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妹がアラサーだなんて信じられない

高校生だったはずの妹が、26歳になった。

妹とは3歳離れている。早生まれの私は、現在28歳。来年2月に29歳になる。妹が26歳になるのは、論理的に考えれば当然だ。

でもやっぱり、信じられない。妹が20代後半、それも26歳だなんて・・・。私だって、つい最近まで26歳だったのに。妹は、社会人になって髪と爪がカラフルになっただけで、高校生の頃から見た目がほとんど変わっていない。わたしのなかでは、いまだに妹は高校生の姿だ。いや、もっと小さい頃の姿だってハッキリ浮かんでくる。

妹は幼稚園生まで、とんでもなく内気だった。人の目に晒される場所に立つと、置物のように動かなくなる性質があった。幼稚園のお遊戯会では、舞台に立つだけでセリフは一言も話せない。運動会やスイミング教室の準備体操すら、恥ずかしがって動かない。「恥ずかしいから」と動かずに棒立ちする妹は、結果として誰よりも目立っていた。たしか、小学校に入学するまでこんな状態が続いた。3歳上のわたしは、当時小学生。幼いながら、妹の将来がとても心配だった。

変化があったのは、妹が中学生になった頃だった。陸上部に入った妹は、人前でも明るく振る舞えるようになった。部活の友達とおしゃべりし、ウザい顧問のモノマネをするようになった。どれだけ真面目に練習していたか知らないけれど、準備運動は出来るようになったはずだ。引退まで約三年間、やりとげていた。

高校生になった妹は、もっと大きな変貌を遂げた。なんと接客のアルバイトを始めたのだ。準備運動すらできなかったのに、接客だなんて・・・と、家族は全員不安だった。ところが妹は知らぬ間に成長していたらしい。1度、バイト先の飲食店に遊びに行くと、すばやく無駄のない手つきで注文の品を紙袋に入れて渡してくれた。新人スタッフの教育なんかも任されていたらしい。本社から「手際はいいが笑顔が足りない」と言われたそうだが、かつて人前で棒立ちだった頃と比べれば十分だろう。結局、大学卒業まで続けていた。

そして今日、妹は26歳になった。信じられないけど、妹も大人になっている。自分のことは棚に上げ、「そんな26歳でいいのか?」と問いたくなることも多々あるけど。同じアラサー同士、がんばっていこう。


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