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2月忘備録。そして「WILL」

今年の2月はうるう年なのに
風のように去っていきましたが…
今年は2月に確定申告を提出して
ようやく落ち着いて2024年を堪能できそう。

最後になんと驚きのニュースもきましたね!(大谷翔平結婚)

昨年なら衝撃だったと思いますが
今月私は衝撃の映画に出会ったので
わりに普通に受け止めています。

さて、2月。
noteでは本来の私を書くつもりなので
正直に言うと
かなりトーンダウンしてました。
仕事がヒマというのもありますが
それも例年なら大変だ!と焦るのが
そんな気力もなく、
気を抜くとぼーっとしてたり
寝てしまったりと
かなり意識低下した日々だったかも。
ただ、確定申告を早く済ませたい!
という気持ちは強かったので
1週間くらい入力して、なんとか
終わらせることが出来てよかった~。
あと、全体的に久々に会う方が
多かったですね。
色々見直し期間というのもありましたが
あれ?
この方
こんなに興味深い方だったのか~
とか
みっしり話が出来たりと
思いがけない気づきも多かったな。
これが
来月から
少しずつ
動きになったらいいな。


今年の目標の週1映画館は
こんな感じ。

2月映画館
★ストップメイキングセンス
★ガールフレンド
★りりィ 私は泣いています
★WILL ×2
配信映画・ドラマ
✰ニーナシモン魂の歌
✰ルイス警部
✰作りたい女と食べたい女
✰不適切にもほどがある
✰家族だから愛したんじゃなくて愛したのが家族だった

今月は何といっても
「WILL」に持っていかれました。
いや「ストップメイキングセンス」も素晴らしかったし
「ガールフレンド」もすごくよかったのですが
とにかく
「WILL」の印象がすごすぎて…。

昨年アップリンク京都で予告を観た時は
東出昌大の狩猟のドキュメンタリーかあ…
という程度でしたが
監督が藤井風のドキュメンタリーを撮り続けている
ザベスことエリザベス宮地さんだ、というのを知って
違う意味で興味が出て、絶対観よう!となったのです。

ヴェジタリアンを公言し、ドキュメンタリーでも
野菜に拘わる藤井風を撮りながら
同時進行で東出昌大の狩猟に同行していたザベスさん。
温厚なイメージとは裏腹に
結構ダークというか、時にレンズ越しに
被写体の(隠したいだろう)本質まで映すその映像は
ダラダラとしていながらすごくシャープだなあ…
と思っていたのですが
今回の「WILL」ではそれがさらにパワーアップした感じです。
もはや容赦ない、という形容がぴったり。

でも逆にその静かな鋭さが、
撮影開始当時、孤立無援だった
東出昌大のある種の清々しさを際立たせ、
人間という存在をありのままに映し出すことで
そこには、苦悶し、苦悩し、それでも
生きる、ために狩猟という道を選んだ
1人の人間を魅力的にとらえていました。

何より
狩猟を通して
私たち観る側は
命と世界と宇宙という
大きな循環を見せられていく。
そのスピード感は
正直、あの間延びした
しゃべり方のザベスさんの
どこにそんな力が、
と驚かされました。
(褒めてる…つもり…)

冒頭、いきなり山での狩猟光景、
当たり前のように撃たれた獲物を
解体していく。
狩猟が主体なので
その後何回となく狩猟場面、そして解体場面は
出てきます。

「狩猟は残酷」東出本人もキッパリ言う通り、
映像を通してさえ、残酷な世界を
当たり前に見せられる。

「命とは命を食べる存在」と東出の師匠である
服部文祥は言いますが
狩猟とは極端な話、殺るか殺られるか?
の世界であって、そこには本能としての喜びと
そして同時に命を奪ってしまった、という
悲しみが同時に起こる世界でもある。

また、
東出はもちろん、
彼の猟銃の師匠の
服部文祥、
東出が東京から
逃げるように住み始めた
山の集落の人たち、
宮地がこの映画を撮るキッカケとなった
写真家の石川竜一、料理人で狩猟家の阿部達也、
東出宮地共通の友人であり、この映画の音楽を担当する
MOROHA、芸術家のGOMA、地元の猟師たち、東出を追いかける週刊誌の
カメラマンたちなど
みんな東出と共に彼が獲った肉を食べ、
人生について、命について、環境について…
延々と話す。

そう、この映画では
狩猟と共に
それぞれが
とことん語り、話す映画でもあるのです。

ドキュメンタリーだから
語る部分が多いのは当たり前だけど
机上の空論ではなく
まず実施というか
狩猟という体験を通して
そこからの
命や世界、人間としての可能性や
現代の生きづらさなど
全てが
「命」を通して
語られていく。


初っ端から
撃たれた状態で
瞳を開いた
鹿が絶命してゆく姿を
見せられ
そしてすぐさま
内臓を出され
皮を剥がれて
担がれ、
その夜の宴の
主役となるまでを
映像通して
私たちも体感するのですから、
そりゃ命とは何か?
を考えさせられるわけです。

途中で
屠殺場での牛の姿
がチラッと映るのですが
その時の牛の瞳が
山の鹿の瞳と
似てるようで
まるで違うのに
驚きました…。
同じ命
なのだけれど
私も含めて
どれだけの人たちが
自分が買っている
肉の源である
動物の絶命の瞬間を
感じたことがあるだろうか。

そこに
循環は感じるだろうか。

そんななんとも言えない
重苦しい気持ちを抱えながらも
映画を通して
命の重みを
噛み締める。

そしてそれぞれが
語る言葉も
噛み締める。

印象的な言葉が
数多く、というか
もうすべてが印象的であるけれど
特に心に残ったのが
さきほどの
服部さんの言葉と
事故後記憶が時々途絶えるという
GOMAさんとの会話。

「いつか死ぬというは絶対に来るから
生かされてる時間を楽しむ」

人生は
死ぬまで生きるわけで
その間を
例えば
赤の他人の失敗やスキャンダルを
叩きまくって呪詛の言葉を
吐くより、他人を憎むより
その分
自分に対してもっと
慈しみ
愛せば
世界はもうょっと生きやすいし
自分も生きづらさがなくなっていくんじゃないかな。

そんなことを
東出昌大が呟いていたように、

生きているということは
残酷でもあり
奪うことでもあり
でも同時に
愛することでもあり
慈しむことでもあり
それが人生を楽しむことでもある。

2回観て
心からそう思った映画です。

ちなみに
「WILL」には
色々な意味がありますが
最後に
これは
東出昌大の破壊から再生への2年間を
見つめた
「遺言」でもありました。

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