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マイソール観光② l 2日目・デヴァラジマーケット、嘘つきのリキシャ、昼のマイソールパレス、おしゃれカフェ、ぎりぎりプロペラ機でチェンナイへ帰る。

3日目、マイソールのホテル The Quorum Hotel の朝食はインドの Tiffin のちょっと豪華版。チェンナイで日常のドーサ、サンバル、チャトネと野菜炒め、スイカジュース、あと好きなポンガルがあったので取ってみた。
ドーサはだいたいどこで食べても味はあんまりかわらないが(サクサク具合は違うけど)、ポンガルはかなりあたりハズレが激しいと思う。
チェンナイに来てしばらくはホテルに滞在していて、そのホテルの朝ブッフェでたまに出てきたポンガルが、硬さと塩味がちょうどよくてものすごく美味しかった。
それを超えるポンガルにまだ出会えてなく、そろそろ自分で作ろうと思っているところである。

朝ごはん。期待のポンガルはやわらかすぎた。
サンバルが甘かったのだが、このあたりのサンバルの味付けは甘さを出すんだろうか。
美味しかったがたくさんは食べれない味だった。
ホテルの部屋からの景色
あんまりキレイではないが、インドの喧騒からは離れているので静か。
ロビーはまあまあキレイ。部屋のドアキーがちゃんと機能していればよかったのだが。。


昨日夜に行ったマイソールパレス(マイソール宮殿)が開くのは10時でまだ早いということで、Devaraj デヴァラジマーケットに寄ることにした。
私もだが、インドに来ている日本人は雑多なマーケットに行くのがすごく好きな気がする。やっぱり、いわゆるインドの喧騒に浸りに行きたいんだろうか。
しかし、わざわざ探して出かけないと喧騒を経験できないという事実。
インドが我々が知るインドではなくなってきている証拠だ。



Devaraj  デヴァラジ・マーケット
Devaraj マーケット自体のピンはないのだが、25000 超えるクチコミがある店に Devaraj マーケットのレビューが集まっているので参考に貼っておく。


Devaraj マーケットのそばの広場で車を降りる。
まだ早かったので広場の露天商は準備中。少しずつ店開きしている時間だった。

広場からマーケットに入る前の通路には果物や野菜類が並ぶ
ざくろ。いい香り。
お菓子屋さん。
これ系のお菓子はインド人がよくくれるのだが、甘すぎて一個すら完食できない。
道沿いでりんごを丁寧に並べる男性。
一番下の列が売れるのはいつになるのか。
時間が経って、どんどん活気が出てきた。
ここ、マーケットの入り口らしい。
少し歩くとバナナと果物。果物、やはり几帳面に並んでいるが、相当まとめて買ってくれないかぎり一番下の売れないなあと心配になる。
この一帯はバナナワールド。バナナばっかり。
同じ場所で同じものを売って商売成り立つんだろうか。
ゆったりしていて競りって感じでもないし。


前日に訪れたバンガロールのフラワーマーケットも圧巻だったが、こちらはアーケード内の一区画で花屋さんが集まっている。黄色い花が最も多く、続いて赤とオレンジ。たまにピンク。美しい。
インド人は主に神様へのお祈りや日常の飾りで花を使うそうだ。
フラワーマーケットで花を大量に仕入れてさらに別の店で売る人もいるし、家族で神様の飾り物に使うために買いに来ている人もいる。
店によっては怒号が飛び交うところもあり、たぶん価格交渉をしているんだろう。

花屋さんが多い区画。見定めしている男性。
黄色い花と黄色いバナナが一緒に売っている。
ざぶとんみたいになってて面白い。
黄色の分量多め
インド人にとって生花は生活必需品なんだろう。


その他に、バングルを売ってる装飾品屋さん、色粉屋さん、雑貨屋さんなどまとまっていて、ここでいろいろと揃う。
ないのは肉くらいか。肉はこういう所ではやっぱり売れないんだろうな。

