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2023年メディア露出連鎖をうんだ4つのアクション

おはようございます。株式会社リブラン宣伝・広報のとぐちゆうこ(@yukotoguchi)です。この記事は「#PRFunho Advent Calendar 2023」の12月15日にエントリーしています。

今回のnoteでは、広報業務の中でも今年特に力を入れてきたメディアリレーションズについて綴ります。この1年は、リブランとしても自分自身としても、来年これ以上積み増せるか不安になるレベルで、多くのテレビ・新聞・雑誌・WEBメディアに取り上げていただきました。


メディア掲載事例

まずは2023年掲載分に絞って、一部掲載事例をご紹介します。

【防音賃貸マンション「ミュージション」関連】

◎日経MJ 7月12日 トレンド面 

◎日本経済新聞 8月3日 29面

◎テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」8月22日放送回

◎NHK「おはよう日本」9月25日放送回


【事業承継、経営関連】

◎BSテレ東「アルバレスの空」

◎財界

◎全国賃貸住宅新聞 5月1日・8日特大号

どデカ!転載は発行元の許可済みです。

◎不動産流通研究所「R.E.port」


リブランは、今年で創業55周年を迎える社員数60名ほどの小さなマンションデベロッパー。市場への住宅供給戸数も少ないのですが、24時間楽器演奏可能な防音賃貸マンション「ミュージション」や、風通しや自然素材にこだわったリノベーション「てまひま不動産」など、他ではなかなか見かけないようなユニークなブランドを手掛けています。

尖った商品があれば、いつか誰かが見つけてくれて、勝手に広まっていってくれる。テレビや新聞も放っておくはずがない、と、社員の多くは思っていたんじゃないかと思います。

ところが、

「リブランさんが最後にうちの媒体に載ったのは、15年前ですね。それも、御社の社長が代表を務めるNPO法人の取材だったみたいです。こんなにおもしろい住宅なのに、うちも気づかずすみません。」


某全国紙の記者さんにそれを言われた時の、私のショックたるや!3日間寝込みました。

確かに、広報が立ち上がるまでのメディア露出量はとても少なかったんです。1年で専門紙に何回か、テレビは1回あるかないか、一般紙、全国紙は、ほぼゼロ。ニッチなニーズに応えるブランドであることは認識していましたが、騒音問題という社会課題を解決し、音楽家・音楽愛好家の暮らしに寄り添う。こんな素晴らしい商品が知られていないなんてもったいない!

はい、エンジン点火。
いよいよ、実際に私がどう行動して、経営にどう貢献したかをお伝えしていきます。
はじめに断っておくと“超泥臭い&非効率的”なやり方だと思います。あくまで弊社、とぐちの場合の話ですので、「ここまで動かなきゃだめなのか(げっそり)」なんて思わないでください。何か1つでも参考になることがあれば幸いです。


メディア露出連鎖をうんだ4つのアクション

・足で稼ぐ

まずは「足で稼ぐ」です。

足を運ぶ場所を増やす環境を整えるため、3年前から段階的に以下を行いました。
・プレスリリース配信サービスをPR TIMESに変える
PR協会に会社で加入する
※最初は個人で自腹で入会→成果と意義を上司に伝え、会社での加入に切り替えていただきました。
・広報交流会、勉強会やセミナーに多く参加して、参加者や登壇者と情報交換する
・自分で記者さんや他社広報さんとの情報交換会を主催する
・・・

様々なコミュニティに籍をおいておくことで、入ってくる情報・与えられる学びや交流の機会は段違いです。とはいえ、やみくもにあれこれ手を出している時間はありません。

①体系的に広報を学べる機関への所属
②愛読書の著者、尊敬する他社広報さんのXやnoteでの発信、オフラインでの交流

この2軸を基準に動きました。

今年、本日12月15日までの間、参加した勉強会や記者さんとの情報交換会は、

・自分が主催になって開催した数人単位の勉強会、情報交換会:61回

・他社やフリーランス広報さんが主催した数人単位の勉強会、情報交換会:30回(ex.小野茜さん主催の「広報勉強会」など)

・他社が主催した中・大規模なセミナー:34回(ex.宣伝会議、PR協会、SCALE PR主催セミナーなど)

計125回!
今初めて累計出してみましたが、なかなかな数ですね。

オフラインとオンラインの割合は7:3。昨年まではオンラインの方が多かったのですが、今年はオフラインが上回りました。総数としては、年間労働日数が約260日ですから、その半分に迫る勢い。

