たくさんの歌詠む人に見守られ今日中学を卒業します
たくさんの歌詠む人に見守られ今日中学を卒業します
ゆっくんがあらわれた
少しだけ桜の蕾紅くなり春の別れが今日訪れた
あんなにもブカブカだった学ランもあれいつの間にいいサイズ感
家を出る時間がまだかカバン持ち時計見ながらソワソワしてる
きっとこれてるてる坊主逆さまにして吊っただろクラスの誰か
3年間いつも通った通学路最後は傘を差して眺める
校門の卒業証書授与式の文字が空気をピリリと変える
緊張し胸の名札の赤色を握りしめてる教室の前
おはようと挨拶するがこれももう今日で終わりと思い切ない
友人がいつものようにしょうもない話しするのをニコニコと聞く
今日なんか早めに目が覚めたと話す友の時間は僕より遅い
なんとなく照れくさいんだ胸に花付けたことって初めてだから
教室の窓の向こうの踏切ももう見納めと思い眺める
式場に移動する時見る景色いつもの廊下いつものトイレ
雨の日の部活筋トレ思い出す体育館で卒業をする
入場のBGMのレミオロメンピアノ静かな音色奏でる
コロナ禍じゃ歌うことすらなかったが声高らかに校歌斉唱
体育のいつもジャージの先生のスーツ姿に違和感がある
校長の長い話も今日だけはちゃんと心に刻み込みます
1組の1番の友緊張し顔も手足も固まっている
以下同文以下同文と校長が何回も言う繰り返し言う
1組が終わり2組の番が来た順に名を呼ぶ担任の声
名を呼ばれ元気な声で返事するいつもの声より少し上ずる
壇上で受け取る証書校長の前に立つのは最初で最後
振り返り会場中が僕のこと見てたと思い誇らしくなる
卒業の答辞を述べる生徒会会長だった3組の女子
雨の音がバタバタと鳴る体育館終わる頃には止んでほしいな
体育館声響かせて贈り歌感謝を込めて男声パート
歌ってる途中に目から汗が出る泣いちゃ駄目だと決めていたのに
歌の時めっちゃ泣いてるやつがいてその涙見て涙こぼれた
反抗期だったのだろう親のこと嫌いになった時もあったな
第◯回◯◯中学校卒業証書授与式静かに終わる
退場の拍手が響く体育館出た瞬間にほっとしている
卒業式終わり大きく深呼吸廊下は春の冷たい空気
仲良しの弟みたいな後輩が今日はなぜだか敬語で話す
おめでとうございますって言われるが合格通知来てから言ってよ
式の後三年二組の教室のいつもの席のいつもの景色
先生の最後の授業始まったもうこの声も聞き納めだな
先生に準備していた花束を渡した女子が号泣してる
別々の高校受けた友人と春休み会う約束をする
同窓会いつかしようと約束をした楽しみが増えて良かった
サプライズ声を合わせて教室でみんなともだち替え歌歌う
学校の最後のチャイム鳴った時未来に向けて一マス進め
コロナとかソーシャルディスタンスとかあったけども楽しいこともあったな
返さなきゃいけないタブレットだけれど傷と一緒に思い出もある
卒アルに寄せ書きを書く何書けばいいか迷って無難に済ます
卒アルの写真少ないコロナ禍のキッズ時代の貴重な写真
これからもクラスLINEは残そうと言うからちゃんと残しておくよ
とりあえず受験の結果出るまでは落ち着かないの本音なんです
誕生日まだ先だから僕はまだ十五の春と言っちゃいけない
公立の結果が来たらもう一度この中学の門くぐります
中学の思い出全部詰め襟の第2ボタンにアーカイブする
明日からは着ない学ラン片付ける令和六年三月◯日
今はまだ蕾のままの桜だがきっともうすぐ満開になる
たくさんの永遠の仲間に囲まれて今日中学を卒業しました
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