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『ZEROISM』10

「動物愛護と人命」

【ここまでのあらすじ】警視庁外事警察官の外川数史は、中学生の頃に両親を飛行機事故で亡くして以来、家族の温もりが欲しくて、夫婦が営むカフェ『菜の花』で休日を過ごしていた。その夫婦の娘、純菜が読書家の外川に惚れてしまう。当時純菜は中学一年生で、外川は相手にしない。しかし、外川に夫婦の危機と純菜にかけられた発達障害の疑惑を解決してもらい、棚橋夫妻は外川を気に入って、娘を応援することにした。その頃、極左の指名手配犯の逮捕に失敗していた警視庁公安1課が、『菜の花』で休んでいる外川に極秘捜査の依頼をしてきた。上層部が絡んだ悪質な使い捨て人事で、部署が違う外川は拒否したが、頼みに来た同期の杉浦竜則が新婚で、死なせたくないと思い、極秘潜入作戦に参戦した。しかし、外川は杉浦と一般人をかばって重体に。責任を取って杉浦は辞職し、行方不明になってしまった。新妻だった杉浦南美と、純菜は憔悴するが、二年後に外川と杉浦が復活。まるで双子のように呼吸がぴったりの二人が、宿敵『ZEROISM』と戦い始める北海道での愛と怒り。

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普段は自己啓発をやっていますが、小説、写真が死ぬほど好きです。サポートしていただいたら、どんどん撮影でき、書けます。また、イラストなどの絵も好きなので、表紙に使うクリエイターの方も積極的にサポートしていきます。よろしくお願いします。