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【旅】子供と行く台湾高雄-鉄道と歴史と民主主義を学ぶ-♯028

子供が生まれて以降、のべ25か国を8歳・4歳の子供たちと旅しています。
年明け早々、1月の3連休を活用して、台湾に行ってきました。
夫も私も台北には行ったことがあるので、今回は台北を拠点にし

①高雄
②九分・十分

に訪問。

台湾の食やマッサージも最高だったのですが
・台湾と日本との歴史的な関係
・台湾の民主主義

を子どもと一緒に学べたことが今回の旅のハイライトでした。

また、息子は鉄道が大大大好き。そんな鉄ちゃんにも台湾はおススメスポット。大宮や京都の鉄博ほどの規模ではありませんが、鉄道博物館が台湾にもいくつかあります。そして、このような博物館でも台湾鉄道史を通じて日本とのかかわりが学べるので、鉄道以外の切り口でも楽しめます。

何回かに分けて、台湾旅行記を書いていこうかと思いますが、今回は高雄の旅行記を。

台湾版新幹線でいざ高雄へ

台湾新幹線と日本の繋がり

台湾新幹線は、2007年に開業した台北の南港駅から高雄の左営駅までの約350kmを、所要時間約1時間30分(最短)で結ぶ高速鉄道です。日本の新幹線技術を初めて海外へ輸出した案件で、日本の新幹線車両である700系の技術が活用されています。新幹線移動をよくしていた私は懐かしい車両でした。♬ビー アンビシャース と聞えてきそうな車内(笑)。
鉄道好きの息子はもちろん、鉄道会社で働いていた私も乗ってみたいと以前から思っていました。今回は始発から終点まで乗車しました。

外国人版周遊パス

今回、高雄までの往復で元がとれるとのことで、連続した3日間、台湾高速鉄道が乗り放題になる台湾高鉄3日パスを日本にて購入。
このパスは、自由席だけではなく指定席も乗れるのですが、事前に台北駅の窓口に尋ねたところ、良い時間のものは指定席は満席。もともと台北駅から乗車予定でしたが、始発の南港駅まで行って、自由席で乗車しました。

台湾⇒高雄はたったの1時間半

台北から高雄までは1時間半なので、息子のように鉄道に興味があるわけではない4歳娘もなんとか間が持ちました。そして大人は車窓を楽しみました。台湾の地方都市は未経験でしたが、台中駅付近の車窓は高層ビルが沢山並んでいてびっくり。

あとからChat GPT先生に聞いてみると、台中は、台湾有数の工業都市で機械、自動車、電子機器、化学製品、プラスチックなどの製造業が発展しているのだそう。台南駅付近も三井アウトレットパークが見えたり、現代アート風のオブジェが見えたりと、新鮮な風景でした。そのように時間を過ごしているとあっという間に高雄です。

高雄の行程

高雄の行程はこんな感じ。

左営駅
龍虎塔
駁二芸術特区
旧打狗駅故事館
哈瑪星台湾鉄道館
高雄市立博物館
美麗島駅
六合夜市

これを1日で回ります。
まず最初に「これぞ高雄!」といったような観光地に行ってみたいという夫の要望に応え、龍虎塔に訪問。龍虎塔がある蓮池潭は、新幹線の左営駅からバスで10分程度の場所にある人工の淡水湖。湖のほとりには廟が点在し、湖の中に各廟が設けた楼閣まで桟橋が伸びています。


そのなかのひとつが高雄のシンボルとして有名な龍虎塔。龍の口から入って、トンネルをくぐり、虎の口から出るのですが、このトンネルの内部には、仏教説話の壁画が描かれています。
ただ、あいにく訪れたときは工事中(涙)。

虎も龍も垂れ幕でしたが、トンネルの中に入って壁画は見ることはできました。

面白かったのは龍虎塔のジグザグ道。あとから調べてみると直進しかできない悪魔を寄せ付けないための魔除けの意味があるそうです。
また龍と虎の由来は、台湾では、十二支の中で龍が最も善良な動物で、虎が最も邪悪な動物だと信じられており、龍から入って虎から出ることにより、過去の自身の悪行が帳消しになり、福が訪れると言われているそうです。今年は龍年。新年早々、干支にゆかりがある場所に行けました。

龍虎塔の隣にある春秋御閣にも訪問。


続いて、多くの鉄道関連施設がある駁二芸術特区に移動です。

台湾の鉄道と日本のかかわり

駁二芸術特区は、台湾の高雄市にある複合アートスペース。

旧倉庫街をリノベーションして作られました。「大義倉庫群」「大勇倉庫群」「蓬莱倉庫群」の3つに大別され、「哈瑪星鉄道文化園区」とともに、哈瑪星エリアの一大観光拠点を形成しています。

旧打狗駅故事館

台湾の鉄道は、日本の統治時代に遡り、鉄道敷設工事が本格化したのは、第4代台湾総督の児玉源太郎の時代だそうです。
この駁二芸術特区にある「打狗駅」は、高雄の港の近くにあった駅で、現在、旧打狗駅故事館として活用されています。中は駅長室など無料で見学可。当時の駅の内勤室の雰囲気がわかります。