社内からは「とぐちがほとんど出かけていて捕まらない」という声も聞こえましたが、今年はどうしてもメディアリレーションズを強化したかったので、全振りさせていただきました。

もちろん、情報交換をするタイミングも計算しました。1つ大きな露出があった後に、敢えて動くようにしたんです。そうすると、

「リブランさん!この前日経MJ出てましたよね!見ました!」

など、皆さんが掲載をご覧になった後で社名やブランド名と共にご挨拶することで、より印象に強く残ることができます。

記者さんからすると、別媒体で取り上げられたものを自媒体でも取り上げよう、と思ってくださる方は少ないかもしれません。ただ、今がそのタイミングではなくとも、強烈なインパクトを憶えていただくことで後々必ずその時がやってきます。貴重な1つの露出を「取り上げられました!」のSNSでの発信で終えてしまうのはもったいないです。擦り倒しましょう。

・反応は光速で

これまでやりとりしてきたディレクターや記者さんから必ず言われたのが、
反応がはやくてたすかりました」という言葉です。
私が書いたプレスリリースで、メディア向けの欄にはほとんど「24時間365日対応します」と、自分の社用携帯番号と共に掲載していました。そう書いても、非常識な時間に連絡をしてくる方はまずいません。ここなら明日の取材でも対応してくれるかも!という候補として考えてくださりやすくなると思いますので、柔軟に対応できる旨、アピールしておくと効果的です。


・ステークホルダーとの協力関係

レスを早くできたところで、すぐに答えられない数字や、インタビュー対応可能な候補者などを求められるケースがあります。

弊社あるあるで言うと、
「今時点の入居待ち人数って何人ですか?」
「明日の⚪︎時にインタビュー可能な、都内のミュージション在住の社会人音楽愛好家っていますか?」
このあたりは鉄板です。

もちろん「確認してすぐ折り返します」で全く問題ないんですが、現場がたまたま定休日で確認が2日後になる、みたいなケースもありました。その場合、特にテレビだと「あー、じゃあまたお声がけします」で終了、となることもあるのではないかと仮定。

そこで、誰かに確認しないと答えられないことを極力減らしました
上の例でいけば、入居待ちはLINEで管理できるようにしたので、スマホで出先からでもすぐ確認可能。インタビュー対応可能な候補者は、営業担当から事前に候補者リストを共有してもらう(しかも営業から提案してくれた😭ありがたし!)ことで、あとはその中から条件に合いそうな方へ、片っ端から私が電話やメールでアポをとります。

この他にも、各プロジェクトや事業部とのMTGに参加させてもらうことでネタを集めやすい体制づくりも奏功していますし、最近は「こんな動きがあるんですけど、ネタになりますか?」と提案してくれる社員も増えました。みんなのおかげ!

その甲斐あって、対象者を見つけられず取材が消えたというケースは、今年はゼロ。日頃から協力してくれる他部署の社員、入居者様、オーナー様には頭が上がりません。改めて感謝申し上げます。


・広報仲間はメディア

メディア連鎖の大元は、他社広報さんから記者さんをご紹介いただいたことがきっかけでした。

例1:同業広報会の集まりで記者さんをご紹介いただき、情報提供→壁打ち→2ヶ月越しで取材決定!そこからさらに1ヶ月の取材期間→デカデカ掲載!

例2:広報仲間からの紹介で専門紙デスクと3人で情報交換→代表インタビュー!→翌週掲載!

優秀なPRパーソンの元には、「こんな事例探してるんだけど」という記者さんからのご連絡があります。その候補として「リブランならハマるかも?」と思っていただける存在になることが大事だと思っています。
これがアクション1つ目でご紹介した「足で稼ぐ」につながるのですが、想定筆頭候補となるべく、自分の露出を高めることも大事にしてきました。

お世話になった広報仲間には、きちんと掲載のお礼をすることは忘れずに!!


