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WealthParkのロゴができるまでの話

はじめに

こんにちは、WealthParkでVPoD(VP of Design)をしている吉本です。

2021年の終わりにかけて、組織の存在意義に関して改めて仲間と話をする機会があり、その中で「ミッション」「ビジョン」と自分との繋がりを考える時間がありました。それを考える中で、自分がWealthParkの創業時に作ったロゴに関して、まだ言語化せずいたことを思い出し、どのような想いをデザインで表現しようとしたのかここに書き留めたいと思います。
※ ここでは分かりやすさを重視するため、あえてロゴと呼ばせてもらいますが、正確に伝えると今回の話ではCI(Corporate Identity)におけるシンボルマークのデザインに関してのお話となります。


自己紹介

まず簡単に自己紹介をさせていただくと、"オルタナティブ資産への投資機会をすべての人へ届ける"ことをミッションとして掲げているスタートアップでデザイン組織のマネジメントをしています。現在は投資不動産にフォーカスし、投資物件の情報や収支管理が一元管理できるサービスを日本、海外の投資家に提供しています。また、不動産管理会社には不動産管理のDXを支援しており、業務支援のアプリケーションを提供しています。

私は2013年ころからこのチャレンジに関わることになり、その後WealthParkの創業から今に至るまでのフェーズを共に歩んできました。

創業時の話はこちらに記載されています。
https://wealth-park.com/ja/wealthpark-blog/interview-with-cxo_001/

デザイン組織と私に関する記事はこちらです。
https://www.wantedly.com/companies/wealth-park/post_articles/353420


ビジョンとミッション

WealthParkのビジョンとミッションに関して少し触れておきたいと思います。

私たちのビジョンは、

"選択の自由が当たり前の世界を創る"

そしてミッションが、

"オルタナティブ資産への投資機会をすべての人へ届ける"

私の理解では、ビジョンとは組織が目指す理想の状態を示しており、一方、ミッションは社会に対して自分たちがどう働きかけたいのかを示していると解釈しています。
※ 2021年時点のビジョンとミッションです。これらは時代の変化と共に変わると考えています。

私たちのミッションはわかりやすいと思います。現在フォーカスしている不動産投資をはじめ、オルタナティブ資産のインフラを整理、デジタル化を行い、アクセス・管理しやすい環境を作るため行動を起こしています。
※ 「オルタナティブ資産」の意味に関してはWikipediaを参照してみてください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E6%8A%95%E8%B3%87

一方、ビジョンでは投資という枠に留まらず、私たちの人生の中で出会うすべての事象に対して、それらの”機会”が平等であるような世の中にしたい、選択する自由が当然としてあるような世の中にしたい、という未来像を描いています。おそらくこのビジョンは読み手によってそれぞれ異なるストーリーが結びつくと思い、その数の分だけ解釈が生まれると思っています。
選択の自由があるということは、複数の選択肢から選択や実行ができる状態を意味しており、その判断を自身で決定できることだと解釈しています。
そして、その判断が自分たちの人生の物語を決める分岐点となります。
WealthParkとしてはそのような自律的行動を尊重するような社会を目指したいと考えているのだと個人としては考えています。

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WealthPark Company Profile 2021

WealthParkの創業と名称

私たちの事業は、外国人の個人投資家に向けのサービスから始まっており、その当時、2014年あたり、頻繁に香港や台湾の不動産会社に営業に行っていました。その際の資料を見返してみましたが、そこには不動産を中心にインフラを整え、サービスはそれを起点に他の商品や投資へ展開する内容が描かれていました。ミッションのベースや構想は当時からありました。
それらを基に、WealthPark/ウェルスパークという名称は、当時の創業メンバーでアイデアを募って決定しました(WealthParkとう名称はCEOの川田さんのアイデアです)。

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※ 2014年の資料の抜粋。この頃は、旅行やマッチングなどを提供するかもという構想があったようです。民間の宇宙旅行など、今となると本当に実現しそうですね。

ロゴに込められた想い

当時私は全くと言っていいほど不動産をはじめ、投資に関しての経験や知識がありませんでした。特にお金という言葉や、お金が関わること(投資や金融)に対して、個人的、また、デザイナーという立場からも少し苦手意識があったことを覚えています。
一方、お金が生活からは切り離せないものであることも当然のごとく理解していました。だからこそ投資やお金を対象としたデザインをチャレンジしたいと思いました。