腕輪などの飾り
地面に描くコーラムに使ったり、ホーリーで使ったり。
色とりどりのカラーパウダーと、固めた団子みたいなチョーク。
とんがり帽子になってない。
パスタ。アメリカのグミみたいな色のもあった。
穀物や唐辛子
これ、すごい熱心に勧められたキッチン用品。
まな板・包丁・お皿一体型調理器具。めっちゃ使いにくそう。
こちらも色粉。盛り方バンガロールとちょっと違う。
この辺りでは色粉はぎりぎりまでは盛らないのかもしれない。


Devaraj マーケットは広くて、活気があってごった返している。
怒鳴り合いの掴み合いのケンカ風景も見た。
原色の山盛りの野菜、きちんと小分けされた野菜、鮮やかな色粉の山が並んでいる店など、全てフォトジェニックで素敵だった。
生活がかかった必死の商売だと想像されるが、それでここまで美しい市場を作れるのがインドの底力なのだと思う。

野菜ゾーン
原色の野菜が並んでいるだけで美しい。
大量に買い付けに来てる客もいる。飲食関係だろうか。
この男性は人参を仕分け中
種類ごとに小分けにして並べている。
こういう作業好き。
マイソールの方は、けっこう几帳面なんじゃないか。
これはもしや食後に食べる口直しの葉っぱか。つやがあって瑞々しい。


ちなみにマイソールはサンダルウッド(白檀)が有名らしい。
香料もだが、サンダルウッドの石鹸とか、けっこうお土産として人気なんだとか。
私もお香は好きだが、白檀より沈香を好んで使っている。

お香が売っているお店。線香の見た目は手持ち花火みたい。
いろんな香料を試香させてもらった。
いわゆる欧米のブランドものの香水より自然なので落ち着く香り。メンズでも全然ありと思う。
ここのお兄さんはいろいろ説明してくれてすごく親切。
何も買わなくて申し訳なかった。
出口から見たところ。美しいインド。。



マーケットを出ると、朝一番に通った広場では出店がひしめきあって人がたくさんいた。

見違えるほど人が増えた。
バナナの間をさっそうと歩く女性たち
ライムばっかりこんなに。


ちょうどいい時間になったので、マイソールパレスに向かう。
昨晩はゴージャスライトアップ中の夜のパレスを観たので、今日は昼のパレスに入場しマハラジャの生活を鑑賞するのだ。


昨晩は車と人でごった返してキラキラ電飾だらけだったラウンドアバウト。
昼間に来るとなんだかシャビーである。


途中でサンダルウッドの石鹸を売ってそうなお店に寄った。
ここ Sreenivasa Glamour Stores は地元の人に人気の店なんだとか。


こういう店の方が観光地のお土産屋よりは安そう。
石鹸買った。1個45ルピー(約80円)
いい香り。



マイソールパレスに向かう途中にバスロータリーがある。
バンガロールからバスで来るとここに着くのだろうか。結構広い。


マイソールパレスの近い方の入り口、北門に着くと、チャラいお兄さんが近づいてきた。
「今はお祭りの関係で、北門は閉まっている。南門からしか入れない。よければリキシャで案内するよ」
まず信用できない。

北門から入っていく人がちょうどいたので、あの人たち入ってるよって言うと、
「彼らはパレスで働いてる人たちだ。僕もパレスの関係者なんだよ、そんなに信じられないなら行ってくれば。絶対引き返してくるから」

北門まで行くと確かにポリスっぽい人が立っていて、南門から入るようにと指示された。
女性5人組が同時に入って行ったのだが、関係者ということであった。

通りに戻るとさっきのお兄さんと違う人が近づいてきて、
「南門からしか入れないよ。でも今日は11時半にならないと開かないから、近くのインペリアル ○○○ に行って時間潰してるといいよ」
と言われて、去って行った。
その後すぐ、最初のお兄さんがオートリキシャに乗って来て、
「そういえば、今日は特別な日でパレスは11時半からしか開かないから、南門に行く前に、インペリアル ○○○ まで送ってあげるよ。行った方がいい、お土産がいっぱい買えるよ」
と言う。

11時半まで開かないって何。
彼らグル感満載だし、インペリアル ○○○ というのはおそらく観光客から金を巻き上げる大きなお土産店なんだろう。騙して連れて行くためにこの辺にたむろしてるんだろう。

