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『ZEROISM』8

第二部

「純菜の動物園」

【主な登場人物】
外川数史38歳。警視庁公安外事4課の警部補。表参道爆発事件後、警部補に昇格したが、体調不良のため退職。現在、新妻の純菜がいるカフェ『菜の花』の店員として棚橋家と暮らしている。
外川純菜18歳(旧姓 棚橋)。天才性を発達障害と言われ、一人で寂しい時に自殺しようとしたのを外川が助ける。以前から外川と同じ本を読んでいて、密かに結婚を狙っていた少女。夢が叶う。
杉浦竜則37歳。警視庁公安1課の巡査。表参道爆発事件で辞職。行方不明になるが、外川が見つけ、今は妻、南美と一緒に暮らしている。外川の親友。
杉浦南美31歳。杉浦竜則の妻で、同じく公安1課に所属していたが、夫が行方不明になった時に鬱になり退職。今は治っている。純菜の恋愛教育係で『菜の花』で土日だけバイトをしている。ZEROISMに対する憎悪が根強く残る。
森長栄治50歳。外川の先輩。外事4課の警部。警視庁が人事の失敗で招いた表参道事件を逆手に昇進。辞職した外川らを全面バックアップすることを警視総監と約束している。狙いは、『ZEROISM』への復讐。
棚橋拓郎・弥生夫妻。カフェ『菜の花』を経営する夫婦。外川と歳はそれほど離れていないが親のような存在で、外川と純菜が結婚して義理の親となる。

【外川→退職】森長ら上司が受理。
【杉浦→辞職】辞めると言っただけ。
【南美→退職】鬱により受理されてる。

『神様、なぜ人は愛や優しさよりも、お金にばかり目を向け、企み、騙し、嫉妬し、愛し合う人の幸せまでも奪う事ばかりに熱中しているのですか。その末に成功を得たほとんどの人間が悪なのに、なぜ赦されるのですか。
わたしの夫と夫の親友を死なせかけたあの連中も、企む事しか頭になく、愛とは無縁のお金を手にしている。そして笑って生きています。それはなぜですか。わたしは奴らのせいで二年間、絶望して暮らしていたのに。
神様、あなたは…
いつになったら、人を正してくれるのですか。あなたがやらないなら、わたしがやります。
そう、神様のような男性が夫に教えたそうです。
「復讐はつまらない人生になる」と。
けれど、わたしは……

……奴らを赦さない』

杉浦南美

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