ゆっくりススム

大学院生です. 数学,特に微分幾何に興味があります.

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最近の記事

滑らかな曲線

生きていると,何とかして線分同士を滑らかな曲線で結びたいという思いになることがよくあります.(なくてもここではあることにしてください.) 線分で結ぶと,端点が滑らかにならないので,放物線のように2次くらいの次数は必要ではないかと思うのですが,必ず放物線で結べるのでしょうか. ここでは,3次の多項式では結べることを示していきます. 3次関数の決定$${y=0\ (x<0)}$$と$${y=\alpha(x-w)+h\ (x>w, w>0)}$$とを滑らかに結ぶことを考える

    • sin(Pi/15), cos(Pi/15)の値

      高校数学の話題です.誘導に従って導くことにしましょう. 問題$${\theta=\pi/5, \alpha=\theta/2}$$とする.次の問に答えよ. (1)$${\sin{2\theta}=\sin{3\theta}}$$を示せ. (2)$${\cos{\theta}}$$の値を求めよ. (3)$${\cos{\alpha}, \sin{\alpha}}$$の値を求めよ. (4)$${\alpha+\pi/15}$$を求めよ. (5)$${\cos{(\pi/15)

      • 分数に関する整数問題

        1問目次の問題を解いてみたい. 一瞬,なんじゃこりゃと思うだろうが,簡単に示すことができる. その前にまずは,実験してみよう. $$ \frac{1}{15}=\frac{1}{n}-\frac{1}{m} $$ を満たす$${n, m}$$があるかといえば,例えば,$${n=6, m=10}$$がある. 今の例は完全に勘で見つけたのであるが,存在性を示す問題なので,極端な場合でも十分だ. 1問目の解答 そこで,隣接する整数を考えてみよう. $${k}$$を2以

        • 実数の間にある有理数

          今日は実数の間にある有理数の存在の証明について紹介しよう. といってもそんなに仰々しい話ではないが….例えば,$${1}$$と$${2}$$の間にある有理数は,$${\frac{3}{2}}$$とすぐにわかるが,$${\sqrt{2}}$$と$${\sqrt{3}}$$の間にある有理数は何かと聞かれて,即答しづらい. 証明の準備次の2つの事実は認めることにする.$${\mathbb{N}}$$を自然数全体の集合とする. 1つ目は,Archimedesの原理と呼ばれるもの

        滑らかな曲線

          二項定理

          今日は,簡単な二項係数について取り上げる. 導入$${n!=n\cdot(n-1)\cdot\cdots\cdot 2 \cdot 1}$$と定め,$${0!=1}$$と定める.このとき,自然数$${n}$$,$${0}$$以上の整数$${k}$$に対し, $$ \begin{pmatrix}n \\k\end{pmatrix}:=\frac{n!}{k!(n-k!)} $$ と定め,これを二項係数という.これだけだと,自然数を自然数で割った数というだけで,名前の由来が

          多項式の結合律

          $${f(x)=a_{0}+a_{1}x+a_{2}x^{2}+\cdots+a_{m}x^{m}, \ g(x)=b_{0}+b_{1}x+b_{2}x^{2}+\cdots+b_{n}x^{n}}$$を実数係数の多項式とするとき, $$ (fg)(x)=a_{0}b_{0}+(a_{0}b_{1}+a_{1}b_{0})x+(a_{0}b_{2}+a_{1}b_{1}+a_{2}b_{0})x^{2}+\cdots+ $$ と定めると,多項式の積が定まる.このとき,こ

          多項式の結合律

          エルミート行列の固有値など

          $${A}$$はエルミート行列とする.すなわち,$${A}$$は$${A^{*}=A}$$を満たすとする. 固有値は実数このとき,$${A}$$の固有値は実数であることを示そう. $${\lambda}$$を$${A}$$の固有値とし,$${\bm{x}}$$を$${\lambda}$$に対する固有ベクトルとする.$${A\bm{x}=\lambda\bm{x}}$$を満たすから,次の式変形をする.$${\bm{a}, \bm{b}\in \mathbb{C}^{n}}$

          エルミート行列の固有値など

          線型独立と線型従属

          前回に引き続き,線型代数の話題を取り上げる. 線型独立の定義は簡単に書かれることが多いが,正確にはどういうものになるかを記述しておこう.ここでは,実ベクトル空間$${V}$$を考える. まず,線型従属から思い出そう.$${v_{1}, v_{2}, \ldots, v_{k}}$$が線型従属であるとは,次を満たすことである. $$ \exists c_{1}, \ldots, c_{k}\in \R \,\text{s.t.}\,[c_{1}v_{1}+\cdots+c

          線型独立と線型従属

          ベクトル空間の定義

          大学数学を学ぶ上で避けて通れないのは,線型代数のなかでもベクトル空間であろう.「その定義は何か?」と聞かれて,皆さんはどう答えるだろう.たとえば, 「和とスカラー倍とが定義されていて,いくつかの条件を満たすもの…」 と答える人もいるだろう.一方,代数を少し勉強すると,次のように答えることができることが分かる. これだけの説明で,初学者にベクトル空間を教えられたとは全く思わないが,実はこの説明は正しい.そこで,どのようにこの説明がなされるのかを解説することにしたい. 代

          ベクトル空間の定義

          テスト(初投稿)

          はじめて投稿します. 自分の気になったことを上げようと思います. 私自身は,数学,特に微分幾何に興味があります. 間違いや誤字脱字衍字には気を付けますが,大目に見てくださるようお願いするとともに,各自で注意してください.

          テスト(初投稿)