあるものの、こんなことを呟けるくらい組織として良くなってきているので1つでも気づきをご提供できますと幸いです。

抽象度の高い依頼をしてしまいがちな上司

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これは私の経験則による話なのですが、マネージメント層になればなるほど、見る範囲が広くなったり、視座が高まることからついつい抽象的な仕事の依頼をしがちです(反省)。

抽象度の高い上司と具体的な指示が貰いたい部下がいたとして、この2人のミスコミュニケーションが様々な問題を生じさせます。

自社でもコンサルティングをさせて頂いている企業でも多く見受けられるケースなのですが、上司が抽象度の高い依頼をした時に、部下はなんとか分かる範囲で取り組んでアウトプットをします。

部下としては自分の経験や知識を総動員し、時には調べたり、人に聞いたりしてなんとかアウトプットを用意します。しかし、上司の期待を超えるアウトプットではなく、フィードバックがされます。

すると、
部下としては、
「なんで一生懸命調べたのに、ダメだしされなくてはならないんだ!」
「部長の指示がふわっとしているから頑張って取り組んだのにあんまりだ
」と思うわけです。

上司としては、
「なんでこういうアウトプットになるかな~」
「足りないピースがあったとしても今ある情報でだいたいイメージできるでしょ」

と思うわけです。

このミスコミュニケーションが弊社…私の中でもずーと発生していて、これが発生している理由が自分にあることに気付くのに5年以上かかりました。このミスコミュニケーションが原因で退職された方も多いでしょう。(深く反省しています)

マネージャーが優秀だと思う部下とは?

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多くのマネージャーが優秀だと思う部下は上の図のように抽象的な依頼をキャッチして、具体的なアクションに落とし込み、取り組んでくれる方です。この記事を読まれているあなたも「まあ、そうだよね」と思われていることでしょう。

これ自体は間違いないんですが、残念なことに上の図のように抽象的な依頼をしっかりキャッチして具体的なアクションプランを考えられる若手というのはかなりレアな存在なんですね。安定してできるのは、それなりに経験が豊富な方であることが多いので、メンバーの能力に依存し過ぎない組織作りが重要だと考えています。

優秀な(優秀だと思われるタイプ)の部下がいると、マネージャーが優秀でなくても成果が出てしまうので、マネージャーや企業としてのマネージメント面での伸びしろを削いでしまうことになります。

つまり、優秀な部下でないと生き残れない企業(サバイバルボカン)になり、企業として成長が鈍化してしまうのです。

それではこういった事象を防ぐためにはどうすれば良いでしょうか?

私たちが実践している方法は2つです。

優秀な(優秀だと思われるタイプ)の人しか生き残れない会社からの脱却方法


1.抽象的な依頼を咀嚼し、具体化できる中間マネージメント層を入れる

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抽象度の高い私の依頼を幹部たちが咀嚼し、若手メンバーに仕事を依頼する体制がここ数年で整いました。部門制になり、ボ幹部という謎の名称の部長クラスの面々が頑張ってくれているおかげで、上述のミスコミュニケーションはだいぶ軽減されました。

まだまだあるけど…(;´Д`)

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若手メンバーと上長の間での理解度の違いの縦軸の問題もあるのですが、うちの場合は、クライアントと接点を持つ日本人メンバーとコピーライティングや制作、コンテンツマーケティングに取り組む外国人メンバーとの間でも顧客理解度の差からミスコミュニケーションが発生する危険性があります。

そこで、そういった課題を解決するために2つ目の取り組みをしています。

2.マニュアルやテンプレートを設計し、依頼の抽象度を下げる

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◾️サバイバルボカンからの脱却作戦

抽象と具体を行き来できる人しか生き残れないサバイバルボカンからの脱却をすべく、マニュアルやテンプレート作りを徹底しています。

何か分からないことや新しい取り組みがあればテンプレート、マニュアル、マインドマップを活用した考える順番マップ、動画などを作成し、できるだけゼロイチで考えて迷子になる機会を減らせるようにしています。

私はYouTubeがちょっとだけ得意なので動画で考え方をお客様だけでなく、社内のメンバーと共有する意味合いも込めて撮影するようにしています。

◾️クライアントとの接点があるか否かでも理解度は異なる
またクライアント接点のあるメンバーとそうでないメンバーで顧客理解度及びアウトプットの精度が異なることもあります。

そのため、できるだけ外国人メンバーでもクライアントと直接コミュニケーションできるよう打ち合わせに参加して貰ったり、クライアントの顧客、つまりエンドユーザーへのインタビューを外国人メンバーに担ってもらうことでアウトプットの精度にズレがないよう心がけています。

私は抽象度の高い依頼をし、ミスコミュニケーションが発生するのは企業としての怠慢だと捉えています。企業としては発生するプロジェクトごとに具体的なアクションへ落とし込み、再現性を高めていく努力が必要です。

部下が依頼した通り動いてくれていなかったり、問題が発生するのは部下のせいでなく、あなた(私)の依頼の抽象度が高いわけです(反省しています)。

先ほど、優秀な人は抽象と具体を行き来できる…とお伝えしましたが、実は求められる優秀さというのは企業のフェーズによって異なり、抽象と具体を行き来できなくても与えられたミッションを着実に実行する方を優秀な人だと捉えられるフェーズもあるわけです。

仕事を依頼される側のチャレンジの幅でもある

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全てを企業側がフォローできれば良いですが、依頼される側も実はこの抽象と具体の行き来ができるようになることがチャレンジ(成長)の幅と捉えて頂けると双方が歩み寄り、良い会社になっていくのではないかと思います。

時折、「〇〇が無いから行動ができない!」と言い出す人はいますが、ベンチャー、中小企業ですべてのピースが揃っている状態であることって、なかなか無いもんなんですよね。

むしろマニュアル、テンプレートがギチギチで遊びの幅が狭いと自分じゃなくても一定水準の成果がでるようになってしまいます。今いる環境でどのように取り組めるか考えてみてください。

今日が人生でいちばん若い日です

マネージメント側、プレイヤー側、双方の面での歩み寄り方について触れさせて頂きましたが、一つ言えるのは相手に期待してガッカリするよりも、自分がコントロールできる範囲で取り組んだ方が物事が前進するということです。

何か部下が問題を発生させた時は、「アイツなにやってんだよ」ではなく、「企業として上司としてどういった取り組みが足りなかったのかな?」と考えることで自身で解決可能な課題になります。

YouTuberの両学長が「今日が人生でいちばん若い日です」なんて言っていますが、変われるチャンスはいくらでもあります。私自身まだまだ失敗続きですので、偉そうな事言えませんが、問題を人のせいではなく、課題として自分ごと化したことでだいぶ気持ちが楽になりました。

ここに書いてある内容が一つでも気づきを得て頂けましたら嬉しいです。

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