鉄道会社で働いていた頃、よく駅の内勤室に出入りしていましたが、駅長室のつくりなど、似ているところがありました。

哈瑪星台湾鉄道館

同じく駁二芸術特区にある哈瑪星台湾鉄道館は、鉄道博物館です。ここは、なんといってもジオラマが立派!すごく大きく、また丁寧に作られていて鉄道ファンでなくとも一見の価値があります。

私たちも見入ってしまい、なかなか離れることができませんでした。

また倉庫群を回るミニトレインもあったので乗車。子供たち、大喜び。快晴のお天気のもとだったので、気持ちよかったです。
なお、「哈瑪星」という名称は、日本統治時代の俗称「濱線」の名残なのだそう。日本語の読みを台湾語の音であてたものを中国語で表記しています。

高雄市立歴史博物館

駁二芸術特区から20分ほど歩いた場所に、高雄市立歴史博物館があります。ここにも高雄の鉄道が学べる場所があるので、行ってみました。ここは鉄道だけでなく、高雄市に関する様々な歴史的資料、文物などを収集、展示しています。
見ごたえがあったのが、鉄道や港湾といった高雄のインフラ機能がどういう目的で、整備されていったのかを学べるコーナー。


また、台湾の二二八事件の展示は中国語表記でしたが、沢山展示物があり、日本語でも読んでみたいと思いました。

ちなみにこの博物館は、日本統治時代に設立された旧高雄市役所の庁舎。 庁舎の建築も見ごたえがあります。

館内、おしゃれなカフェスペースも。

またキッズスペースがあり、子どもを遊ばせることもできました。

展示物も体験型のものも多く、総じて楽しくまわれました。

美麗島駅

博物館からバスで3駅。美麗島駅へ。ここは高雄にある地下鉄駅で、美しいステンドグラスのドームがあり「世界で最も美しい地下鉄駅15選」という記事で、世界で2番目に美しい駅になったことで有名です。

美麗島という名称は「美しい島」を意味するそう。またこの駅は高雄の主要駅の一つで、観光地である六合夜市の最寄り駅です。
夜市はまだ空いていなかったので、美麗島駅近くの川老頭鍋貼與蒸餃でおいしい点心をいただきました。

おまけ:国立台湾博物館 鉄道部パーク(台北駅)

高雄ではありませんが、台北駅近くにも鉄道博物館があり、ここも面白かったのでご紹介。
赤レンガ造りの建物で、ここも日本統治時代の建築物。

元々は台湾総督府交通局鉄道部が入居していて、戦後は1993年まで台湾鉄道の総局が使っていたのだそう。
この重厚で華やかな建築も、非常に見ごたえがあるのですが、展示物も台湾の鉄道史から鉄道設備まで幅広く学べます。


ちなみに台湾の鉄道史において、日本は大変深い関係であり、4代目台湾総督児玉源太郎と鉄道技師の長谷川謹介の名前は一番最初の展示で紹介されていました。

またこちらも、キッズスペースがあるので、鉄道に関心がない娘はこちらで待機。


また鉄道以外に「団地」に関する展示なんかもあったりして、興味深かったです。

台湾の民主主義

二二八事件

先述した高雄市立歴史博物館でも展示があったように、台湾では「ニ二八」という言葉をよく見かけました。現在の台湾が抱える問題を見ていくうえで、これは知っておくべきテーマです。台湾に来ると、ニ二八事件を学べる場所がいくつもありました。
高雄市立博物館でも展示を見学しましたが、台北の中正紀念堂 でも、台湾の人権問題をテーマにした展示がされており、こちらも非常に見ごたえがありました。

また高雄の駁二芸術特区でもHuman rightsに関する講演会が開かれていて、主催者の方たちが路上で呼び込みをされていました。
「台湾における民主主義の歴史」。
これは歴史的にも台湾と繋がりが深く、また東アジアの一員でもある日本人も学ぶべきテーマだと思います。

選挙

台湾は、総統選の投票日を控えており、選挙運動に遭遇することもありました。
国が違えば選挙運動も全然違うんだなぁとびっくり。
高雄で信号を待っていると、すごい数のバイク軍団を従えて、マイクで何やら叫んでる人を乗せた車が現れて、「え、暴走族?!」と思ったら選挙演説カーでした。





本当に賑やか。

この記事に日本と台湾の選挙運動の違いがまとめられていたのですが、以前は銅鑼(どら)や爆竹を使う候補者もいたのだそう。


というわけで、高雄は、鉄道、歴史、民主主義と非常に学びが多い場所でした。
ぜひ台北だけでなく、高雄にも足を延ばしてみられることをお勧めします。

九分・十分編はこちらでお楽しみください。

もし、この記事を最後まで読んでいただきましたら、♡やフォロー、お待ちしております!ありがとうございました。

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