当時はまだビジョンやミッションが言語化されてはなく、経験を通じて機会の平等というものを感覚的に感じていました。それは言語を跨ぐ環境下における社会問題であったり、また、創業時は判断を個人が行える環境でもありました。個人的にも"機会の平等"という概念を大事にしており、そこが自分とWealthParkがつながっているひとつの点だと思います。

ロゴを作るにあたりそれぞれの意味を以下のように解釈しました。

Wealth:
人の豊かさを作るもの
交換が可能なもの

Park:
人びとが集まる場所
すべての人が利用できる場所

これをどうデザインしたのか。


デザインの思考過程

まずは完成したロゴのデザインをご覧ください。

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ロゴ(シンボルマーク)は創業者、組織の思想を記号化したもので、実現したい世界観を表現しています。ロゴの意味を理解することは、思想の共感に繋がり、一体感を作る共通のシンボルとなります。また日常で見ることで、目的を思い出させてくれるでしょう。
個人的にはロゴにストーリーを組み込むことを好んでいます。ストーリーは共感呼びやすく、記憶に残りやすくなると思います。


(1)Wealth
ロゴの上部にある"W"は見ての通り、Wealthの頭文字から成り立っています。
Wealthの解釈として「人の豊かさを作るもの」「交換が可能なもの」と定義しました。
そこですぐに連想したオブジェクトが「お金 = Money」でした。
WealthParkのロゴを縦方向に反転してみます。

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ひとつのデザイン的なギミックにはなりますが、この"W"は"Money"の頭文字"M"をベースに作られています("W"という文字は本来は末広がりに広がっています。"M"は直線的なラインです)。お金(Money)という物理的なオブジェクトと、心理・感覚的な豊かさ(Wealth)と結びつけ、これらが表裏一体であることを表現しています。


(2)Park
Parkの解釈は「人びとが集まる場所」「すべての人が利用できる場所」と定義しました。つまり、すべての人がWealthParkに集まることができ、情報や価値を交換できる、と解釈できます。
"W"の下にある一本の線、これが"Park"を表現しています。ここはすべての人が利用できる場所です。一本の線は機会の平等を示しているようにも解釈できます。

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Photo by Parker Gibbons on Unsplash


(3)創業者の想い

創業者の想いもロゴに取り入れました。
私たちはモバイルファーストでサービス・プロダクトを作ると決めました。しかし、私たちがスマートフォンを開くと、そこにあるアプリはすべて海外製品のアプリケーションばかりでした。WealthParkはアジアを代表するサービス・プロダクトにしたい、そして日本から世界に発信していきたい。そのような想いを語っていました。

デザインを設計する際に「黄金比 / Golden Ratio(1 : 1.618)」という比率を用いてデザインを構成することがあります。
古来より人間が最も美しいと感じる比率とされており、世界の歴史的な建造物や美術品をはじめ、Apple, Googleもこの黄金比で構成されています。西洋では黄金比を重視されている傾向があるようです。

一方、あまり名は知られていませんが「白銀比 / Silver Ratio(1:1.414)」という比率も存在します。
別名「大和比」と呼ばれており、平安京の設計や、法隆寺の金堂や五重塔など日本の歴史的建造物にこの比率が利用されていたようです。身近でいうとコピー用紙もこの白銀比が使われています。「日本人が美しいと感じる比率」として古くから用いられているようです(ちなみに日本を代表するキャラクター、ドラえもん、ハローキティ、となりのトトロなども白銀比でデザインされています)。

WealthParkはこの白銀比を採用しました。
日本発信のアジアを代表するサービス・プロダクトになってみせる、そんな想いをロゴにのせています。

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A : B = B : C = C : D = E : F = 1 : 1.414

さいごに

なぜ今言語化したのか。

一番の理由としては2021年を振り返るとテクノロジーの急速な進化によって、資産やお金というものの概念が大きく変化し始めたと感じたからだと思います。そして、これらの変化は私たちの組織にも変化をもたらすと思います。
豊かさやお金という概念を踏襲し、表現したロゴ。一度原点に立ち戻り、言語化することで新しい考えに向かえるのではないのか、そんなことを思い文章として起こしてみました。

少しでも感じるものを共有できたら幸いです。何かありましたら、是非ご連絡ください!


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