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山ペンギン 25 イマドの過去

「また会うー日までーあえるー時ーまでー」

テレビから随分懐かしい音楽が聞こえてくる。

懐かしい、じゃないな。オレは産まれてない。

「古い曲流れてるね。」

イマド、なんでお前それ知ってるんだ?

「ボクが東京で暮らしてたときに聞いたことあるよ。」

もう、聞いたことをスルーしよう。

「あーなたのー誕生日に22本のー」

「線香を立ててー」イマドが後を受ける。

何を言ってるんだ・・・。

誕生日じゃなくて命日になってるじゃないか・・・。

「お話ししましょう。」

「帰ってください。」

女神が来たが、ここのところ457連敗中のオレは機嫌が悪い。

「イマドはイマドではないのです。」

じゃあ厩戸か!!

どんだけ古いんだ!!

「イマドがイマドと呼ばれる前は」

「イマド君いるー?」

女神を遮って主任登場。

本日の売れ残りは「和風ナシゴレン」

販促部じゃなくて、企画部に対して言いたいことがある。

「イマド君の過去の話?」

「そうです。」

オレの言葉をスルーしてコタツに将棋を並べる女神。

将棋のときの相手はイマドの方だ。

「彼女?はもともと・・」

「全部聞いてもウソなんでしょう?」

と主任は遮る。

「実は私もよく知らないのです。」

じゃあ話題出すなよ!!

とはいえ、女神はイマドと将棋を指しているので、

オレは主任とテレビドラマの話題で盛り上がることができた。



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