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「サボる力」の重要性【予備試験・司法試験】

「真面目なのに勉強の成果が出ない」
あなたの周りにもこういう人はいないだろうか?

僕は司法修習中に何人もの司法試験連続不合格者を見てきたが、彼らは別に勉強をサボって落ちていたわけではない気がする。むしろ、真面目過ぎるがゆえに、目の前の勉強を必死にこなした結果、非効率な勉強をしてしまい、合格から遠ざかってしまう・・・このようなパターンが多かった。

たしかに、中学・高校までは、定期試験で優秀な成績を取れば評価されるシステムだった。だからこそ、ほとんどの生徒は目の前の定期試験に必死に取り組み、その結果に一喜一憂し、そのまま大学受験に向かっていった。

だから、「与えられた課題に全力で取り組む」というクセが身に染みついていても不思議ではない。しかし、予備試験や司法試験といった難関資格に挑戦しようとした場合、そのようなクセは障害になる可能性が高い。

予備試験・司法試験では、試験範囲があまりにも膨大なため、全てのことに真面目に取り組んでいたらいつまでたっても合格できなくなる。「基本書をちゃんと読む」「基礎講義を真面目に全部聞く」「大学の授業の予習復習を行う」「大学の定期試験でいい成績を取る」「模試の対策を行う」「答練をきちんとこなす」「答案を書く」・・・

真面目過ぎる人は、全ての「やるべきこと」の中から、本当に重要なことが何かを取捨選択することが苦手な傾向にある。例えば、予備試験に合格したいなら、大学の授業は役に立たないはずなのに、熱心に取り組んでしまう。今までのクセから、「サボる」ことができないのである。そのような人は、多くの時間をロスしてしまうため、予備試験や司法試験においては圧倒的に不利になってしまう。

「サボる」ことは勉強を怠ることではない。すべての勉強の中から、無駄な部分をそぎ落として、真に必要な勉強に集中することを意味する。

司法試験の合格する人の大半は、「真面目な人」たちである。「サボる力」を備えていた人はごく少数であったと思う。だからこそ、司法修習生は皆、目の前の起案対策に必死で取り組み、一喜一憂していた。いわゆる定期試験のクセが染みついている人がほとんどであり、おそらくそういう人たちは学部やロースクールでも真面目に授業に取り組んでいたに違いない。

逆に言うと、あなたが「サボる力」を身に付ければ、大きな差別化ができる。ロー生が授業の予習復習に明け暮れている間にあなたがひたすら司法試験の過去問を解いていれば、周りのロー生を大きく突き放すことができる。

学部生であれば、大学の講義の最中に予備校の教材を解いていれば、他の学部生を大きくリードすることができる。相対評価の試験において、周りが勉強できないときに勉強する、というのは大きな武器になる。

ちなみに、僕は大学に行くこと自体をサボっていた。予備試験の難易度からすれば、大学に通いながら短期で合格できるはずがないと思ったからである。

当然だが、もしあなたが勉強の才能に恵まれている人物であれば、サボる必要は全くない。すべてのことに真面目に取り組んでも、予備試験に簡単に合格できてしまうだろう。しかし、僕を含め、多くの人はそこまでの才能がないので、サボらないと予備試験には合格できないのだ。


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