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純愛再婚のススメ③

7年越しの恋のはじまり

ある日、友達ちぃちゃんが、
幼なじみがやってるアマチュア楽団に
連れて行ってくれた。
  
完全に一目惚れだった。
白のパーカーをさらっと着こなす
小動物のような雰囲気の彼に。
  
「あの人は、誰?」
秒で質問してしまっていた。
 
「あの人が中心になってやってる楽団やで」
へぇ〜!!リーダータイプ♡
  
小柄でリーダータイプに弱い私。
想いはダダ漏れだったと思う。
  
当時、私はワンルームに一人暮らし。
天井の電球が切れて、真っ暗の中。
ポケベルが鳴った。
その人からの何気ないメッセージ。
すぐに「家の電気が消えて真っ暗」
と打ち返す。
電話が鳴った。
そして、その人はバイクに乗ってやってきて
うちの電球を換えてくれた。
  
電球を換えてくれる人もいないなんて
きっと彼氏なんていないだろうと
その人は、思ったらしい。
 
私に彼氏がいることを知って
「もう連絡をするのやめるね」 
と言った。
でも、そのすぐ後に、
「せっかく知り合ったから、友達でいたい」
というような電話があった。
なんて優しい人なんだろうって
ますます想いはつのった。
 
  
彼氏がいたのに、小動物な男子に惹かれ、
そんな想いは、はっきりと言葉にできず。
暫くして、彼氏にフラレた時、
ようやく告げることができた。
 
「私、フラレちゃった」
  
「そうなんや」
 
その時は、それだけだった。
そんなに世の中甘くないよなとも思った。
それに、フラレると
とてつもない寂しさに襲われた。 
元彼に、よりを戻したいと
手紙を出したけど、梨の礫だった。
 
そんな時、
アマチュア楽団の人たちの
バーベキュー大会に誘われた。
軽くお酒も飲んで、
森の中でみんな楽しく交流していた。
  
ほんのり酔っ払った私は、
小さな小径をとことこ散歩していた。
すると、目の前に彼が現れた。
小柄でリーダータイプの彼が。
  
「こいねちゃんの彼氏になってもええかな」
 
森の中で、寂しさが消えた瞬間だった。

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