結局自分たちのドライバーを呼んだ。
マイソールパレス南門経由で、万が一本当に開いていなければ景色の良いチャムンディーの丘に行くことにした。



結果、パレスは普通に開いていた。

騙されて貴重な観光時間を失う日本人がいないことを祈る。



昨晩とは比べものにならないくらい入りやすかったが、それでもダシャラ祭の時期とあってかなり観光客は大勢いた。
夜はインド人で埋め尽くされる入り口の門も前の広場に、お土産がいくつか出ていて、そこでマグネットと小さい象の置き物を買った。

珍しいコインを販売している男性がいて、古いコインがコレクションされたコインブックが4000ルピーだった。
我々メンバーの一人がコインに一瞬興味を示してしまったため、この男性、その後もずっとコインブックを持ってついてくることになる。

価値があるものらしい。
4000ルピーの価値があるかはあなた次第。
入場料100ルピー
ここは外国人もインド人も同額だった。珍しい。
夜は人で埋まっていたところ。
ゴープラムも光ってないとまた違う味わい。
昼のマイソールパレス、昨晩の勢いはない。
修学旅行生かな

マイソールの歴史はバンガロールパレスを訪ねた時にも書いたが、イギリスに頑張って対抗して、統治後もマイソール藩王国として名前が残った世界史上有名な街である。
この街は、1947年のインド独立まで、オデヤ家(ウォルデヤール家)による支配が中心であり続けた。
インド独立後、マイソール市はマイソール州(現カルナータカ州)の一部となったが、マイソール藩王(マハラジャ)のチャーマ・ラージャ11世は肩書を持ち続けることを許され、また州知事にも指名されたらしい。
昨晩見た電飾はこの人かもしれない。
ちなみにチャーマ・ラージャ11世は知事退任後、1974年9月23日にバンガロールパレスで亡くなり、マイソール市において火葬されているそうだ。


さて、このマイソールパレスは最初14世紀に建てられてオデヤ家の住居として使われていたが、たびたび破壊され再建が繰り返されている。
現在の宮殿は1912年にイギリスの建築家ヘンリー・アーウィンの設計により建て直されたものだそうだ。

イギリスのゴシック様式とインドの伝統的なムガル様式が融合した、「インド・サラセン様式」の建築物だ。

近くでみると、けっこう古びた感じ。やはりライトアップマジックはすごい。

インド・サラセン様式はインド国内にいくつかあり、チェンナイの国立美術館もその一つだ。

こちらで書いています。


イギリス人たちが南インドのヒンドゥー教寺院の美学を受け入れられなくて(特にマドゥライのようなカラフルで派手なゴープラムがニョキニョキ立っている図)、それよりもイスラム様式の建築を気に入っていたという話。

横からぐるっと受付へ回る
靴を預けるカウンター。カオス。
ちゃんと戻ってくるのか不安しかない。


中は人が多くて、前の人に続いて流れていくような鑑賞スタイル。
珍しいものが展示してある部屋では、立ち止まるとピーっと笛を吹くおじさんがいて、早く動けと誘導される。
落ち着かない。
インド人たちも、ゆっくり自撮りができなくて不満そうだった。

内部は貴族趣味で、これがマハラジャの生活なのねという感じ。
ヨーロッパとあまり変わらない。
マハラジャの結婚式や誕生日など、お祝い事に使用されていたパビリオン。
昔踊り子がここでダンスを披露していたんだろうか。
パレス内はツアーガイドがやっていて団体客もちらほら。
小物入れのようなものが大事そうに並んでいる。お香入れ?
壁に描かれた絵は細密でなかなか良い。藩王国時代の風景か。
中庭には虎の像
大事なコレクションはガラスケースに入れられ、ロープで近づけなくなっている。
観光客はかなり遠くから見るスタイル。
ガネーシャの窓


上の階の、外につながるホール(マハラジャが民衆を見渡せるところ)に出ると、外が明るくてとても気持ちがいい。

実際マイソール藩王国の時代、イギリスの統治下だとは言ってもマハラジャの生活は華美なものだっただろうから、ここから見渡すのもまあ気分よかったんじゃあなかろうかと思う。

しかしここ、マハラジャの気分に浸りたくても、作業中まるだしのテントやらトラックやら足場やらが目に入り、全く情緒がない。
普段はそんなことないのかな、、お祭り中だからかな、