・番外編:掲載御礼は直筆の手紙

お世話になった方(記者さん、インタビュイー)には、極力直筆の手紙を書いてお送りしています。特にこれが露出連鎖に繋がるわけではないと思いますが。
毎度、取材にはドラマがあります。その思い出を温かいうちに綴ってお送りすることで、「あぁ、この取材を進めてよかったな」「また話聞きたいな」と思っていただけていたら嬉しいですね。
(レターセットにかかる経費は会社で持ってくれています。感謝。)

お手紙届きました!と、喜びのお電話をくださる方も。


メディア露出連鎖から得た効果

・既存顧客、取引先からの信頼度UP

これから弊社と共同事業をおこそうとしている取引先や、既存ミュージションのオーナー様などから、「見たよ!また出てたね、すごいね!」と多くのお声がけをいただき、現場のスタッフの士気が高まりました。

オーナー様への営業部署が特にそれを実感したそうで、掲載実績をまとめた資料を新たに作ろう!と提案してくれたりと、掲載を事業により直接的に活かそうとする動きが活発化しています。これは広報としては本当に嬉しい!

・記者さんからの信頼度UP

不動産広報といえばとぐち」と感じてくださった方が多く、取材の壁打ち相手として指名いただいたり、記者さんが優秀と感じる同業広報さんをご紹介いただく、勉強会の講師としてお招きいただくなど、お声がけいただくことが圧倒的に増えました。

中には転職や副業の推薦も(笑)。

・オーナー候補者からの問い合わせUP

「4,000人が入居待ち」という数字を強調して報道いただいたケースが多かったので、自分の土地にミュージションを建てたいというオーナー候補者からの、メディア掲載を見ての問い合わせが増えました。住みたい方からの反響よりも結果が顕著だったのは、テレビや新聞に触れる層の違いからだと考えています。

入居者のボリュームゾーンは20〜40代。対して、建てたい!とお考えになる方は、親から継いだ土地の活用を検討している方だったり、これから子に相続を考えている方、あるいは企業の遊休地活用を考えている経営層となるので、年代からすると低く見積もっても50代over。この方々が信頼をおくメディアでの報道となれば、情報そのものの信憑性を評価いただくことと同じです。

・優良な広告媒体からのオファーUP

私は広報だけでなく広告・宣伝も担当しているので、広告営業も私が窓口です。
「プレスリリース見ました、ぜひ!」
「あ、私は広報なので広告は窓口が別なんです、すみません」
ができない、厄介な立ち位置です。

ただ、今年はその広告営業も、大きな媒体からのものが増えました。掲載したのがこちら。

マガジンハウス「anan」

1面にど〜んと「ミュージションplus(ゲーミングマンション)」を出稿しました。

他にも、掲載された紙面や番組で反響が好調だったところへ出稿したことで、得られる効果がピンポイントで想定しやすいのも「宣伝+広報」のメリットだと感じました。

・ユーザーからの広報相談

「WBS見ました!自分もあの番組の某コーナーにアプローチしたいと思ってたんですが、どうやって売り込んだんですか?」
と、入居者さんからご相談いただくことがありました。お話を聞いていくと開発中の新プロダクトがあり、それを取り上げてほしいコーナーがあるそう。ただ、どんな人に向けてその商品がなにを解決できるのかの“切り口”が考えられていなかったので、情報提供への道はこれからです。

言われてみれば、ミュージションは建物もユニークですが、入居者さんもこれまた個性大爆発の逸材が多くいます。商品やサービスの開発と合わせて広報視点を養っていただき、一緒にメディアキャラバンできたら面白いかも?と、新しい可能性に気づかせていただきました。今後の新展開として期待が高まります。

・インタビュイーがバズる

取材にお答えくださった入居者、モスラメソさんのX(旧Twitter)ポスト、なんと140万ビュー!1万いいねを獲得されたとのこと。モスラメソさんにはメディアから「この方にお話し聞きたいです」とご指名いただくこともあり、束の間のマネージャー気分を味わわせていただきました(笑)。

謝礼もない上にいつも突然。毎度快諾いただける入居者さんに対して、ただ言葉と態度で感謝を表すことができないのですが、このような形で少しでも恩返しができたこと、嬉しかったです。
(ご本人発信のテレビ画面のスクショは、きちんと番組関係者に許可をとっていただきました)


・番外編:日経クロストレンド「未来の市場をつくる100社」に選出

な、なんと!私が愛読している日経クロストレンドが、毎年独自に発表している「未来の市場をつくる100社」に、リブランを選んでいただけました(涙)!感無量!!



次の課題

ここまで、メディアリレーションズに全振りした経緯と効果についてお伝えしてきましたが、一方で課題も見えてきました。

・住まい手への届け方

・ブランド認知度は思ったほど変わらない

・部下育成

次回はこの3点について書きたいと思います。今年の振り返りは今年のうちに。がんばるぞ〜!


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