正面の開放されたテラスにつながるひたすら広い空間
ドームがたくさん集合した形
色合いが甘め。
天井画もパステルで甘め
ここで群衆を見渡せるのだ。
しかし、なんだか作業中のスタッフやテントなどが多くていまいち情緒に欠ける。


その次のスペースではマハラジャの実際座ってた黄金の椅子が公開されている。だが追加徴収される。
写真はダメということだが、一緒に入った我らのドライバーは堂々と撮っていた(そのあと怒られた)
見た感じはまあ、ふうん、という感想しか出てこない。
金なのはすごい。しかしデザインはイマイチ。
気になったらぜひ見に来て欲しい。

マハラジャの座っていた金の椅子というのを見るためには、ここでプラス50ルピー払わなければいけない。
もちろん払って見に行った。
この目隠し用のパネルの裏に金の椅子が。
ここもパネルのせいで台無しである。

夜のライトアップマジックと違って、真昼のマイソールパレスは、ちょっとしたところの汚さや絶賛作業中が目立ってしまって残念な感じはあった。
しかし全体的に言ってすごくちゃんとメンテナンスされていたと思う。

インドの中で、その時代に以前からの名を名乗ることが許されていた藩王国って特別だったと思うし、かなり経済的に恵まれていたんだなということがわかった。そしてインド中から大勢のインド人が興味をもって観に来てるっていうのも、ちょっと嬉しい気持ちになった。


そういえば、の靴。
意外と無事返ってきた。


正面へ行き記念撮影だけして、マイソールパレスを後にした。

プラスチックの椅子とテントが目立つ。
敷地内に花でできたマイソールパレスが!
象とラクダもいた。かわいい。




お昼はマイソールのおしゃれな界隈にあるレストラン Frosting Cake Shop & Italian Restaurant へ行った。


チェンナイの Alwarpet 地区のように、マイソールにも閑静な住宅街とカフェ激戦区というのがあるようだった。このあたり一帯は現代化したきれいな店が多い。

洋風のおしゃれな外観
半テラスもある
案内された屋内の席
花の絵がいっぱい飾ってある
ガーデンの緑が見えて気持ち良い

マーケットとパレスに長居してしまったので、昼食を食べ始めたときには飛行機の出発時間までぎりぎりだった。他にもジャヤーチャーマラージェーンドラ美術館とか、景色のいいチャームンディーの丘とか行きたかったのに、もしかしたら飛行機も乗り過ごして車で帰るか考えるレベル。

ストロベリー&バナナシェイクはすごく美味しい。
日本で買うのと同じような味。
ピザも美味しい。ちゃんとピザ釜があった。
洋風のメニュー


店はきれいで雰囲気が良いが、それ以上に店員さんの対応が良かった。
テキパキしているし、5分お待ちくださいと言われたら本当に5分だった。
飛行機の時間を気にしながらだったので、なおさら神対応に見えて素晴らしかった。

なぜかすごく時間がかかって最後にきたメキシカンなサラダ。いろいろと辛いものが入っていた。



食べ終わったら急いでマイソール空港へ。

こじんまりとした空港で、入るとすぐにセキュリティーチェックがあった。
セキュリティーチェックの前後で小さな売店が一つずつあるのみ。お土産屋などは皆無。

全く待たずに入れたのと、飛行機の出発が遅れたため少し余裕があった。
今回はプロペラ機に乗る。インド国内はプロペラ機もまだ多いようだ。

かなりきれいな空港。
ダシャラ祭の垂れ幕が。
待合室はここで全部。
地面と同じ高さに待合室がある空港は久しぶり。ワクワク感ある。
プロペラ機だ!
我らが乗る飛行機が遅れて到着し、前のお客さんが降りてくる。
小さい飛行機だが機内はゆったり
席からプロペラを十分堪能できた。




無事チェンナイへ帰宅。
急に決めた旅だったがなかなか充実していて良かった。マイソールにあと3時間くらいいられたらもっとよかった。
バンガロールはとても近いことがわかったので、また美味しいワインを飲みに行きたい。


チェンナイに着いたら象が運ばれていた。

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